Ken Campbell
2013-01-06 15:35:00

もし過去20年間、Gary Bettman以外の誰かがNHLのオフィスでコミッショナーの椅子に座っていたなら、全てのことが回避されていたはずだと一概に言うことはできない。しかし、その全ての場面にBettmanがいたことは事実だ。

だからこそ、Bettmanが2月1日にコミッショナーとして20年目を迎えるにあたり、NHLは今後2年間かけて戦略を持って彼を最高位の職から退かせるべきだろう。NHLの全てのアリーナに出かけていってニュートラル・ゾーンで「ファンの皆様、ありがとうございました」という言葉を繰り返したとしても、今のこの時期ファンに受け入れられないことは明らかだ。

NHLはファンに借りがある。リーグが新たなページをめくろうとしていることを示そうと本心から思うのなら、もう退くべきであることをBettman本人に伝えることが一つの方法だろう。オーナーたちの言いなりになってきたからと言って、必ずしも一連の事柄の責任がBettmanにあるという訳ではない。しかし、彼が3回のロックアウトの中心人物であったということ、そして、それらの労使紛争に関係していたとして、歴史が常に彼の名前を挙げるのは事実だ。Bettmanは過去20年にわたって世間の批判をかわす役割を果たしながら、オーナーたちが求める雇用条件を実現するというめざましい働きをしてきた。

しかし、もう潮時だ。Bettmanは20年前に主に二つの目的を果たすためにオーナーたちに担ぎあげられたのだ。その1番目は一流のプロフェッショナルとしての感覚をリーグに取入れ、ビジネスを育てることだった。そして第2は選手の報酬にサラリー・キャップを実現することだった。

そして、Bettmanはその両方を実現した。ロックアウトが何度かあったにも関わらず、リーグの経営状態がこれほど健全だったことは過去にない。Bettmanのリーダーシップのもと、NHLは10億ドル以下だった年間の総収入が33億ドルになるまで成長した。NHLのように素晴らしいイベントを兼ね備えているリーグは他にないし、それがために巨額のスポンサー契約や最高水準の放映権料を持っていると言えるかもしれない。

Bettmanは7年前にサラリー・キャップ制度を実現した。この時には選手が大幅に譲歩せざるを得なかった。リーグがその頃の強硬姿勢を未だに貫いていることは驚きだが、Bettmanはオーナーたちが望むもの全てをもたらし、少なくとも2020-21年シーズンまで平和な労使関係を保証する契約を締結した。その時にはBettmanは68歳になっている。その時点でこれまでと同様にBettmanがNHLを経営していたとしても驚くことではないが、とてもありそうもないことだ。今回の団体交渉協約がBettmanにとって最後の交渉になるだろう。

Winston Churchillは世界史上、最も優れた戦時指導者の一人と看做されている。しかし、戦時中には大いに役立った彼のその特質は平和な時代にはそぐわなかった。同じことがBettmanにも言える。但し、私は今までで最も偉大な戦時指導者をスポーツ・リーグのコミッショナーと比較するつもりはない。

Bettmanはひるまず妥協しない手強い相手だ。そして、それが労使交渉にあたって助けになったことは確かだ。しかし、フェニックス・コヨーテズ問題について言えば、そのひたむきさは災害でしかなかった。南部へのリーグ拡張とコヨーテズの移転に対するBettmanの介入はリーグに出口の見えない問題を引き起こした。しかし、その戦略に欠陥があるということをこのコミッショナーに認めさせることは無理なことだ。

もし次の団体協約交渉の時にはBettmanがいないということであれば、リーグがファンのためにすべきことは、過去を水に流し、今後2、3年かけて新しいコミッショナーを迎えることだ。それは、リーグの悪の全ての責任をBettmanに負わせるということではなく、リーグが変わらなくてはならない時期だからだ。ソーシャル・メディアをどう利用してゆくかということが課題の一つだろう。今は様々な意見を容易に得ることができる時代なのだ。今回のロックアウトでファンの情熱と怒りの両方が表面化した。そして、事態の進展とともにその両者を併せ持った複雑な感情をファンに植えつけてしまった

