リハビリハイクで美ヶ原 | blueのブログ

blueのブログ

ブログの説明を入力します。

リハビリは美ヶ原で。前回積雪期に訪れ、いつか放牧期にまた来てみたいと思っていた。マロンが騒がないよう前夜発。ラジオ深夜便を開始から終了まで聞く。ぼやき川柳は夜中もやってたのか。覚束ないスマホのナビに従い中部縦貫道の佐久南ICで下りて、ひたすら南南西へ。徐々に道が暗くなり高度が増し“美ヶ原”の標識が現れる。ノーマルタイヤなので凍結が怖くて偶に外気温を確認する。ナビは道の駅にセットしてあるがまだ迷う。前回は休館中だった山本小屋ふる里館に止めた。今回は牛伏山“経由”にしたいので美ヶ原高原美術館にしたい。美ヶ原は小学校四年のとき父に連れてこられて真夏なのに冷たい雨で何も見えなかった。父だけ美しの塔まで行ったかも知れない。あの時松本から激しく揺れるバスで上った美ヶ原の終点は今のふる里館だったのだろうか。その後、埼玉から家族の日帰りドライブで訪れたことがある。デカい食堂はカートで食器を収集していたがとにかく非効率で汚れた皿が貯まる一方だったのが何故か強烈に印象に残った。一々人が洗い場まで運んだ方が捗ることもあるのか、と。先ずは素直に道の駅へ。駐車場には仮眠中のクルマがまばらに止まっている。充分広いのでここに決定。皆さん台上ハイクでしょうか。空いている北側の端に止める。クルマから出ると3°の空気が冷たい。ここはもう2000m。方角からすると夜景は佐久平だろう。見上げると天の川が天頂を横切る。コンデンスミルクのように凄く濃いミルキーウェイ。『銀河鉄道の夜』のジョバンニになった気分。星が多すぎてオリオン座も溺れそう。おにぎりを一つ食べ、エンジンを止めて2列目でシュラフに潜り込む。このクルマで寝るのはこれが最後かも知れない。

4時過ぎに寒さで目が覚める。プーさんの膝掛も出して足に載せる。偶にクルマが到着する。トイレも我慢の限界になり日の出の見やすい南東側にクルマを移動。エンジンを掛けたままにしてもう一度寝ようと努力するが無理。5時から朝食と髭剃りを済ます。5時50分過ぎに荒船山と両神山の間から太陽が昇る。こんなに手軽にご来光が見えるとは。街着のカップルや家族連れは皆これを見たくて早くから待機していたのか。先ほどまでシルエットだった浅間がだんだん色づいていく。そして振り向けば雪を頂いた白馬や劔が目を覚ます。空は淡いピンク色に染まっている。素晴らしい朝だ。

