前回の続きです。

 これまで書いてきたとおり、ド素人が成り行きで金魚を飼い始め、水槽が出来上がるまでの1ヶ月半の間は紆余曲折があったわけですが、手間暇はもちろん、いろいろなものを購入してきました。水質検査用の試薬や水槽ブタなんかは決して安くはなかったですが、思った以上に役に立ってくれたからいいとしても、最初期に買ったものはちゃんと計画せずに買ってしまったため、すぐに必要なくなってしまったものも多かったです。何事も計画的に、ですね。
 たとえば最初に金魚鉢用にぶくぶくを兼ねて小さな投げ込み式フィルタとポンプ(水作エイトミニ + 水心SSPP-7S)を買ったのですが、以前書いたとおりにすぐにコーナーフィルタとセットになった大きめの水槽を購入(GEXデスクボーイ450)したため、余ってしまいました。ただ、ネットで教えてもらったことによるとこれについているフィルタ(コーナーパワーフィルターf1)は濾過能力はあまり高くないとのことで、投げ込み式と併用することにして再利用。
 もっとも、話は逸れますがこのコーナーパワーフィルターも程なくして中の濾材が役に立たなくなりましてね。調べてみたらこれ、濾材に活性炭が入ってるんです。活性炭って消臭材なんかにも使われることからもわかる通り、粒子を吸着する力がすごいんですね。それは水中であっても同じなので、物理的な水の浄化にはもちろん役に立つんですが、活性炭はその細かい穴に分子を吸着する仕組みですから、当然穴がふさがってしまえばそれ以上は取り込めなくなり、寿命となります。そうなると濾材を交換するしかありません。濾材もそんなに高いものはないですからそれ自体は別にいいとしても、問題なのはフィルタの濾材というのは一番多く濾過バクテリアが住む場所だったりするということ。濾材の交換するということは、イコールせっかく増えたバクテリアを丸ごと失うってことですから、それはちょっとイヤすぎる。なので濾材を取り出して代わりにただのウールマットとかを詰め込んだりする人も多いそうですが、自分にはまだそこまでのスキルはないので、ほぼメンテフリーらしい水作のスペースパワーフィットSに変えたんですよね。なんで、現在はコーナーパワーフィルターのほうが眠っちゃってます…。というか、水作に替えた途端にアンモニア濃度ががくんと減ったのですよね。どんな超強力フィルタでも新品の濾材にバクテリアが住んでいるはずもないので、たまたま偶然が重なっただけなのかも知れませんけど、万が一フィルターを替えたのが理由だとしたら、コーナーパワーフィルターって濾過能力が低いにもほどがありますぞ。

 すみません、話がすっかり逸れてしまいました。まぁそんなわけで再利用できるものについては再利用したのですけど、どうしても再利用することができないのがありました。それは金魚鉢です。大きい水槽を買った今、金魚鉢は役に立ちません。ガラス製なので物入れにもできませんし、金魚入れるには小さすぎるとはいえ、ものとしてはそんなに小さいものでもないので、しまうにもけっこう場所を取ります。かといって捨ててしまうのももったいない…などといろいろ考えて…思い浮かんでしまったんです。

 「金魚鉢で金魚は無理でも、メダカとかなら飼えるんじゃないか?

 最初の頃に書いたように、金魚は1匹あたり10リットルくらいが理想と言われています。もちろん金魚の大きさにもよりますし、濾過が機能して水質管理をしっかりしていればその限りではないようですが、なみなみ(not志久ななみ)入れても2リットル弱くらいが限度の金魚鉢では、1匹でも無理です。しかし、メダカであれば1匹あたり1リットル程度でいいそうです。そしてさらに調べていくと、アカヒレという魚が飼いやすいとのこと。
 アカヒレは中国原産のコイ科の魚で、その名の通り綺麗な赤いひれを持つのですが、とにかく丈夫らしく、水温変化や水質悪化、酸欠にも強いそうで、「コッピー」という名称でボトルに入れられて売られてたりもします。メダカは見た目的にはあまり楽しくないけど、アカヒレなら綺麗で楽しめそうだと、早速娘を連れて東武デパート8階のアクアショップへ行き、小さいアカヒレ2匹を購入。1尾99円。
帰って早速金魚鉢をセッティング。一緒に買ってきた麦飯石と、金魚の水槽から水草(カボンバとアナカリス)を拝借して入れ、今度はちゃんと水合わせをしてアカヒレを投入しました。