その償いの手始めとしてBettmanが交代するのは良いスタートだ。一方で、今のNHLにはファンを魅了する新しくリフレッシュされた「商品」やSidney Crosby対Alex Ovechkinのようなライバル関係がない。NHLにはこれまでよりはるかに多くの努力が必要だ。

「最も大切なことは、選手とリーグの双方がその隔たりを意識しなくなることです。」とStellick Marketing Communications社の社長であるBob Stellick言う。「両者が最初にしなくてはならないことは、ファンに誠意を示すことです。」

Bettmanの退陣に道筋をつけることに加えて、リーグと選手が今後数か月にできることがいくつかある。

公共サービスの義務付け。Stellickは、NFLの新人たちが契約上、毎週月曜日に社会奉仕活動を行わなければならないことになっていることを指摘する。これはNHLの全ての選手に適用させるべき素晴らしい模範である。Sydney Crosbyから第4セットの控え選手に至る誰もが学校に行って体育の授業を行ったりするなど、意味のある社会貢献活動をしてはどうだろう。

今シーズンの間、センター・アイスの広告料を無料にすること。そうすることによって、謝罪と、スポンサーの製品とそのブランドをより多くの人々に宣伝できるという2重の目的を果たすことができる。

入場券からレプリカ・ジャージのライセンス料に至る全てに対して即刻10パーセントの値下げを発表し、2013-14年までその価格を維持すること。今シーズン、NHLは給料の約50パーセントしか払わずに済み、その上でプレーオフ収入の全てとスポンサー料とTV放映料のほとんどを得ることができ、リーグ全体として良い収支になるはずだ。

「ビールに12ドル、そして、ハーフ・サイズのサブマリン・サンドに9ドルも払わせていてはせっかくのファンに感謝していることにならない。」とStellickが言う。

選手との契約にオリンピックへの出場義務を盛り込むこと、そして4年ごとにワールドカップを開催する計画を作り直すこと。Bettmanはホッケー・ファンが世界で最も熱心であると語っている。私もその通りだと思う。2年ごとに最強チーム同士のトーナメントを提供することによってそのファンに報いる時期だろう。

チームの勝敗に関わらず、その試合の3スターに選ばれたらホームの選手だろうがビジターの選手だろうがリンクに姿を表すべきである。そして、リンクを回りながら記念品を観客に投げ入れさせることだ。

労使協定を解除できない期間が8年で終了しても、その時の状況がどうあれ、解除しないこと。これは選手ためではなく、リーグのためだ。NHLのファンに労使が円満な期間を10年間保証すべきである。

- end -
2013-01-02 17:33:00

CANDIAC、ケベック州 : 交渉が熱を帯びてきた。合意が近づいているのかもしれない。しかし、NHLの選手たちは、団体交渉契約が締結され、短期間のシーズンが始まるという期待をし過ぎないようにしている。

水曜日に郊外のスケート場で8人のNHLの選手たちが自主練習をした。彼らはNHL選手組合(NHLPA)とリーグがニューヨークでここ数日にわたって交渉を行なっていることを喜んでいる。同時に、彼らはほんの1ヶ月前にコミッショナーのGary Bettmanが自らの申し入れを取下げ、交渉が決裂したと思わされた苦い経験を忘れずにいる。

「はい、わくわくしています。前と同じことにならなければいいと思っています。一旦、喜ばせておきながら、次の段階には...、覚えているでしょう、交渉決裂です。」フォワードのSteve Beginは言う。「でも、いつも前向きでいるようにしています。」

「話し合いが行われるたびに、問題が一つずつ解決されるものと思っていました。今、ようやくその段階に来ました。あと10日あります。きっと解決するでしょう。」

Beginは2011-12年シーズンが始まる前にバンクーバー・カナックスのキャンプから外されて以来プレーしていない。彼は現時点ではどのチームとも契約をしていないが、予想されている短期間のトレーニング・キャンプに参加して、カルガリー・フレームズのメンバーに割って入ろうとしている。

リーグ側は1月11日までに交渉を終わらせたいと思っている。そうすれば1月19日に1チームあたり48試合のシーズンを始めることができるのだ。2004-05年シーズンのようにシーズン全てが中止になるかもしれないという懸念が両者のお尻に火をつけたようだ。

