6-48 角砂糖
「あの女、私の邪魔をする気なのかしらっ!?」
百鬼夜行は津波のように、学校の敷地内へと折り重なっていく。
このままでは学校は、あやかしの大群に飲み干されてしまうだろう。
飲み干されてしまったら――?
――後のことは、誰にも分からない。
濃度の高まった青黒い瘴気が、大地の木々を枯らしていく。
隙間も見えない閉塞感に、夜空も森も、押し潰されそうだ。
「学校は潰れても構わないけど――っ!!」
ティーナはいまいましげに叫ぶと、風の中、見事な黄金の髪をうねらせ、
「ええええいっ! こんなチャンスをみすみすっ!!!!!」
細い指を夜空へ打ち払った。
瞳に緑色の光がはしり、細い髪の先端にまで光が満ちる。
銀枠に踏みしめた両脚にも、目に見えない輪が生まれる。
刹那。
夜空を、大気の砕け散るような感触が駆けめぐった。
続けざま、無数の星々のように、圧倒的な力が、天頂から、地上へ突き刺さる。
百鬼夜行は津波のように、学校の敷地内へと折り重なっていく。
このままでは学校は、あやかしの大群に飲み干されてしまうだろう。
飲み干されてしまったら――?
――後のことは、誰にも分からない。
濃度の高まった青黒い瘴気が、大地の木々を枯らしていく。
隙間も見えない閉塞感に、夜空も森も、押し潰されそうだ。
「学校は潰れても構わないけど――っ!!」
ティーナはいまいましげに叫ぶと、風の中、見事な黄金の髪をうねらせ、
「ええええいっ! こんなチャンスをみすみすっ!!!!!」
細い指を夜空へ打ち払った。
瞳に緑色の光がはしり、細い髪の先端にまで光が満ちる。
銀枠に踏みしめた両脚にも、目に見えない輪が生まれる。
刹那。
夜空を、大気の砕け散るような感触が駆けめぐった。
続けざま、無数の星々のように、圧倒的な力が、天頂から、地上へ突き刺さる。
6-47 角砂糖
いやいや、しかし、忘れてはならない。
笑みがこぼれてならないのを、少女は必死にこらえながら、
「んーっと?」
いそいそ。腰に下げたポケットから、ぶ厚い双眼鏡を取り出す。
見えてくるのは空を埋め尽くす、青黒い霧のような、百鬼夜行の大群。
(……よぉし、これなら実験に間に合いそうねー!)
だけど、一心不乱になってまで、百鬼夜行はどこに向かっているのかしらん?
白い息を吐きながら、双眼鏡の倍率を変える。
「……ああ。学校かー……」
驚くわけでも、予想外でもない声で、ぽつり呟いた。
「学校までは、まだ距離があるみたいだけど……。変ね。学校の様子が……?」
首を傾げ――
るかしないかのうちに、彼女は撃たれたようにポケットへ手を突っ込んだ。
絶対に入るはずのない大きさの、ポータブルデバイスを引っ張り出し、
「やだなあ……! 学校でも、騒ぎが起こってるじゃない!」
画面を覗き込んだ眉間に、みるみる、不機嫌なしわが寄る。
笑みがこぼれてならないのを、少女は必死にこらえながら、
「んーっと?」
いそいそ。腰に下げたポケットから、ぶ厚い双眼鏡を取り出す。
見えてくるのは空を埋め尽くす、青黒い霧のような、百鬼夜行の大群。
(……よぉし、これなら実験に間に合いそうねー!)
だけど、一心不乱になってまで、百鬼夜行はどこに向かっているのかしらん?
白い息を吐きながら、双眼鏡の倍率を変える。
「……ああ。学校かー……」
驚くわけでも、予想外でもない声で、ぽつり呟いた。
「学校までは、まだ距離があるみたいだけど……。変ね。学校の様子が……?」
首を傾げ――
るかしないかのうちに、彼女は撃たれたようにポケットへ手を突っ込んだ。
絶対に入るはずのない大きさの、ポータブルデバイスを引っ張り出し、
「やだなあ……! 学校でも、騒ぎが起こってるじゃない!」
画面を覗き込んだ眉間に、みるみる、不機嫌なしわが寄る。

初めて