アメリカ研修 社員レポート④
アメリカ研修レポート 土地価格変動と治安変化について
今回、2026年7月27日から8月4日の9日間アメリカ研修に参加させていただいた中で感じたこと興味をもったことについてご報告させていただきます。
研修期間中はシアトル、アンカレッジ、スワード、ホーマーと移動見学しましたが、とくにシアトルの町を本テーマにレポートをとりまとめました。
【シアトル基本データ】
州:ワシントン州
面積:約369.5㎢(大阪市約225㎢の約1.6倍)
人口:約78万~82万人都市圏で約410万人
平均年齢:約37歳
大卒以上の割合が全米トップクラスで外国生まれの住民が約20%と占めているようです。
シアトル都市圏のGDPは約5,000億ドル(約75兆円前後)とされ、一国並みの経済規模があります。
世界的企業が集中し、高付加価値産業によって高所得者が非常に多い都市です。
代表的な企業はMicrosoft・Amazon・Google(大規模拠点)・Meta・Apple
Boeingなどがあります。
IT企業が多いため所得水準は非常に高く、年収10万ドル(約1,500万円)以上も珍しくありません。エンジニアでは20万ドル超のケースもあるようです。
物価は下記記載を参考に見ていただけますと幸いです。
コーヒー:約700~1,000円
ハンバーガー:約2,000円
ラーメン:約3,000円
レストランの夕食:約4,000~8,000円
ガソリンは1ℓあたり180円~200円、全米平均よりやや高めであるようです。
土地住宅価格は
一戸建て中央値で約90万~100万ドル
日本円では約1億3,000万~1億5,000万円(1ドル150円換算)マンションも非常に高額です。住宅所有世帯の中央値は約94万ドル(約1億4,000万円)
家賃相場はダウンタウンの1LDKで約30~38万円/月
世帯年収は中央値で約118,745ドル/年(2024年米国国勢調査ベース)
1ドル=150円で換算すると、約1,780万円/年です。
1人あたり所得約87,150ドル/年
日本円で約1,300万円/年(1ドル=150円換算)
シアトルでフルタイム通年勤務している労働者の年収中央値は約10万ドル(約1,500万円)で、全米でもトップクラスだそうです。
【土地価格推移】
シアトルの土地価格は、日本のような公示地価が存在しないため、一般的には住宅価格(中央値)や商業用不動産価格で市場動向を把握しているようです。住宅市場を中心に、過去10年間の推移を下記まとめてみました。
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年 |
市場動向 |
概要 |
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2015年 |
上昇局面 |
AmazonやMicrosoftなどIT企業の成長により住宅需要が急増。住宅価格中央値は約45万ドル(約6750万円)。 |
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2016年 |
大幅上昇 |
全米でも有数の値上がり率を記録。前年比約10~15%上昇。 |
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2017年 |
高騰 |
住宅供給不足が深刻化。中央値約70万ドル(約1億500万円)。 |
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2018年 |
ピーク |
住宅価格は約75万ドル(約1億1250万円)前後まで上昇。一時的に全米最高水準の伸び。 |
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2019年 |
調整 |
金利上昇などで価格はやや横ばい。 |
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2020年 |
再上昇 |
コロナ禍でも住宅需要増加。リモートワークの普及が影響。 |
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2021年 |
急騰 |
低金利を背景に前年比20%近い上昇。中央値約85万ドル(約1億2750万)。 |
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2022年 |
最高値圏 |
一時90万ドル(約1億3500万)前後まで上昇。その後FRB利上げで減速。 |
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2023年 |
やや下落 |
金利上昇で一時5~10%程度調整。 |
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2024年 |
回復 |
住宅供給不足から再び上昇傾向。中央値約90万ドル(1億3500万)。 |
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2025年 |
高値維持 |
約90~95万ドル(約1億3500万~1億4250万)前後で推移。需要は依然として強い。 |
2015年と比較すると、住宅価格は約2倍に上昇し、年平均では約7~8%程度の上昇率となっております。
シアトルの価格上昇を支えた要因はAmazon本社の急拡大、Microsoft、GoogleなどIT企業の人材流入、高所得者層の増加、住宅建設が需要に追いつかない供給不足、ワシントン州は州所得税がないことによる人気、コロナ禍での住宅需要増加などが挙げられております。
【土地価格変動と治安悪化の因果関係】
今回このテーマについて、調べるきっかけになったのは、シアトルの観光名所と言ってもよいエリオット湾に面する町を私たちが歩いていると、ホームレスがビル影で白昼平然とドラッグを使用しているところ目撃したところからになります。日本の神戸ハーバーランドの雰囲気を思わせるような非常に素晴らしい街の中で目の当たりにした出来事に衝撃を受けたしだいです。
ワシントン州では2012年に娯楽用大麻が合法化されシアトルでも2014年7月より販売が開始されているようです。
住宅価格が高騰し街にホームレスが増えること、ドラッグの使用などにより治安が悪化していくのでは?の観点から情報を集めていくと、土地高騰が直接的に治安悪化の原因だけであることはないにしても、少なからず影響はしているようです。関連付けるデータや分析結果などインターネット上で情報を得ることはできませんでしたが、シアトルでも治安悪化が不動産価格の下落に影響している事実は実際あるようです。ホームレス、路上薬物、空き店舗が増え、商業用不動産やコンドミニアム価格は一時下落したそうです。
実際に街を歩いているとそれなりの中型ビル店舗シャッターが全て閉まっているようなビルも見受けられました。
シアトルでは近年、複合した要素でシアトルからベルビューへ富裕層や企業が移転する動きが注目されているようで、MicrosoftやAmazon関連企業もベルビューでオフィスを拡大しており、治安、生活環境の良い郊外に人と企業が移る傾向が見られているようです。
個人の主観として感じたことは、小さな無秩序やルール違反を放置すると、それがさらなる犯罪や大きな問題を呼び込むという考え、窓割れ理論を思い起こしました。
建物の窓が1枚割れたまま放置されると、窓がさらに割られる、落書きが増える、ごみの不法投棄が始まる、不法侵入や窃盗などの犯罪が増加するなどが危惧されます。市、州、警察、地域団体、民間企業が連携し、対策を強化し街を守っていくことが重要になると感じたしだいです。
最後に
今回の研修を通じ、強く感じたことは、旅を実のあるものにするためには、単に楽しかった、良かった、だけで終えるのではなく、見るもの聞くこと全てに興味をもち、何故?の思考で情報を調べること、調べたことを周囲へ伝えることで自身の知識となり心に残っていくことが、小田社長がおっしゃられる旅は教科書、であると認識したしだいです。
今後は仕事、プライベート関係なく何気ないようなことにもアンテナを立て興味をもち情報収集する習慣つくっていきます。
この度は、このような貴重な機会を与えていただき、ほんとうにありがとうございました。