お勤めを済ませて出発。高原美術館の縁を回って牛伏山に向かう。前回は台上のスノーハイクを終えふる里館まで戻って来てからワカンを着けるのが面倒でパスしてしまったピークだ。霜の降りた木道が滑る滑る。万一コケたら頸へのダメージは避けられないが、戻って来る頃にはすっかり溶けているだろう。気づくと頭痛がしている。寝不足のせいか頸椎のせいか。ほどなくケルンが積まれた山頂に到着。今日歩く広大な草原を見渡すと頭痛は吹っ飛ぶ。雪景色の時はアンテナ群がもっとずっと遠く感じた。気が小さいので吹雪いて道迷いで遭難する不安を覚えていたからだろうか。美しの塔の辺りに牛が点々と見える。ホルスタインとジャージーか。この季節に是非来て見たかったのだ。父は家族に夏のこの景色を見せたかったのだろう。周囲に著名な山々が広がっている。ふる里館までの下りは緩いが木組みのゲートを抜け“電気牧柵注意”と言うちょっと怖い看板を横目に首に衝撃を与えないよう慎重に歩く。ふる里館の駐車場はやはりほぼ満杯。積雪期には2、3台しかいなかったが。ここから美しの塔に向かう。ススキの向こうに八ヶ岳。前方から戻って来た女子が一人八ヶ岳に向かって手を広げて深呼吸している。気持ち良さそう。次の瞬間目が合ってしまった。彼女はバツが悪そうにそそくさと仲間のところに戻ってしまった。「おはようございます」ぐらい言ってあげれば良かったな。「本当に深呼吸したくなる景色だよね」って。山本小屋の裏には仮設の食事処ができている。ここで暖かい汁物いただいたら美味いだろうな。後ろから来たホテルの送迎バスが追い抜いて行く。こんな朝早くから走っているのか。ポニーの餌やり場に止まると乗客がぞろぞろと降りて来る。順番に写真を撮るようだ。脇をすり抜けて先に進むと牛たちが草を食んだり水飲み場に向かってゆっくり歩いたりしている。「おはよう!」やっと美ヶ原で会えた。可愛らしく見えるけどとてもデカい。富士山や八ヶ岳と良いフォーカスで彼等の写真が撮れる。美しの塔は帰りに寄りましょう。塩くれ場から迷わず前回と逆回りでアルプス展望ルートへ。今はトイレが使えるようだ。ここからバスは来ない快適な遊歩道になる。西に向かい前方に『にっぽん百名山』に登場した茶臼山。番組では牧柵を越えて雪原を直進していたが、今の季節は迂回して登山道を行く必要がある。帰りに元気だったら行ってみるか?その先に見える鉢伏山。高ボッチ山からはあの山体に遮られて美ヶ原が見えなかったが、こちからはかなり距離がある。下る道は大した斜度ではないのだが、3ヶ月ぶりの山歩きのせいか足の置き場が定まらない。百曲り園地の分岐に到着。元気な人は三城牧場からここまでえっちらおっちら登って来るのだ。苦労した分台上の景色の感激も増すのだろう。ここからはアルプスを見ながらの散歩道。生き返ってきた気がする。やはり山は良い。最初の岩のテラスで若者ハイカーと挨拶。足元にはヤツデ(大菩薩でも見た奴)がたくさんいるのが不思議と気にならない。いつものように先端まで行き下を覗きたいけどフラ付いたらお終いなので1m手前までで我慢。鉄平石(?)がゴロゴロしていて歩きづらい道を進む。烏帽子岩から眺めると王ヶ頭の下辺りから先が徐々に紅葉している。ベストシーズンにドンピシャ当てるのは中々難しいものだ。見上げると台上を王ヶ頭ホテルに向かう道は街着のカップルが多い。歩荷訓練を兼ねたリハビリ山行とは言え5kg超のザックを背負ったこちらが恥ずかしくなる。あの分だとホテルのカフェを混みそうだ。王ヶ頭ホテルと麓を繋ぐ電線を潜る。下方に見えるのが三城牧場だろうか。本当に美ヶ原を味わうには台上までクルマで来るのではなく、あそこから登るのがいいとは分っているが、中々実行には移せないものだ。一旦車道に出て王ヶ鼻へ。前回ここは硬い圧雪路だった。街着のカップル、ハイキング姿の夫婦連れ、山歩き姿のミドル・・・。それぞれ気ままに歩いている。何と平和な道だろう。有難いことです。車道を離れてすぐに王ヶ鼻に到着。こんな近かったのか。眼下に松本の街。槍穂も随分近くなったよう。北アルプスは長大だ。いつかまた自分も北アルプス行けるでしょうか。御嶽も登ってみたい。槍穂や立山劔はやはり別格です。一通り雪の着き始めたアルプスを撮影して富士山が見える場所に陣取りブランチタイム。手軽なハイキングコースなので火器を使う人はほとんどいない。コンロは天泊用を持って来た。プリムスのカートリッジは20年以上前に買った奴じゃなかろうか。爆発しても文句言えないかも。アンパンマンパンを齧りながらレトルトのブリ大根を湯煎してから湯はミニカップヌードルへ。何かアルミの匂い付いた感じがする。墨絵のような富士山から南アルプス、乗鞍辺りを眺めながらノンビリした時間が流れる。7月にMRIの結果を聞かされた時は人生終わったかと思ったが、ここまで頸には全く異常なし。アルプス展望ルートは少ないながらも山歩きに近いアップダウンが有ったのだから、もうドクターストップ解除は間違いない。3ヶ月近く我慢した甲斐がありました。さて、次はどこに登ろうか?雪山前にちゃんとした山道歩いておきたいが。あれこれ考えているうちに40分も経ってしまった。充分満足したのでそろそろ戻りましょう。少しだけ松本側に下ると北に雨飾山、高妻山、妙高山が連なる。眼下に牧場が広がっている。あれが北側の登山口の自然保護センターか。紅葉はこちらの方が見事。ペアのハイカーが登って来た。下から来られたそう。凄く元気。良く見ると荷物は全部旦那が背負っている。偉い!車道を王ヶ頭ホテルまで戻る途中、菅平、根子岳、四阿山、浅間山までよく見える。目を凝らすと横手山や燧ケ岳も見えているではないか。さすが百名山の展望地。無線のスイッチを入れてみると横手山からの交信。見通せているのに少々電波状態が悪い。ポータブル0?1?かでやり取りしている。長野が0で群馬が1だそう。スカイレーターを降りた所はどっちだ?あまり境目を気にしたことが無かったな。自分はポータブル1内しか移動しないと勝手に思い込んでいた。ログを付ける方には大切なのでしょう。王ヶ頭ホテルにハイカーが続々と入って行く。ここで美味しい美味しいして行きたいところだがまだお腹一杯。ホテル前のベンチでバーナーを焚いている人も。ここからの風景も素敵です。美ヶ原ってホント素晴らしい。バスが来る度に風下側に避けながら車道を進む。塩くれ場の先で牛をトラックに載せようとしている。もう麓に下す時期なのだ。間に合って良かったぁ。4人掛りでも苦労している。途中でウンチもしてしまうし。牛くんもまだここで過ごしたいのかも。しかしもう夜は寒いよ~。美しの塔に入ってみる。昔、ここまで笹川良一さんと若者たちがランニングしてきて礼をする日本船舶振興会のCMがあったように思うのだが記憶違いか。鐘は動画撮りながら片手では鳴らすのは難しいほど引き綱が重い。ふるさと館から牛伏山への登り返しで意外と息が切れる。ドクターストップ中の水泳はジョギングの代わりにはならなかったか。クロールで楽に泳ぐことばかり目指していたからな。本日2回目の牛伏山頂。結局ここが見渡せる範囲は一番広いかも。美ヶ原からは一体いくつ百名山が見えるのだろう。