 エサについてはショップのお兄さんに「金魚のエサでも大丈夫」と聞いていたのですが、さすがにまだ体長1cm程度のアカヒレにとっては金魚のエサそのままだと粒がでかすぎて口に入らないので、100円ショップですりこぎを買ってきてすりつぶし、同じく100円ショップで購入した化粧用のクリーム小分け用のケースに保存し、やっぱり100円ショップで買ってきた耳かきで少量掬って与えることに。
 ちなみに某巨大掲示板のアクアリウム板には100円ショップのスレがあるくらい、アクアリウムでは100円ショップが重宝されていまして、うちでもこの他に「100円ショップで買ってきたもの」がけっこう活躍しています。

 それについてはまたおいおいご紹介する機会もあると思いますが、それはそれとしてそんなわけでうちにアカヒレがやってきました。こんな感じ。

$世界征服の基礎はまず練馬から


 というわけで、金魚鉢も無事再利用できて、かつ金魚とはまた違った魚も楽しめることになり、これにて一件落着。めでたしめでたし…。

 というわけには、いかなかったんですよね。やっぱり…。(続く)
 塩水浴中の「ぺすけ」は見た感じすっかり元気を取り戻したようで、狭い隔離用水槽ながら優雅に泳いでいます。この分だと退院させても大丈夫そうだと思いますが、問題はそれをいつ行うかです。塩分の入った水から急に真水の水槽に戻したら金魚にも負担なので、毎日の隔離用水槽の水替えの際に1/3~1/2ずつ真水で希釈していって、だいたい計算上0.1%を切ったあたりで戻そうと思ってるんで、退院は早くても3~4日後だと思うんですけど、そもそも入院させた途端にぺすけが元気になったのも、体調を崩したのはおそらく本水槽のアンモニアや亜硝酸塩濃度が関係していると思うので、 戻すとならそれらの濃度が下がってからにしたいところ。
 そんなわけでいつものように本水槽の亜硝酸塩チェックとアンモニアチェックをしてみました。ちなみに今は2日に1度、1/3ずつの水替えにしており、昨日水を換えています。なのでそれからだいたい1日くらいが経過しているわけですが…。アンモニア試薬が示した色は、0mg/lのもの。 おお、すごい、ホントに検出されなくなった! 少し前まではびっくりするくらい真っ青さおだったのに! アンモニアに関してはもう大丈夫そうです。
 続いて亜硝酸塩チェック。こちらはまだ若干検出されてはいるものの、ドぴんくだった頃から比べればだいぶ薄くなってきました。ここまで来ればもう時間の問題です。そして実際、それから数日とおかずに亜硝酸塩も検出されました。金魚が来てから約1ヶ月半。ついに念願の「水槽が立ち上がった」状態になりました。おめでとうオレ。ありがとう、そしてありがとう。

 以前も書きましたが、水槽が立ち上がってしまえば頻繁な水替えはかえってマイナス。とはいえアンモニアが分解され亜硝酸塩となり、そして亜硝酸塩が分解されてできる硝酸塩は、比較的無害というものであって、ほっといていいものでもないそうです。硝酸塩を分解するバクテリアもいないわけではないのですが、通常の水槽環境ではほぼ殖えないものらしく、また水草なども吸収してくれるそうですがその量は微々たるもので、結局は水替えに勝るものでもないとのこと。水替えの頻度は水槽の大きさによって変わるようで、大きい水槽なら1ヶ月に1度くらいでもいいみたいですが、うちはそんなに大きくないし、習慣づけたいので1週間に1度、日曜日に行うことにしました。
 その後は週一ペースで水替えを続けており、2週間に1度くらいのペースで水質検査も行っていますが、水槽ができてから1ヶ月半近くが経過した現在でも検査結果はオールクリア。安定した状態が続いています。最初からやたらと元気だったももちゃんはもちろん、程なくして水槽に戻ったぺすけもそれ以来は変わった様子もなく、2匹揃って仲良く泳いでいます。今のペースでちゃんと水質管理をしている限りは、そうそう病気になったりすることもなさそうです。金魚の病気って、病原体がいるからというよりも、水質の悪化によって金魚が調子を崩して抵抗力が落ち、病原菌に負けてしまうからなんだとか。言われてみればそりゃそうですよね。人間だって締め切って空気の悪いごみごみした部屋にずっといたらすぐ体調崩しちゃいますもんね。
 そんなわけで、長きに渡って(といってもたった1月半ですけど)繰り広げてきた水質との戦いは、水槽の完成を以て一応の終了を見せた…はずでした。

