今シーズン、もしタンパ・ベイ・ライトニングのプレーオフの試合を見たいと思ったとしても、タンパ・ベイの住人でなければ席を確保するのはとても難しいだろう。

まだ対戦相手は決まっていないが、ライトニングの第1ラウンドの1試合ごとのチケットを買えるのはこの「サンシャイン州」の住民に限定されることになるのだ。タンパ・トリビューン紙のErik Erlendssonが金曜日(4月3日)に報じたところによれば、フロリダ以外の住所で登録されているクレジット・カードで購入されたチケットは全て自動的にキャンセルされ、払い戻される。これがいつまで続くのかは判らないが、実施されることは間違いない。

この背景にあるのは、公式戦終了後の第1ラウンドに(ライトニングのホームである)アマリー・アリーナ (Amalie Arena) が相手チームのファンに乗っ取られることを阻止しようという考えである。大きな方針転換がない限り、相手チームのファン、少なくともフロリダ州外の住所のカードを持つファンは試合ごとのチケットを購入することはできない。タンパ・ベイが勝ち残っている間はこの規制が続くだろう。

「ライトニングのシーズン・チケット保有者とこのチームのためにホームの雰囲気を作ろうと最善を尽くしているのです。謝罪する必要性は感じていません。」 チームのスポークスマンBill WickettはErlendssonに語った。

このような戦術を採るチームはライトニングが最初ではない。2013-14年シーズンのプレーオフで、ナッシュビル・プレデターズはシカゴ・ブラックホークスのファンがアリーナを占拠するのを阻止するために、チケットの販売方針を変更して同様のことをした。そのため、ブラックホークス対プレデターズの試合のチケットを購入するファンは対戦相手がシカゴ戦ではないチケットを追加で買わなくてはならなかった。プレデターズがESPNに語ったところによれば、よりホームらしい雰囲気を作り出すことが理由であった。ライトニングが可能な限りのホーム・アイス・アドバンテージを自分たちにもたらそうとしているのと同じである。

もし、プレーオフが今日(4月3日)始まるとしたら、ライトニングは最初のラウンドでデトロイト・レッド・ウィングスと対戦する。Erlendssonによると、デトロイトは公式戦で相手チームの建物を埋め尽くす多くのファンを抱えているチームである。そして、ボストン・ブルーインズもレッド・ウィングスに近い。ボストンには強力なサポーターがいるので開幕シリーズでライトニングがボストンとプレーすることになっても問題は同じである。

ライトニングは現時点でアトランティック・ディビジョンの2位。僅か1ポイント差で首位のモントリオール・カナディアンズを追っている。タンパ・ベイの1試合あたりの平均観客数は18,803人で、ESPNによればこれはNHLで第9位である。

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ご存じの通り、NHLのドラフトは逆実力主義である。前のシーズンの成績が悪ければ悪いほど表彰台とステージの近くに座ることができる。ドラフトの会場には30チーム分のテーブルが整然と配置されている。1列あたり6チームの列が5列というふうに。そして25位から30位のチームが最前列に座り、また、第1ラウンドでの最も良い指名権を持っている。この位置で指名できるということは「敗者競争」の勝者であると宣言しているようなものだ。

賞品は素晴らしいが、その候補になれるのはチームに全く魅力がないからに過ぎない。

(この1月に)新たに就任したバッファロー・セイバーズのGM、ティム・マレー (Tim Murray) は、今年のドラフトで、もう少しでその「勝者」になれるところだった。また、ドラフトがフロリダ・パンサーズの本拠地で開催される2015年にも最前列に座ることを見込んでいる。(パンサーズもセイバーズと一緒にそこに並ぶだろう。)しかし、最前列から抜け出すことはドラフト参加者にとって名誉なことである。今年50歳のマレーは2016年にはもう少し後ろの方に座れることを期待している。

マレーはいつまでもドラフトの抽選会の常連であることを望んではいない。

「4年も続けてドラフト抽選会に参加したくはありません。それはなんとか避けたいです。」マレーは言う。「そうならないように懸命に働くつもりです。あと何回かのドラフトを経験しなくてはならないことは解っていますが、いずれは勝てるチームになりたいのです。強いチームになりたいし、(対戦する相手に)自動的に2ポイントを与えるようなチームではいたくないのです。ドラフト抽選会には戻りたくありません。」