https://youtu.be/McRtcUGj10M

白馬から穂高、乗鞍、御嶽、中央、南、富士、八ヶ、秩父、浅間、四阿山、根子岳、斑尾、妙高こんなに素晴らしいビューが続くハイキングコースにクルマで来れてしまうのだから凄いな長野県。最後の木道の先に額縁に収まるように荒船山が鎮座している。良い山行でした。

道の駅でお土産見繕う。小布施の落雁、ワサビチョコ、本わさびハッピーターン。帰り際に超ミニの美女が後ろを気にしながら売店の階段を上って来る。絶対に振り向いてはいけない状況を作られてとても迷惑!?高原美術館にも入ってみようかな、ピカソとかあるんだろうな、大学時代に今は亡きS君たちとも来たことがあるなぁと思いつつ出発。その時鐘が鳴り響く。“美ヶ原高原美術館、アモーレの鐘がXX時をお知らせします。”TVで良く聴いた懐かしい音色です。さて、運動後30分以内はカルシウムをよく吸収するらしいので牛乳を飲もう。ところが常温保存牛乳がバッグに入っていない。家に忘れてきたらしい。売店に戻るが小さなヨーグルトしなかない。途中のコンビニで買うか。スマホのナビに諏訪の本金酒造をセット。現在地との関係や距離感が分かりづらいことこの上なし。やはり専用カーナビは良く設計されている。ルート全体を理解できないまま出発。さっき歩いてきた木道脇を進む。昔はいつもこうして山本小屋ってどんなとこなのだろう?と未練を残して美ヶ原を去っていた。八ヶ岳や霧ヶ峰が右になったり左になったりしながら走る。このまま真っ直ぐ進むと懐かしい八島湿原に行きそうだがナビは曲がる。片側交互通行のトンネルが現れびっくり。両神山にもあったなあ。ここが旧和田峠のトンネルか。と言うことはこの上が旧中山道?途中、何度か旧中山道を横切るする。こんな急峻で狭い道を堀北真希ちゃんは3万人引き連れて江戸に向かったのか。いつか自分の足で歩いてみたい気がする。諏訪大社をかすめて上諏訪の街へ。子どもがまだ小さい頃旅行でお昼を食べた蕎麦屋のおばちゃんはまだご存命だろうか。蕎麦かりんとう美味かったなぁ(今回も買いに行けば良かった)。本金酒造に到着。駐車場3台分は埋まっていて斜向かいのコンビニへ。牛乳とスナックを買って酒店へ。義母がここの酒粕サブレが好きなのだ。東京に向かうにはちと早い。諏訪湖を巡り昔立ち寄った公共施設を探そうか。蓼科のペンションに泊まった時だろうか。台風で白樺湖は雨の中水路を走るボートに乗ったり、東郷青児美術館を見たりした。千葉に帰りたくなくて、宿を探した場所。PCでネットが使いたくて“携帯電話”の接続コードを求めて地元のドコモを探したのもあの時か。結局だんでらいおんにお世話になったような。あの頃はオルゴールにはまっており、方々でお土産に買ってしまった。大きなからくり時計を見たのも楽しい思い出だ。巡った場所は全て書き留めておけば良かった。スマホの地図ではそれらしい公共施設は見つからない。んでは杖突峠の絶景を見に行くか。諏訪湖に注ぐ上川なる川の堤防に沿って進む走りづらい道。ラジオからは福山雅治“モテの向こう側”?吹石一恵さんと結婚されてもまだモテ続けてるのかしら。暑くて堪らず空き地に停車して加圧タイツを脱ぐ。峠の茶屋は蕎麦屋とカフェに分かれていて迷わずカフェへ。展望喫茶『風の詩』。昨年雨飾山からの帰りに立ち寄った高ボッチ高原とは諏訪湖を挟んで反対側の稜線。数十年前に一度妻とと訪れたことがある。皇太子時代の天皇陛下が座ったテーブルがあった。

