生産技術マスターへの道 -91ページ目
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海外の工場から、日本人技術者が帰国できない理由・・・

今回は、海外の工場で生じる問題と、その原因を考えてみましょう。



例えば、海外工場の立ち上げで派遣された日本人技術者が、予定を過ぎても帰国できない。

日本人技術者が帰国した途端に、現地工場のラインがストップしてしまった。


想定外の設備トラブルで、交換パーツが準備されていなかった。


などなど。


これらは海外工場の立ち上げの際によく耳にする話で、

原因として大きく分けて2つの「問題」に分けられます。



ひとつは「工場運営における問題」です。

日本人マネジャーと現地技術者の「コミュニケーション」がうまくいかないために、

予想もしない結果となる場合が多々あります。


日本と海外では環境がまったく異なることを理解し、

「これはわかっているだろう」と中途半端な指示ではなく、

「細かく指示を出す」のを心がけましょう。



また、本社からの「投資回収の短期化」の要求が壁となることもあります。

生産技術はPDCAをくり返し、経験を重ねて生み出されます。


しかし海外進出の投資回収を急かされると、技術者を育成する余裕がなくなります。

設備のメンテナンスやトラブルに現地技術者が対応できないのは、

育成がしっかりと行われていないせいです。


結果、日本人技術者がいつまでも帰国できないという事態に陥ります。

腰を据えて、基本からしっかり現地技術者を育成することが、重要なポイントとなります。




もうひとつは、「生産技術部門における問題」です。


QCDに関するトラブルの多くが、

現地技術者の技術力を無視したライン設計をし、

対応できないような設備を導入した側の責任とも言えます。

現地技術者の育成の遅れが、ここでも問題として浮かび上がります。




現地調達したパーツの品質が良くない、

設備の一部の納期が間に合わないといったトラブルもよくあることです。


パーツの試作品と量産品は、それぞれ異なるラインで製造されます。


そのため、試作品は問題がなくても、量産品で不具合が発生する事態が起こりうるのです。



納期に関しては、以前、現地企業側が値上げ交渉の手段として利用したことがありました。


現在はかなり改善されているとはいえ、海外にはいろいろな企業があります。


新しい調達先や協力企業を探す場合には、このようなリスクもあり得ることを念頭に置くべきです。




これらの問題を改善して、

海外工場で起きるトラブルをできるだけ減少させるのが


生産技術者の役割でもあります。




海外工場の技術力や質を見極められる生産技術者になるには ・・・

コア技術を明確にして部門間連携を!

生産技術部門に求められる役割は、いまや広範にわたり、かつ高度化しています。


お客様の要求品質で的確につくり、グローバル同時生産を可能にする、

他社の真似できない独創的なものづくりに対応していかなければなりません。


こうした多様な要求を満たすために、生産技術者には2つの要件が求められています。





1つ目は、コア技術の磨き上げです。



まずは自社の技術を明確化し、その中からコア技術を認識し、

今後どのような技術開発テーマが必要になるかを明らかにします。


それを踏まえ、技術ロードマップをつくることが有効な手段です。

技術ロードマップは将来の市場動向を見据えて、

付加価値の高い製品をつくりだすための将来像を描いた地図のことです。




これを基に、生産技術開発を行って、将来のあるべき姿をアプローチしていってみてはいかがでしょうか。





2つ目は、開発との連携強化です。



 コンカレントエンジニアリング(CE)が当たり前のようになりましたが、

源流段階で関連部門が集まればCEがうまく展開できるかというと、そういうわけではありません。




関係部門が集まって課題出しの検討をしている場面で、設計者が企画構想を説明した途端、「製品のスペックは?」「構造は?」「図面はあるのか?」などと矢継ぎ早に質問されることがあります。


そもそも企画構想とは、大まかで粗いものです。

それに対して他部門がこのような質問をしていたのではCEは成立しません。


この企画構想段階において関連部門が先進的な知恵を出し合うことによって、

はじめてCEが成立するのです。



 なぜCEがうまく機能しないのでしょうか。



 それは協働のために集まった生産技術部門や調達部門のメンバーが、自分たちの業務の将来構想を描いていないことに問題があります。



将来の生産拠点戦略や、新たな工法、設備の採用方針、生産方式に対する方針等を持っていないために、企画構想段階で開発設計に対して提案ができないからです。

 自部門の展望をもとに、ものづくりのプロセスにおいて全体最適な視点で開発設計の修正を求めることが重要になります。



 有効なCEを展開するために、生産技術部門として中長期視点での「想い」、すなわち生産技術戦略や先行生産技術の開発計画が必要となっているのです。



全体最適な視点を持てる生産技術者を目指すには・・・

全体最適の視点が求められる生産技術者とは?

日本能率協会の経営課題実態調査によると、生産分野における経営者の課題として

「生産技術者の育成」が第一に挙げられています。


その背景として、生産の急速なグローバル展開、商品ライフサイクルの短命化、

販売価格下落による一層の製造コストダウンなどが考えられます。




今日の経営環境下において生産技術部門が抱える課題と解決策についてお伝えします。




自然資源が乏しい日本では、輸入した資源に価値を加え、輸出することで戦後の繁栄の礎を築いてきました。




近年では市場を世界に求めて、また、より安く製造することを目的として、アジアを中心にグローバルに

工場を展開しています。


しかしそこには、国内工場では当然のこととしてできていた品質の維持、納期の遵守、改善活動による

製造コストダウンが、海外工場ではままならない現状があります。


ここで重要な役割を果たすのが生産技術者です。




生産技術者は、商品企画・設計、設備設計、工程設計、製造、物流という製品ができる

一連の流れの中心にいます。そして、その生産技術業務のマネジメントによって、

製造品質やコスト、納期が決まります。生産技術者には、商品の企画段階から設計情報を製造工程に

反映させるための方法を提案して、お客さまの要求を実現させる高い生産技術力が期待されています。




生産技術者の役割は、


① 製品の企画・構想を工場で具現化・量産化するための「生産プロセスの設計・改善」


② それを実行し日々の製造活動を支援する「量産工場の維持・改善」


③ 商品の開発・設計から生産技術が関与する「開発プロセスの革新」




の3つです。


非常に広範な業務への関わりが求められており、それぞれに深い知識が必要とされる重要なポジションです。


しかし、これまで生産技術者にはあまりスポットが当てられてこなかったのも事実です。


従来は開発・設計を行った後に製造工程を考える時間的余裕があったため、難しい設計であっても、

製造現場の「高い技能」を伝承するゆとりや、技能における「カン」「コツ」をOJTで伝えてこられたからです。


現在では、短い時間で商品を開発し、世界同時に製造を立ち上げることが求められています。

生産技術者が中心となり、製品の競争力(QCD)を向上させることが、すなわち企業の競争力を

決めることにつながっています。





質の高い生産技術を目指すには・・・




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