6-53 王の封印
その笑みを、食ってかかるような形相ではねつけ、
「それってゼロチームにすら正体がバレてはいけない、『ヤバイ物』って意味よね!」
「まあ。ティーナさんったら」
「今さら! 何をとぼけてるの!?」
「……もう……いやですわあー……」
淡いウサギの毛の扇を口元に広げ、わざとらしくすねてみせる。
どんなにしなを作られても、ティーナは攻撃の手を休めない。
「地下の<あれ>は、なんなの!? 異界から魔物たちを誘導する『先触れ』じゃないことは、もう明白だわ! あとはこの城で、今あんたが何をしでかそうとしているのか、っていうことよ!」
「私が、しでかそうとしたわけじゃありませんわあ……」
「はあ?」
いじけたような目線で、マリーナは少女を見上げる。
「……あの少年がいけませんのよ」
扇の裏から、困ったように溜息をつき、
「あの少年が……王の封印を解いてしまったのですわ……」
「それってゼロチームにすら正体がバレてはいけない、『ヤバイ物』って意味よね!」
「まあ。ティーナさんったら」
「今さら! 何をとぼけてるの!?」
「……もう……いやですわあー……」
淡いウサギの毛の扇を口元に広げ、わざとらしくすねてみせる。
どんなにしなを作られても、ティーナは攻撃の手を休めない。
「地下の<あれ>は、なんなの!? 異界から魔物たちを誘導する『先触れ』じゃないことは、もう明白だわ! あとはこの城で、今あんたが何をしでかそうとしているのか、っていうことよ!」
「私が、しでかそうとしたわけじゃありませんわあ……」
「はあ?」
いじけたような目線で、マリーナは少女を見上げる。
「……あの少年がいけませんのよ」
扇の裏から、困ったように溜息をつき、
「あの少年が……王の封印を解いてしまったのですわ……」
6-52 王の封印
「時間……? おほほほほほ! おもしろいですわあ、時間だなんて。私たちには……」
「マリーナ!」
この女わー! 少女の額に血管が浮かび上がる。
ティーナはまどろっこしいことは大嫌いなのだ。そろそろこの、笑ってばかりの女を、はり倒してやりたい衝動に駆られてきた。
「学校の地下と屋根! ゼロチームまで出してるみたいだけど。まさか、ヤツらにまで『先触れ』の殲滅だとか言ったんじゃないでしょーね? 言っておくけど、ヤツらぐらいならもう」
「うふん。気付いてますわあー……。最初から。この地下のが、先触れではない、っていうことぐらい」
そう言ってマリーナは、初めて、彼女に顔を見せた。
「だって、ゼロチームですもの。あれが、『先触れ』ではないことぐらい……。すぐ」
「すぐに分かるようなウソで、任務に行かせたの!?」
返事の代わりにマリーナは、桜の舞うような、穏やかな笑みを浮かべる。
「マリーナ!」
この女わー! 少女の額に血管が浮かび上がる。
ティーナはまどろっこしいことは大嫌いなのだ。そろそろこの、笑ってばかりの女を、はり倒してやりたい衝動に駆られてきた。
「学校の地下と屋根! ゼロチームまで出してるみたいだけど。まさか、ヤツらにまで『先触れ』の殲滅だとか言ったんじゃないでしょーね? 言っておくけど、ヤツらぐらいならもう」
「うふん。気付いてますわあー……。最初から。この地下のが、先触れではない、っていうことぐらい」
そう言ってマリーナは、初めて、彼女に顔を見せた。
「だって、ゼロチームですもの。あれが、『先触れ』ではないことぐらい……。すぐ」
「すぐに分かるようなウソで、任務に行かせたの!?」
返事の代わりにマリーナは、桜の舞うような、穏やかな笑みを浮かべる。