https://tsuetsuki.com/

乗鞍高原から昼神温泉を経ての帰路だった。よく思い出せないが仕事が辛い時期で、“寝覚めの床”で別人に生まれ変わりたいと願っていた。入笠山の方がパノラマとしては優れているかも知れないが、ここからの方が八ヶ岳は高度感があって良い。サイフォンで淹れてくれたコーヒーとチョコレートケーキでのんびりしている間に何組かの客が展望に感嘆したり八ヶ岳のピークを一つひとつ追ったりして去って行く。贅沢な時間。

https://youtu.be/4VR5y4frpRc

さて家路に付きましょう。いつものカーナビなら諏訪南ICを案内するはずだがスマホは諏訪ICに戻れとな。素直に従うが中央道に片側交互通行で渋滞の予告表示。どの辺りか見当がつかず反射的に国道20号を選択。思えば表示は須玉から先だった。こりゃ大分先の話ではないか。ま、これも旅の醍醐味。見知らぬ道でも両側の家並みが愛おしく感じる時がある。特に夕方は。このペンションのような作りの家の住人はどんな人で、仕事はどこで何をしているのだろう?庭先のテーブルでは週末に家族と過ごしているのだろうか、とか。右手に鋸岳へ向かう谷(釜無川でしょうか)を見ながら走る。奥に見える鋸岳の稜線が意外に近い。この谷を進めば鋸岳の登山口なのだろう。上級者コースなので登ることはできないだろうが、北岳、甲斐駒、仙丈のスターの影で何か渋くて魅力を感じる山だ。曇り空の中、突然右手から陽が差す。日の出と見紛う。寄り道したいのをグッと堪えて写真だけ撮る。もしかして手前に見える白砂のところが有名な日向山だろうか。小淵沢ICから乗って境川SAへ。納車待ち中のシエンタと同じスカーレットメタリック発見。またしても追跡してしまう。夕暮れ時、トンネル内、日没後・・・不思議な色に見えるものだ。ウォークマンでいきもの係の『風が吹いている(オーケストラバージョン)』が流れる。いい歌だ。“背中を押す言葉がある”“胸に宿る誇りがある”・・・。

 

2023年10月14日(土)

 

2100 自宅発  20°

2125 ファミマ西巣鴨三丁目店

2310 横川SA 12°

2320 ENEOS

2450 道の駅美ヶ原高原見術館P着 3°

0420 起床   5°

0620 駐車場発

0635 牛伏山

0820 王ヶ鼻着

0915 発

1010 王ヶ頭着

1055 美しの塔

1120 牛伏山

1140 駐車場着 10°

1220 発    14°

1335 セブンイレブン諏訪2丁目店

1635 境川SA

1915 万世橋GS