時々、無性に読みたくなる詩が
いくつかあります。
特に、ご縁があった方、尊敬した方が亡くなったり
数年前に亡くなった方のことを思い出して、
「会いたいなあ」と感じるときに
読みたくなる詩があります。
その昔、映画“フォー・ウェディング”
(Four weddings and a funeral)
で葬儀の場面で朗読された詩
Funeral Blues(葬儀のブルース)も
そんな詩の一つです。
イギリス人で、のちにアメリカに移住した詩人
W.H.オーデンの詩です。
タイトル通り、明るい内容ではありませんが、
乱暴な口調、ちょっとユーモラスな言葉の裏に
深い悲しみが感じられて
しみじみと、とても好きな詩です。
櫻木訳なのでかなり意訳しているところもあります。
(特に最後の一文は、完全に意訳です)
気になる方は一般に出回っている訳詞を
ググってくださいませ。
「葬儀のブルース
時計を止めろ 電話を切れ
吠える犬にはうまそうな骨をやって黙らせろ
ピアノは止めてドラムにも覆いを
棺を出せ
嘆く人たちを通せ
飛行機を空に飛ばし、追悼の輪を、そして
「He is dead 彼は死んだ」と書かせろ
ハトの白い首に黒い喪章を
交通整理の警官には黒い手袋を
彼は私の北であり、南であり、
東であり、西だった
私の平日であり、休日であり
昼であり、真夜中であり、
会話であり、歌だった。
愛は永遠に続くと思っていた。
でも、違った。
星なんてもう見たくない
その光も消してしまえ。
月なんて片付けてしまえ、
太陽はバラバラにしろ。
海の水をぬき、
森の木の葉は掃いてしまえ。
どんなものだってあの人のかわりになんて
なれやしないのだから。」
英語はこちら。
FUNERAL BLUES
Stop all the clocks, cut off the telephone,
Prevent the dog from barking with a juicy bone,
Silence the pianos and with muffled drum
Bring out the coffin, let the mourners come.
Let aeroplanes circle moaning overhead
Scribbling on the sky the message He Is Dead,
Put crepe bows round the white necks of the public doves,
Let the traffic policemen wear black cotton gloves.
He was my North, my South, my East and West,
My working week and my Sunday rest,
My noon, my midnight, my talk, my song;
I thought that love would last for ever; I was wrong.
The stars are not wanted now: put out every one;
Pack up the moon and dismantle the sun;
Pour away the ocean and sweep up the wood,
For nothing now can ever come to any good.
ちなみにこの映画の続編が
登場人物の25年後を描く短編映画
「One Red Nose Day and A Wedding」
として制作されているそうです。
「フォー・ウェディング」も大好きな映画だったので
続編も見てみたいです。
それでは、引き続き、素敵な午後を。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。