ちかちかと目の前をグリーん獣が横切っていって、私はそれにびっくりして、朝を迎える。ぱさぱさとした目は、夜にだけぱっちりとしていて、朝になると急に痛みを覚える。
みんなが泣くところで、涙はこぼれてこないけれど、みんなが泣かないところでも涙はこぼれてこない。最近、冬という寒さにつられてありとあらゆるところが乾燥してる、カサカサ。
こんな日は誰かと話したい。ハンバーグを間に挟んで話したい。あのざわざわとした空間でくだらないとわかってることを話して、一日を終わりたい。
始まる前から終りを考えてる、今日はまだ朝日が昇っていないよ。
暖房をきった瞬間に足元から、こっそりと寒さがやってきてる。まだ冬だね、どうしようもないくらいに(永遠に冬だったら、私は嬉しさと寂しさでほんとうに泣ける気がする)
今日は、得意なものばかりを並べておける日だから、きっと、楽しい一日になるはず…!
真っ赤な薔薇にそっくりな子がいて、私はその花が散るとき、必ず傍にいないだろうと。そのことは当たり前だと思っていたよ。
水色の傘が、霰とぶつかって音をたててた。痛いのは、一部分だけじゃなかったんだよ、きっと。
胸がさわぐ帰り道、そっと、そっと。
夜空の果てがみつからない。聞こえてくるメロディーは偽物なのかもしれないね。
空が僕を見放す気もしていたけれど、こんな風にやんわりと包まれるなんて想像もしていなかったよ。
温かさだけがほしいわけじゃない。辛さに上乗せした幸せが欲しいわけじゃない。
少しだけ目が乾燥しているのに、涙は込み上げてこない。いつのまにか干上がってしまった涙腺は、僕の過ちを知っているのに(逃れることができない強さで、)
今まで通りの未来なら僕らを生暖かいそこで見守ってる。
一人、湯舟に浮かんで、空ではない天を見る。どこまでも飛んでいきたいのに、泥沼に沈んでしまっている。穏やかに、おだやかに、時は誰も傷つけないまま、宇宙を見張る。
そのことがゆるせないだけ。小ささで汚した記憶もきらきらと煌めいてる午後。人工的な空気に深呼吸した。まあるい心が、そこらじゅうで、生きていたのに、気付かないまま私は踏み潰してしまった。
それでもいいのなら、後悔など僕らを覆い隠さないよ。罪など誰にも与えられていないのに、勝手な慢心で傷ついたのは僕なんだ。
ナイフになる言葉を飲み込もうとしても、私は君をすでに見てしまったあとなんだ。月が出ない夜に、焦がれている狼男は、狼であることを恨んでしまったのかな?(あの人がそうであることを恨んだように/恨むことができたのなら、きっと人間に一番近いもの)
痛い、のは一人じゃない証拠なのかな。温かいものを望むのは、ここが少しだけ寒いだけなのかな。答えなんて、初めから見えていた?
無意識にあなたが受けてきた、鋭い刃は、音も立てず落ちていたんだよ。それだって、知っていて、残酷な言葉ばかりをぶつけるしかなかった、のは、。
(無知ゆえの愚かさだという、判りきった…)
もし、許されるのなら柔らかなあめが二人の間に降り注げばいいね。こんな思いをするのが、私たちだけならいいね。
傷つけることしかできなくて、ごめんね。許されなくて、ごめんね。
あなたの手を握ることは、できなかった。とても寒い日だったけれど、雪みたいなものがソラから降ってきた。私たちはお互い、その汚さを知っていた。だから、小さな子供みたいに、それを食べることができなかった。そんなところで冷静な二人だからね、許されなかったんだね。
願わくば、それが冷たい嘘であるようにと祈ってしまうことは愚かなのかな。あなたを傷つけるばかりなのかな。
私が触れたい掌は、あんなところになくて、それは遠すぎるって、あなたもみんな知っていたんだね。