6-61 紅の令嬢
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……なるほどねえー。
眉間しわを作りながら、渾身の力で、少女はネジを締め上げる。
「地下で『彼らの王』が復活しかかっているって、あやかしや魔物たちは、気付いたわけだ。だから、王を取り戻すために、百鬼夜行になって、大群、城へ押し寄せてたのねー!」
話しながらも、手は止まらない。
「<彼らの王>ではないですわあー」
珍しくマリーナは、不満そうだ。
紅茶ポットにお湯を注ぎ、
「<わたくしたち>の、王様ですのよ?」
「みんなそーゆーこと、言うのよねー」
つかれたー。と、息を吐き、ティーナは引き続き、輝くガラス管になにやら怪しげな気体をポンプで押し込んだ。
あぐらを組んだ足元、薄絨毯の上には、機械が所狭しと並べられている。
電圧計のようなもの、黒光りする無機質な箱、鉄さびの浮いた天秤に、とぐろを巻くゴムの管。しきりに液体が落ち続けるフラスコ管と、年季の入った工具類。油の染み込んだ、安タオル。
6-60 王の封印
「もう、やっちまいましょ。許可は降りてるんでしょ?」
周囲の教師たちが、苛立たしそうに舌打ちする。
尋問の教師もよほど腹に据えかねたのか、床に椅子ごと倒れ伏したアーヴの方を振り返りもせずに、
「ああ! 更正の余地もないらしい! 残念だが、始末させてもらおう」
とんでもないことを言い出した。
「手術台の用意。よく切れるメスを持ってこい。脳を改造する」
「せ、せんせいっ?」
「安心しろ! 我々の言うことを聞く、良い子になってもらうだけだ! あれほどの大罪をしでかしておきながら、命が助かるだけでも奇跡だと思え?」
「ちょ……っ!」
「理事長の命令だ。お心遣いに、感謝しろ!」
――理事長の、命令――!?
「俺、タバコ吸っただけだろ? なんで、脳の改造まで!?」
「王の封印を解いておきながら……。しらじらしい!!」
どんなに頑張っても、椅子に縛りつけられたアーヴのロープは固く、切れない。
「わざわざカギまで盗み出し、地下へ封印を解きにいくとは!! 正直、お前がここまでやる悪党だとは思ってもみなかったよ!」
そう言って教師は、よく光るメスを、手に取った。
周囲の教師たちが、苛立たしそうに舌打ちする。
尋問の教師もよほど腹に据えかねたのか、床に椅子ごと倒れ伏したアーヴの方を振り返りもせずに、
「ああ! 更正の余地もないらしい! 残念だが、始末させてもらおう」
とんでもないことを言い出した。
「手術台の用意。よく切れるメスを持ってこい。脳を改造する」
「せ、せんせいっ?」
「安心しろ! 我々の言うことを聞く、良い子になってもらうだけだ! あれほどの大罪をしでかしておきながら、命が助かるだけでも奇跡だと思え?」
「ちょ……っ!」
「理事長の命令だ。お心遣いに、感謝しろ!」
――理事長の、命令――!?
「俺、タバコ吸っただけだろ? なんで、脳の改造まで!?」
「王の封印を解いておきながら……。しらじらしい!!」
どんなに頑張っても、椅子に縛りつけられたアーヴのロープは固く、切れない。
「わざわざカギまで盗み出し、地下へ封印を解きにいくとは!! 正直、お前がここまでやる悪党だとは思ってもみなかったよ!」
そう言って教師は、よく光るメスを、手に取った。
6-59 王の封印
なぜ地下へ降りたのか? と聞かれても、まさか、
「澪ちゃんと、『いーこと』しようと思って降りました!!」
とは――答えられない。
しかも、未遂に終わってしまった辺りが、なんともアーヴ的に淋しい。
タバコの吸い殻を落としてきてしまったのは、少女の愛らしい相貌に思わず見とれてしまったからだ。
そうだ俺、禁煙しよう。可愛い子ちゃんには、煙草は毒だもんなあ……
「……せんせ……」
「あー? やっと答える気になったか……?」
やれやれ、と、教師は膝を打ち、
「こんな騒ぎを引き起こしてるんだからなあ……このままじゃお前、退学……」
「俺、女の子たちを守るために! 禁煙します!!」
「その前に、未成年だろーがっ!!」
教師の右フックが飛ぶ。
「ふざけんな!!」
「澪ちゃんと、『いーこと』しようと思って降りました!!」
とは――答えられない。
しかも、未遂に終わってしまった辺りが、なんともアーヴ的に淋しい。
タバコの吸い殻を落としてきてしまったのは、少女の愛らしい相貌に思わず見とれてしまったからだ。
そうだ俺、禁煙しよう。可愛い子ちゃんには、煙草は毒だもんなあ……
「……せんせ……」
「あー? やっと答える気になったか……?」
やれやれ、と、教師は膝を打ち、
「こんな騒ぎを引き起こしてるんだからなあ……このままじゃお前、退学……」
「俺、女の子たちを守るために! 禁煙します!!」
「その前に、未成年だろーがっ!!」
教師の右フックが飛ぶ。
「ふざけんな!!」