マレーは5ヵ年計画の達成を待つほど辛抱強くないと言う。そこが(トロントの)ブライアン・バーク (Brian Burke) とは違うところだ。しかし、現実にはセイバーズがスタンレー・カップ候補でなくなってからもうそのくらい経つだろう。マレーの言う5ヵ年計画は実際に目に見える形での進歩を意味している。バッファローは常に3位以内で指名してきた。しかし、だからと言って船一艘分の才能ある若い選手を備蓄しているだけのチームではありたくないのだ。

セイバーズは順位表のどこにいようとも、上位に上がろうとしている。チームの有望選手たちも成功を手に入れたいと思っている。そして、若い才能を見出すことを専門としてきたマレーのような男にとって嬉しいのは、チームの構想を描くキャンバスには空白が比較的多いことだ。バッファローはこの夏にヴィユ・レイノ (Ville Leino) とクリスチャン・エーホッフ (Christian Ehrhoff) との契約を解除したので、金額が大きくて期間が長い契約で残っているのは、コーディ・ホジソン (Cody Hodgson) 、タイラー・マイヤーズ (Tyler Myers) 、マット・マウルソン (Matt Moulson) とのものだけだ。

セイバーズには非常に優れた若い有望選手がたくさんいる。例えば、ディフェンスのラスムス・リストライネン (Rasmus Ristolainen) とニキータ・ザドロフ (Nikita Zadorov) は二人とも「Future Watch」2014年版でトップ10のNHLの有望選手にランクされているし、センターのミハイル・グリゴレンコ (Mikhail Grigorenko) はトップ50に入っている。そして、トレードの締切日には上り調子の有望選手、ハドソン・ファッシング (Hudson Fasching) を獲得した。セイバーズのオーナーは金を使うことを厭わないが、最近のバッファローにとって、それは嬉しい悲鳴である。

それに加えてドラフトの指名権だ。そう、それを忘れてはいけない。今シーズンの「資産売却」により、セイバーズは今後3年間、ドラフトでの上位指名権をたんまり持っている。2015年にはそのうちの三つがある。それは、セイバーズ自身のもの、セントルイス・ブルースとニューヨークアイランダーズからトレードにより得たものである。今年のドラフトでは三つの第2ラウンド指名権を持っていたし、2015年と2016年にはそれぞれ二つの第2ラウンド指名権を持っている。

来シーズンもリーグの最下位、或いはその付近の成績でセイバーズが終わると仮定すれば、2015年の二人のトップ有望選手であるコナー・マクダヴィッド (Connor McDavid) とジャック・エイチェル (Jack Eichel) がチームに加わることを想像したとしてもあながち責めることはできない。あくまでも想像の話だが、2014-15年シーズンにアイランダースが29位だとすれば、ドラフトの抽選でのトップ2シードとこの二人の選手を獲得することが確実となる。

「もしそうなれば、5年後にはセイバーズにスタンレー・カップを渡せるかもしれない」とあるスカウトは語った。

これらの指名権を利用すればセイバーズはスター選手を何人か獲得できるはずだ。それは、スーパースターになる可能性が水平線から見え始めている選手、或いは少なくともセイバーズのラインアップに加わるか将来のトレードに利用できるなど、チームにメリットをもたらす既にNHLでプレーしている選手だ。史上最高のドラフトの一つであった2003年には、パトリス・バージェロン (Patrice Bergeron) 、シェイ・ウェーバー (Shea Weber) 、デビッド・バックス (David Backes) はいずれも第2ラウンド指名だった。今日、そのドラフトをやり直したら、3人とも10位以内で指名されるだろう。

「欲を言えば、スケーティングが早く驚異的なスキルを持ち、相手をつぶせる大柄の選手が欲しいです。」とマレーは言った。「しかし、そんな選手はなかなかいないでしょう。それは解っています。ドラフトの早い段階で可能な限り最高の選手を取るつもりです。今持っている第2ラウンド指名権を少し利用するかもしれません。第2ラウンド指名権をより早い指名権と交換するか、他のチームに指名されなかった若い選手を取るためにこの第2ラウンド指名権や他の選手を使うかもしれません。どんな選択肢でも取れる準備があります。」