 しかし、ここはまだ入り口でしかなかったのです…。
 さて、なかなかアンモニア濃度が下がらない状況で焦りばかりが募っていく日々を過ごしていたのですが、水替え頻度を2日に1度にして一週間くらいが経過した頃、危惧していたことが起こりました。

 夜寝る前に水槽を見てみると、なんとなく「ぺすけ」の元気がありません。もともと「ももちゃん」に比べるとおとなしめな金魚なんですけど(それでも腹減ったら身体の小さいももちゃんをいじめる)、それでも自分が顔を見せればエサよこせと寄ってきて身体をくねらせて「エサくれダンス」を見せますし、実際1~2時間ほど前に見た時はまだそんな感じでした。ところが今は寝てるわけでもなさそうなのに、踊るのはモモちゃんだけで、ぺすけは背びれをたたんで底のほうでじっとしています。まだ濾過環境が完全に出来上がっておらず、アンモニアの濃度も依然としてまだ高めであること、そしてそれに伴って亜硝酸塩の濃度も上がってきたことで、調子を崩してしまったのかもしれません。
 そんなわけで急遽塩水浴させることにしました。非常用のエアストーン(ぶくぶく)とエアポンプの分岐は用意してあるので、バケツに水を入れて0.5%の食塩水を作り、温度を合わせてエアポンプにつなぎ、ぺすけを移してしばらく様子を見ました。

 ちなみに塩水浴というのは何なのかと言いますと、簡単に言うと金魚の治療です。「塩水浴」でぐぐれば解説がたくさん出てきますんで詳しい説明は省略しますが、概要としては「金魚の体力回復と自然治癒力を高めるため」に行います。
 「淡水魚を塩水に入れる」なんて乱暴のように思えますが、人間同様金魚も体に塩分を持っています。で、魚は人間と違っていつも水の中にいるわけですから、浸透圧の関係で常に身体から塩分がどんどん出て行ってしまうので、その調整をつねにおこなっています。健康な時なら特に問題ないのですが、人間と同じように調子を崩したり病気になったりすると体力が落ちてしまいますので、周囲の水を金魚の塩分濃度に近づけて浸透圧調整の負担を減らし、そのぶんを病気治癒や体力回復に当てるということみたいですね。他にも「病気でホルモンバランスが崩れたことによって失われた塩分の補給」とか、「塩そのものの殺菌作用を利用」なんてのもあるようですが、大きな目的はこの「負担を減らして体力回復」とのこと。人間に当てはめれば「病気は寝て治す」みたいなもんでしょうかね。

 そんなわけで塩水浴させたわけですが、それ自体は特に問題はないものの、ここで別の問題が発生。バケツだと当然ながら横からは見えないので、背びれの様子がわからないこと、そして塩水浴に使っているバケツはもともと水槽の水替えに使ってたものなので、それが使えないとけっこう困ります。かといって最初に買った金魚鉢だと容量が少なすぎるので、今後また必要になることも考えて、「塩水浴&薬浴用隔離水槽」として4リットル弱くらいの小さな水槽と水温計を会社帰りに買ってきました。

 で、帰ってきてまず水槽を軽く水洗い。現在バケツに入れている水量とほぼ同じくらいだったので、そのままバケツの水を移しても良かったんですが、一応水替えも兼ねてまず水槽に全体容量の1/3にあたる1.3リットルの0.5%を作り、残りの2/3はバケツの上澄みで満たしました。
 最後にぶくぶくとぺすけを移動させて完了。これでちゃんと金魚の様子を観察できるようになりましたが、処置が早かったおかげかこの時点でぺすけはもうかなり元気になったようで、背びれもピンと立ってていました。体表面に異常は見られず。ただまだ本水槽のアンモニア濃度はそれほど下がっておらず、また亜硝酸塩濃度も上がってきており、濾過サイクル完成までは隔離したまま様子を見ることに。
 そんな状況にもかかわらず、本水槽に残っているももちゃんは特に変わった様子もなく、相変わらずぶいぶい言わせています。元気だなぁ。
 水槽を立ち上げて2週間が経とうかという頃、最大の山場がやってきました。それは「実家(札幌)への帰省」です。夏休み中は飛行機の料金が高いので、毎年9月の連休に有給を合わせて帰省することにしているのです。子供が学校に上がったらそうも言ってられなくなるのでしょうけどね。まぁそれはそれとして、今回の日程は9月17日から21日までの4泊5日。その間は当然世話をすることができません。金魚は1~2週間くらい何も食べなくても平気らしいので、そのあたりの心配はないのですが、問題は水替えができないこと。2週間程度ではまだ生物濾過が完全に機能しているはずもないですし、ましてやこの間まで塩を投入していたわけですからなおさらです。
 ひとまず出発日と帰宅日に水替えをすれば中3日なのでなんとか大丈夫だろうと、出発日の午前中に1/3を水替えて実家に帰りました。

