6-58 王の封印
「頭悪ぃな、おまえ!」
背後に立つ教員が、アーヴの後頭部をつかみ、無理やり、ビニール袋に押しつける。
「目ん玉ひんむいて、よく見てみろや。中に、入ってるものはなんだ、って聞いてるんだよ。分かるだろ? この白いのだ。タバコだな。うん、タバコの吸い殻以外にねーよな!?」
「言い逃れはできねーぞ」
口髭をひねりながら、余裕たっぷりの口ぶりで、藪睨みの教師は、片目をすがめる。
「分かってるな? この城の中で起きたことなら、物体は『記憶』してるんだ。ましてや自分に歯形をつけ、中途半端に捨てたヤツのことなんて、明瞭に覚えているだろう。そして俺たちは、いつでもこいつを『再生』して、吸い殻の記憶を見ることができる……」
今すぐここで『再生』してほしいか?
そう言って、教師は憐れむようなまなざしを向けた。
「……なあアーヴ。お前、このままだと退学処分だ。いい加減、大人になれ」
少年はうなだれたまま、答えない。
「お前の吸い殻が、地下に落ちていた。だからお前は、地下に降りている。
そこでお前は、何をしていた? いや、なぜ……地下 へ降りた?」
背後に立つ教員が、アーヴの後頭部をつかみ、無理やり、ビニール袋に押しつける。
「目ん玉ひんむいて、よく見てみろや。中に、入ってるものはなんだ、って聞いてるんだよ。分かるだろ? この白いのだ。タバコだな。うん、タバコの吸い殻以外にねーよな!?」
「言い逃れはできねーぞ」
口髭をひねりながら、余裕たっぷりの口ぶりで、藪睨みの教師は、片目をすがめる。
「分かってるな? この城の中で起きたことなら、物体は『記憶』してるんだ。ましてや自分に歯形をつけ、中途半端に捨てたヤツのことなんて、明瞭に覚えているだろう。そして俺たちは、いつでもこいつを『再生』して、吸い殻の記憶を見ることができる……」
今すぐここで『再生』してほしいか?
そう言って、教師は憐れむようなまなざしを向けた。
「……なあアーヴ。お前、このままだと退学処分だ。いい加減、大人になれ」
少年はうなだれたまま、答えない。
「お前の吸い殻が、地下に落ちていた。だからお前は、地下に降りている。
そこでお前は、何をしていた? いや、なぜ……地下 へ降りた?」
6-57 王の封印
「おい」
教師といっても、ゴロツキに近い。
尋問にあたっていた藪睨みの教師が、早くしろ、と用務員をあごで使う。
股割りのように腰を落とし、体を落ちつきなく揺らしながら、
「アーヴィン……。お前、本当に、学校の地下へ降りてないんだな?」
「行ってねーっつてんだろ!」
「ほぉー……。そうか」
教師は感心したように、何度も首を縦に振る。
椅子に座った生徒を、あざけるように見上げ、
「これ、何か分かるか」
用務員から受け取った物を、目の前に突き付ける。
透明のビニール袋。
アーヴの額が、ぴくり、と震えた。
が、すぐさま、落胆したように溜息をついて、
「知らねー」
教師といっても、ゴロツキに近い。
尋問にあたっていた藪睨みの教師が、早くしろ、と用務員をあごで使う。
股割りのように腰を落とし、体を落ちつきなく揺らしながら、
「アーヴィン……。お前、本当に、学校の地下へ降りてないんだな?」
「行ってねーっつてんだろ!」
「ほぉー……。そうか」
教師は感心したように、何度も首を縦に振る。
椅子に座った生徒を、あざけるように見上げ、
「これ、何か分かるか」
用務員から受け取った物を、目の前に突き付ける。
透明のビニール袋。
アーヴの額が、ぴくり、と震えた。
が、すぐさま、落胆したように溜息をついて、
「知らねー」