「前に大喜びしたことがあるので、今度は契約書にサインされるまで喜ばないことにしています。」とモントリオール・カナディアンズのキャプテン、Brian Giontaは慎重になっている。

「長引いているので、早く終わって欲しいと思っています。」とカナックスのフォワード、Alex Burrows。「既に新しい年を迎えています。両者が交渉を続け、打開策を見出して少しずつでも合意ができて欲しいものです。」

Giontaは、ロックアウトが解除された時に備えて体調を整えておくために、Begin、Burrows、バンクーバーのフォワード、Maxim Lapierreとワシントン・キャピタルズのディフェンス、Roman Hamrik、さらに、チームメイトのJosh Gorges、Travis Moen、Francis Boullionと共に90分の練習を行った。ニューヨーク・レンジャーズの有望選手、Nick Tremblayも参加していた。

ロックアウトが9月中旬に始まって以来、同じようなグループが北アメリカのあちこちのアリーナで同様のことをしながらシーズン再開の報せを待っている。

試合のようなスリルなしでスケーティングやウェイト・トレーニングをするのは単調になりがちだが、「夏のトレーニングと同じです。」とGiontaは言う。

「とにかくイライラします。」とMoenが付け加えた。「今はできることをやりながら、プレーに戻れることを祈っています。」

ロックアウトを経験するのがこれで3度目になる38歳のHamrlikは、NHLPAのボスであるDonald Fehrが何故もっと早く交渉を始めなかったのか、そうしていればこんなことにはならなかったと発言し、貧乏くじを引いてしまった。

この発言により彼が選手組合を裏切ったと思われ、何人かの選手の怒りを買った。一方で、思ったことを言うのは自由だという選手もいる。

Hamrlikは、またホッケーをしたいだけだと語った。

「本当に苛立たしいです。」と彼が言う。「私は今最も苛立っている選手の一人でしょう。」

「とても辛いです。リンクへ出たい。試合をしたい。年齢の高い選手にはあまり時間がないのです。私と同じ年齢の選手はたったの14 人です。プレーをしたい、試合を楽しみ、カップを勝ち取りたい。2004年には私より年上で、1シーズンを棒に振り、そのまま引退してしまった選手がいました。」

Hamrlikは、NHLPAを支持しFehrが交渉を終わらせることを信じているが、自身の発言を撤回することはせず、さらに、ロックアウトが始まった頃のリーグの申入れについて投票をすべきだったとも言っている。

「何人かの選手と話しました。同意してくれる選手もいるし、そうでない選手もいます。しかし、皆、決してマスコミに真実を語ったり、自分の考えを言ったりはしませんでした。」「私は自分が思っていることを言う権利があると思っています。」

「でも、私は自分自身のことや、他の選手の発言を言っている訳ではありません。早く和解して、両者にとって公平な合意がなされることを望んでいるだけです。早くファンを取戻し、試合をする楽しみを取戻したいです。」

- end -
2013-01-02 04:43:00

ニューヨーク、N.Y. : 両者が平和的な解決を模索するために何度もやり取りをする中で、NHLは選手組合に対して新たな代案を提示し、組合側に下駄を預けた。

リーグ側は組合側から提示された案を月曜日中かけて検討し、そのために開始が大幅に遅れた火曜(1日)夜の30分間の打合せの中で提示された。先週末に新たな契約案が選手組合から提示されたことに伴い、リーグ側がその内容の検討を行なっていたのだった。

ほぼ3週間にわたって両者が交渉することはなかったが、月曜日(31日)に交渉が再開されてからは、拍車がかかっている。NHLがこの新しい提案を申し入れた火曜(1日)の夜には交渉の中心人物同士が短時間会ったが、その前に実務レベルでの打合せが終日行われていた。

「リーグ側はこちらの提案に対して理解を示しています。」と選手組合の役員、Donald Fehrが語った。「今晩の打合せでは2、3の質問をしただけです。これからやらなくてはならないのは、その対案の内容を吟味し、その意味を理解し、私達の提案と見比べて、次に何をするのが適切かを洗い出すことです。」