 ところが、札幌でゆっくり過ごして迎えた帰京の日、予期せぬ事態が起こりました。9月21日、この日は台風15号が関東地方に上陸し、猛威を振るった日です。乗る予定だった14:00新千歳発の飛行機を含む午後以降の便は、朝9:30の時点で全便が欠航となり、東京に戻ることができなくなりました。さらに悪いことに、予約を変更するために航空会社の予約センターに電話をかけまくるも繋がらず(欠航の場合の予約変更はオンラインじゃできないらしい)、実家の固定電話、カミさんと姉と自分の携帯電話計4台体制で1時間のリダイヤルの末に繋がった時には既に翌日の便は全て満席。家に戻れるのは23日ということになってしまいました。この場合の予約変更はお金はかかりませんし、実家滞在なので滞在が延びたところで痛くもかゆくもない(むしろうちの両親は孫と一緒にいられる時間が延びて超ラッキー)なのですが、自宅にいる金魚が気になります。えさを食べていない分排泄物も少ないでしょうから、アンモニアが増えるペースも多少は遅いでしょうけど、水温を下げるのに送風機を動かしたままなので、水が蒸発するペースは速いはず。水が減れば濃くなるのは道理であり、2日間の延長はかなり心配です。むー。
 しかしだからといって札幌にいる自分にできることなど何もないわけで、ひたすら無事であることを祈りつつ23日を迎えました。昼過ぎに羽田空港到着、自宅に着いたのは15時過ぎ。真っ先に金魚水槽を見に行きましたが…。

 2匹とも元気に泳いでました!

 ただ案の定だいぶ水が少なくなっていたので、ひとまず他のことは置いといて足し水を兼ねて水を交換。少しエサをあげてみましたが食欲もしっかりしててすぐに完食。ほっと一安心。

 しかし、ここで安心しすぎてしまったんですよね。通常のペースであれば水替えは2~3日に1回くらいなのですけど、ほぼ一週間水替えをしないでいたわけですから、ホントなら水替え後にもちゃんと水質までチェックするべきだったし、それの結果を見て水替え頻度を考えるべきだったんですよね。にもかかわらず、見た目異常がなかったことでなんとなく水質は大丈夫なんだろうと思ってたんですけど…。冷静に考えれば、まだ水槽を立ち上げて3週間程度ですから、安定するにはまだ早いはずだったんです。帰宅した時に水替えしてからは、2日後の日曜日にまた1/3水替えしたっきり木曜日に思い立って水質を計ってみたら…アンモニア濃度がけっこう大変なことになってる!
 自分の使ってるテトラ社のアンモニア試薬は色で判別するタイプで、水槽から採取した水を試験管に入れ、3種類の薬品を決められた量を決められた順番に混ぜていくものです。3つめの試薬を加えると黄緑色になり、しばらく置いてアンモニアが検出されなければそのまま黄緑色、濃度が高くなるにつれて緑が濃くなっていくようになっています。帰省前に買ってきた時に計った時はキレイな黄緑色だったんですが…。今回はえらく深い緑色になってしまいました。試薬の説明書にはアンモニア濃度の危険数値は3.0mg/lと書かれているのですが、どう見てもこれ3.0mg/lの色になっています。こりゃまずい。亜硝酸塩濃度もチェックしてみたら、こちらも濃度が高くなるにつれて無色から赤くなっていく試薬が濃いピンクに。こりゃまずい。

 慌てて急遽1/2を水替え。その後再度アンモニア濃度を測ってみると、交換前と色が変わりません。もう一度1/3を替えてみましたが、それでもあまり下がらず。普通の水道水で試してみたところちゃんと黄緑色のままだったので、試薬が狂っているというわけでもなさそう。比色紙もけっこうアバウトではありますけど、理論上は濃度も半分以下になってるはずですから、それなりに試薬の色が薄くなってもいいはずなのに…。