マレーは再建中のチームにはどのラウンドの指名権であっても無駄にする余裕がないことを知っている。

第1ラウンドの早い指名権での失敗は災難を招くレシピと言える。第2と第3ラウンドで良い選手を指名できなかった場合にも同様のことが言える。才能のある選手をドラフトすることは、競争力のあるチームを構築するための第一歩だ。ドラフトした選手をNHL選手に育てられなかった場合、その責任の一部はチームにある。デトロイト・レッドウィングスのコーチ、マイク・バブコック (Mike Babcock) がそう言っているのは興味深い。

選手の才能を見分けることができるかどうか、ここが腕の見せどころである、とマレーは言った。彼は、必ずしもどの選手にも確実なタイムテーブルがあるとは思っていない。それぞれがそれぞれのペースで成長し、NHLでプレーできる時期かどうかを判断するのはチームである。チームがトラブルに陥るのはその兆候を見誤った時である。

パット・ラフォンテーヌ (Pat LaFontaine) は短期間このチームの役員に就いたが、その任期中にリストライネンもザドロフも、特に相手にリードされている局面で、NHLでプレーするには早すぎると判断された。しかし、リストライネンは世界ジュニア選手権でヒーローになった。ザドロフはジュニアのレベルでは攻守両面で試合を支配した。二人とも下位のレベルで1年を過ごしたことが無駄にはなっていない。恐らく近い将来、セイバーズに貢献し続けることができる選手に成長するだろう。

「魔法の公式はありません。」とマレーは言う。「選手を把握しなくてはなりません。それぞれの選手が成長段階のどこにいるのかを把握する必要があります。選手を見ていれば分かります。選手もそれを求めています。彼らの上に立ち、そのプレーを見ていれば、それぞれの成長の中での判断材料がたくさんあるはずです。」

バッファローが今後3年間で持っている全ての指名権からすると、マレーとそのスタッフは正にそのようなことで忙しいはずだ。その過程で判断を誤らず、運が良ければ、セイバーズは遠くない将来、ドラフトでの最前列と抽選会から抜け出てNHLのエリート・チームの仲間入りをしていることだろう。

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変更というものは浸透することもあれば、漏れ出てしまうこともある。アメリカン・リーグが先ごろ採択したルール変更を、NHLの舵取りをしている人々がどう受け止めるのか興味深いところだ。

今週(7日~)開かれた理事会で、AHLはいくつかの革新的ルール変更を可決した。それはもしかしたら革新的と評されるだけで終わってしまうかもしれない。このスポーツにおける大きな変化が時として氷河のようにゆっくり進むことは知っているが、敢えて「革新的」という言葉を使った。先ずはAHLを褒めようではないか。今日、このゲームが直面していて、最も議論や論争を引き起こし、意見が正反対に分かれている二つの問題に対して積極的に動いたのだ。:その二つとは乱闘とシュートアウトである。

何と言っても新鮮なのは、NHLにいる同志と同じようにこのゲームに対して情熱を持っている「ホッケー人」たちがこのルール変更を起案し、承認したことだ。現にAHLの競技委員会と選手育成委員会はNHLの経営陣と繋がりのあるアシスタントGMで構成されているのだ。

先ず、乱闘について見てみよう。AHLの会長、デイブ・アンドリュース (Dave Andrews) は、1試合中に複数回の乱闘に関与した選手に対してゲーム・ミスコンダクトを科するという提案をした。そして、さらに重要なのは、そのミスコンダクトは出場停止処分の基となるその選手の累積回数に数えられるのだ。悪質な反則をした場合を除いて、AHLでは1シーズン中に累積3回のゲーム・ミスコンダクトを科せられた選手は1試合の出場停止となり、それ以降は1回のミスコンダクトごとに1試合の出場停止処分が科せられる。

このルールの意図するところははっきりしている。AHLは基本的にはわざとらしいばかばかしさをなくそうとしているのだ。周知の通り、AHLは遠征費用を節約するために二日連続の試合日程を多く組んでいる。そのため、このばかばかしいことが最初のゲームの終盤に起こることがある。もし、ある選手が既に1度乱闘に加わっていたとする。そして、その試合の白黒がはっきりしてしまっていたら、その選手がもう1度乱闘に入り込むことはまずないだろう。また、どうだろう。乱闘は後にとっておいた方が良いと、第1ピリオドには乱闘を思いとどまらせることになるかもしれない。