Fehrは火曜の夜の間にリーグ側の対案を検討した上で水曜の朝にNHLに連絡をして交渉の場に戻ろうとしている。そうなれば三日間続けてリーグ側と会うことになる。

「当然のことです。」とFehr。

NHLのコミッショナー、Gary Bettmanは、今回のリーグ側の提案の詳細に言及することを拒んだが、組合側の要求には応えていると語った。

「選手組合の要求に合意した部分や歩み寄った部分があります。一方で受け入れられない項目もありました。」とBettmanは言った。「交渉過程では当然のことです。」

しかし、その交渉過程を終えなくてはならない期限が迫っているのだ。Bettmanは、1月11日までに合意に達すれば、その8日後に48試合のシーズンを始めることができると月曜日に組合側に伝えたと言う。

まだ解決されるべき問題がいくつあるのか、そして、両者が重要な部分でどれくらい隔たりがあるのかは明らかになっていない。

「課題がいくつあるかは数えていません。」とBettmanは言った。「スコアをつけている訳ではありませんから。合意を得ることが大事なのです。」

定期的に話し会いを重ね、意見を交換し合うリズムができつつあるのは前向きな兆候であるということでは両者の意見は一致している。

「相手と会う方が会わないより良いです。これ以上言うことはありません」とFehrが言う。

今シーズンを開催するための合意に向けた隔たりを埋める唯一の方法は、両者が共にこの交渉に取組み続けることだ。

「双方が継続的に交渉を続けているという事実は喜ばしいことです。しかし、まだ終わった訳ではありません。」とBettmanが語る。「今夜リーグ側が投げた案に対して交渉に戻れるかどうかは選手組合側にかかっています。」

両者の検討グループは午後の間中、どうしたら合意できるかについて直接会ったり、電話会議で協議をしたりしていた。交渉の全体会議は午後9時にようやく始まったものの、NHLがその対案を提示した後は比較的早く散会した。

午後の打合せは情報交換の意味合いが強かった。

「午後は契約技術上の確認でした。」とBettman。「交渉以外にも様々な問題点がありました。両者の要求を相互に理解したり、論点は何なのかを説明し合ったりし、共通の理解を確認しただけです。」

仮に合意に達し、今シーズンのスタートを切る前にトレーニング・キャンプを1週間行うことを考慮すれば、残されているのは僅か2週間しかない。1月14日までの試合は全て中止されており、それは元々の日程の半分以上にあたる。

NHLは2004-05年シーズンをロックアウトのために中止したことがあり、労使紛争のために一シーズンを丸々中止した唯一の北米のプロスポーツなのだ。1995年にはロックアウトが1月までずれ込み、48試合のシーズンを行ったことがある。

今回のロックアウトが始まってから108日目にあたる火曜日にはミシガン・スタジアムでトロント・メープル・リーフスとデトロイト・レッドウィングズによる毎年恒例の屋外試合、ウィンター・クラッシックが盛大に開催されているはずだった。しかし、この試合はオール・スター・ゲームと共に早々に中止が決定された。

12月13日以来初めてとなる交渉が月曜日行われた時、組合側はリーグ側が示した288ページにおよぶ提案に対して簡潔な対案を提示した。その時には公証人同士での話合いが行われたり、両者それぞれが内部打合せを行ったりしていた。

もし両者が合意に達しなければ、最終的には法廷で争うことになるかもしれない。

(訳注:以下、法律用語が多いために上手く訳せませんでしたが、一応私なりに訳した文章を載せておきます。)

NHLは今回のロックアウトが適法であることを示すために今月、ニューヨークの米地方裁判所に集団訴訟を起こした。それとは別に、リーグ側は選手組合による悪意のある交渉を理由として、全国労働関係委員会に対して不公平な労働行使罪で選手組合を告訴した。

NHL側がそのような動きをとったのは、選手組合が「権利放棄」を宣言する可能性をちらつかせたからだ。「権利放棄」をすれば選手組合は解散し、単なる同業者組合となる。そうなれば選手側はNHLに対して独占禁止法違反訴訟を起こすことになるかもしれない。

選手組合は水曜日(2日)までに権利放棄を提出する権限をその役員会に与えることを圧倒的多数で裁決した。その期限を超えた場合、更なる提出を承認するために改めて投票を実施するかもしれない。

もし水曜日に交渉が進展すれば、選手組合は自ら定めた期限を取りやめにするかもしれない。

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