
今回の修理車は YAMAHA JOG です(*^▽^*)
出先でエンジンがかからなくなったとのことでご連絡を頂き出張引き上げにて入庫しました
あれれ、整備手帳を見てビックリ...( ゚ ▽ ゚ ;)
真っ新の無記入...時々いらっしゃるんですね(^_^;)
ご購入頂いてから2年少々...初回点検、オイル交換などもまったく整備していない状態の車両
だから修理依頼の時にちょっと気まずそうな感じだったんですね、その時のことを思い出してしまいました(^▽^;)
ちなみに走行距離は3,513km、女性のお客様で車両にはそこまで負担はかかっていない使用頻度です
それでは新車から2年間整備されていない車両を状態なども交えながら整備していきます

現象を確認するとセルは勢い良く回っていますがエンジンはかかりません
キック始動を確認してみます...明らかに軽いです、圧縮計で計ることもないほどにスッカスカッです
原因はエンジン本体バルブカーボン噛みのようです
<エンジンは圧縮行程の時にIN・EXバルブ共に閉じて圧縮が高まるようになっています。閉じようとしているバルブ弁に異物などが噛み込むと圧縮がかからなくなります>


オイルを確認したところ乳化して規定量の倍ぐらいに増えて粘度もまったくない状態でした
車両の冷却水は規定量あったためオイルが乳化した原因は冬場などの結露と混ざったためです
この粘度の薄いオイルが掻き落としきれずに燃焼室へ入ると不完全燃焼・カーボン過多=カーボン噛みの原因となるのはお分かり頂けるかと思います(^▽^;)
50ccは特に色々な面で不利なので定期的なオイル交換をオススメしたいです(^-^)/
原因も把握できたので修理作業に入ります
修理内容はバルブのカーボン除去なのですが当店では主に2通りの除去方法の修理があります
1つ目はヘッド各ポート、バルブ周辺まで分解清掃してシート、バルブフェースをラッパーなどですり合わせ修整する通常の分解修理=高額、重度車両向き
そして2つ目は今回行う修理方法です
今回の修理車は比較的に走行距離も少なく状態もそこまで悪くなかったため安価で簡易的な方法で修理します
車載の状態でクリーナーを注入して漬け込んで除去する簡易的な方法です


まずは排気上死点、排気バルブが開くのをポートからも確認して合わせます


排気ポートに埋め栓をしてプラグ穴からクリーナーを満タンになるまで注入します
しばらくこの状態で漬け込んで確認しながら必要な場合は数回繰り返します(*^▽^*)

ポート内が確認できるように画像を撮りましたが難しいですね(^_^;)
排気ポート内はカーボンが薄い膜状に剥がれている状態です

あとは洗浄作業をしてエンジン本体の修理は完了です
この簡易的な修理が通用するのは上記のような薄いカーボンの場合です
カッチカチの例のカーボンは通常の分解修理が必要です


そして最後にミッションオイルも交換します
新車から慣らし運転が終わるころには鉄粉がかなり出ますので初回点検時に交換したいですね(*^▽^*)

当店の連休前に修理完了してお客様に引き渡せてよかったです(*^▽^*)
次回から定期的なご来店をお待ちしております(^-^)/