 ひとまずは金魚たちも普通に泳いでて、苦しがったり暴れたりする様子もなく、直ちに何か策を打たないといけないわけではなさそうなので、とりあえず水替えの頻度を高めることにしましたが、悩ましいのが水替えを頻繁に行えばアンモニアや亜硝酸塩を分解するバクテリアへのダメージが大きく、かといって今の状態では水替えを行わないとアンモニアや亜硝酸塩が減らないという、まるでニワトリが先かタマゴが先かみたいになっていること。ちなみに自分は「ふわふわしてかわいかったので神様が先にひよこを作った」説(吉田戦車先生提唱)を信じます。いろんなサイトを調べ回って、結局毎日の水交換はかえって逆効果ということで、水替えしたいのをグッと堪え、水質と金魚の様子を注意深く観察しつつ、頻度を2日に1度にするようにしました。
 「直ちに影響はない」とか「注意深く見守っていく」とかなんか某政党みたいでアレですが、今から振り返ればこの時期が一番大変でした。試薬とにらめっこの毎日で、試薬も決して安くはないのですが、初心者で経験のない分をお金でカバーといった感じでしょうか。たかだか200円で掬ってきた金魚に、今までもう新型PS3が買えるくらいのお金をかけてきたような気がしますが、命あるものですからね。やっぱり大事にしてあげたいですし。

 そんなわけで、再び水質との長い(?)戦いが始まりました。
 というわけで、12cmケースファンが使えそうなことがわかったので、今度はファンを取り付けるフタの作成です。加工のしやすさを考えると木材が一番適当そうですが、ネックなのはファンを取り付ける関係上、窓抜き加工が必須であること。こちとら普通のサラリーマンであり、木材の切り抜きなんて中学生の頃に美術や技術家庭科でやったきり。道具を買えばなんとかなるかも知れませんがその道具だって結構いい値段がするのでこれだけのために買うわけにもいかないし、そもそも道具があったって綺麗に切り抜く技術もありません。フライパンと包丁買っただけで料理がうまくできるようになるわけではないのと一緒ですね。
 だったら加工はプロにやってもらうのが一番、ということでこういう時に頼りになるのが東急ハンズ。買った木材をオーダーメイド加工もしてくれるという便利なサービスをやっています。というわけで簡単な設計図を作って池袋の東急ハンズに行き、木材加工のカウンターで相談したところ、材料費込みで2,000円ちょっとという見積。エアチューブや水中フィルター用の電源ケーブル通す関係上、斜めにカットしたところがあるため、そこの加工費がちょっとかかります、と言われましたがまぁ許容範囲内。1日あればできますということだったので、翌日引き取っていよいよ製作開始。

 今回使用するパーツは以下の通りです。

世界征服の基礎はまず練馬から


 まずはファンを木ねじで取り付けます。思っていたよりファンのねじ穴が内側にあって、木ねじの位置が穴の外側ギリギリでしたが、なんとか取り付けられました。安全を考慮して羽がむき出しにならないよう、間に網をかませます。

世界征服の基礎はまず練馬から


 はみ出した網をカッターで切ってファン本体の取り付け完了。

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 そしてその上からフィルタを取り付けます。この辺はPC自作の感覚で。

$世界征服の基礎はまず練馬から


 左側の切り抜き部分に網を張ります。適当にカットした網を小さい木ねじで止めていくだけ。

$世界征服の基礎はまず練馬から


 こんな感じになりました。

$世界征服の基礎はまず練馬から


 さて、もう片方の切り抜き部分ですが、ちょっとひとつアイディアがありまして。どうせだったらこっちの穴は網固定ではなく開閉式のフタをつけて、エサをやるときにわざわざフタ本体を外さなくてもいいようにしようかと思っていたんですよ。それで厚ささ3mm、幅15mmのヒノキの板材を買ってきて、適当な長さに切って同じ大きさの四角形を2つ作り、その間に網を挟んで木ねじで上下の板を止めてフタを作ろうと思っていたんですけど、実際やってみるとヒノキだと柔らかすぎて一番細い木ねじでも割れちゃって、思った通りにならずに失敗。なのでフタは別の手段を考えるとして、とりあえず網をガムテで張っただけの応急処置を施しました。見た目は悪いけど今は仕方がない。

$世界征服の基礎はまず練馬から


 で、水槽にセットしてスイッチオン。風は思ってたよりもそよそよな感じで、動作音もほとんどしません。

世界征服の基礎はまず練馬から


 そして肝心の効果はどのくらいかというと、結果から言えば「てきめん」でした。フタを設置した時点では30度以上あった水温が、稼働してから数時間で27度まで低下。残暑厳しく最高気温が30度以上あった日に昼間エアコンを消して締め切っていても26~27度を維持できていましたので、思った以上に役に立っています。