そしてAHLは、特定の選手を試合から追い出すために乱闘に引きずり込むことをさせない仕組みを設ける。もし、ある選手が乱闘に加わった時、それが相手の選手にけし掛けられたものとみなされた場合には、その選手の乱闘回数として数えられないことにする。勿論、それを認定し、そのペナルティを言い渡す責任はレフェリーが負うことになる。

「勿論」アンドリュースは言った。「私たちがやろうとしていることは、レフェリーと協力し合って、けし掛けたかどうかを正しく判断できるようにします。」

アンドリュースはこれでAHLが乱闘廃止に向けて前進するとは考えていないが、間違いなく、より意味のない乱闘を減らすことになるはずだ。(もっとも、乱闘は全て無意味だが、一部のものはそれ以外のものよりも更に意味がない。)「物事を正しい方向に進めることになると思います。」とアンドリュースは言う。「それはこのリーグにとってより健全な方向です。」

アンドリュースは、現役のホッケー界の人々からの反論が殆どないことに驚いていると言う。しかし、これがすぐにNHLで採用されるとは期待していない。それは、NHLはAHLのような乱闘問題を抱えていないからだ。それがここでのポイントだ。昨シーズンAHLでは1,140試合で合計1,959のファイティング・メジャーがあった。これは1試合あたり約0.86回の乱闘があった計算になる。また、一つの試合で同じ選手が複数の乱闘に関わった例が74あった。

一方、NHLでは1,230試合で933のファイティング・メジャーがあった。これはゲーム当たり約0.38回になる。

「乱闘に関するルールは重要です。」とAHLミーティングに出席していたNHL副会長のビル・ダリー (Bill Daly) が言った。「但し、AHLが潜在的に必要としているほどはNHLには関わりがないと思いますが。」

シュートアウトに関して、AHLは延長戦を増やし、シュートアウトを減らすことを決定した。来シーズンから、引き分けのゲームは一味ひねった7分間の延長戦で決着をつける。3分を越えた最初のホイッスルまでは4人対4人でプレーし、それ以降は3人対3人で戦う。また、延長戦の前に整氷作業とサイドチェンジを行い、「長い交代時間」をとる。これにより、AHLとしては得点が増えることを望んでいる。それでもまだ決着がつかない場合は、NHLのように5人ではなく、3人によるシュートアウトを行う。

アンドリュースは、AHLはシュートアウトの数を減らしたいと思っていると言う。これまでの25%の試合が延長戦になり、16%がシュートアウトになっている。NHLでは、ゲームの25%が延長戦となり、14.5%がシュートアウトになっている。

NHLは、恐らく乱闘に関してはAHLのやり方を採用しないとしても、新しい延長戦の方式が、下部リーグでどのように機能するかについては注目するだろう。延長戦を3人対3人にすべきだという意見は以前からあり、もし、この方式がシュートアウトの数を減らすことにつながれば、3人対3人を主張してテーブルを叩いていた人達はこの事例に勇気づけられることだろう。

AHLは、選手がヘルメットなしではプレーできないという規則についても可決した。もし選手がヘルメットを落とした場合、ベンチに戻るか、ヘルメットをかぶり直して顎紐をかけなくてはならない。そのどちらもしない場合にはマイナー・ペナルティが科せられる。

つまり、関係する人々にとってメリットのある動きがたくさんある。しかも、そのうちのいくつかは大胆な動きである。協議委員会にはプロ・ホッケー選手協会のエグゼクティブ・ディレクター、ラリー・ランドン (Larry Landon) がいるが、NHLとは異なり、AHLはルールを変更する前にその選手たちの承認を得る必要はないのだ。

「何かを変更するには時間がかかります。」アンドリュースは言った。「私たちがバイザーの着用を義務付ける規則を制定したときもそうでした。まるで天地を揺るがすことのように見られましたが、そのシーズンが始まって3週間でそれが標準的な慣行となり、誰からの反論もありませんでした。」

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