最近、外に出ると、どこからとなくにおってきます。
モックオレンジと呼ばれる低木に白い花が咲き出しました。
Mock orange (偽オレンジ?)と呼ばれる木には、まったく類縁関係にない数種類があるんですね。
知りませんでした。アメリカのモックオレンジはバイカウツギ Philadelphus だそうです。
オーストラリアのは Murraya paniculata。 だからこっちではムラヤとも呼んでます。学名というシステムがあってよかったです。
昔々、リンネが学名のシステムを作ってくれていなかったら、なんの話をしているのか、オーストラリアの人と、アメリカの人と、日本の人と、別の木の話をしていても気づきません。
ネットを使って情報が飛び交う今、動植物の世界におけるエスペラント語みたいなもんです。
ムラヤはミカン科だそうです。日本のWikipedia には実が食べられると書いてありますが、英語のほうには書いてません。
日本語の名前というか、もともと中国語の名前は月橘(ゲッキツ)。
ムラヤのことを書きたかったのは、この木、前は好きじゃなかったんだけど、今はけっこう好き、という心変わりについて触れたかったからでして。
ムラヤは低木で、生け垣によく使われます。
ブリスベンに来た当時、あっちを見ても、こっちを見ても、ムラヤ、という感じで、おまけににおいが強いので、非常に存在感がありました。
前に住んでいた家にも1本ありました。
こちらでは植物の種類が少ないわけではないのでしょうが、植栽とか、使い出したら同じ種類ばかり、という現象が見られます。
いい加減にしてくれ!と叫びたくなるのです。
見て飽きちゃう以外に、同じ「種(しゅ)」ばっかり使うのはよくないんですよ、科学的にも。
その最初がムラヤだったわけです。ところが、最近はムラヤはお気に入りリストから外れたようです。
そのあと、10数年前、市役所のお気に入りが、歩道と車道の間に植えられた木でして、なんて名前か知らないものの、私の嫌いリスト第1位。
最近の嫌いリストは、アガパンサス(この頃、減ったか)、不死鳥花、名前知らない単子葉類(敵の名前知らないとダメですね)。
新しい家を建てたら、業者が、決まってこういう植物を植えていきます。
多様性よ、多様性!
私がオーストラリアを気に入ったのは、日本と違って、あっちにもこっちにも多様性があふれていたからなんですけどね。
植栽のトレンドが変わってくれることを祈りつつ、モックオレンジの香りを楽しむことにします。