6-66 紅の令嬢
粉々になったティーカップを一瞥もせず、
「――最初からよ」
低い声で答えた。
「あんたが国王の眠りを解いたんじゃないか、って最初から疑ってたわ。だからわざわざ、あんたの目の前で、王を『再封印』する魔導銃を作って、あんたの反応を確かめてみたんだけど。まあ……思った通りね」
スパナを指先で、くるくると回し、
「私の命を奪おうとしたのが――証拠」
「ティーナさんの、思い過ごし、ということはなくて?」
「思い過ごしで、自動障壁は発動しないわよ!!」
リズムよく握っていたスパナをそのまま、理事長へと突き付け、
「あんたのとこのお茶を飲むと、脳をあんたに乗っ取られる、っていう話は有名なのよ!? あんたが私に危害を加えようとしてるから、うちの障壁がそのティーカップを叩き割ったんでしょうが!」
「おほほ。違いますわあ。きっと熱いお茶でしたから」
理事長はなおも、婉然と微笑む。
「――最初からよ」
低い声で答えた。
「あんたが国王の眠りを解いたんじゃないか、って最初から疑ってたわ。だからわざわざ、あんたの目の前で、王を『再封印』する魔導銃を作って、あんたの反応を確かめてみたんだけど。まあ……思った通りね」
スパナを指先で、くるくると回し、
「私の命を奪おうとしたのが――証拠」
「ティーナさんの、思い過ごし、ということはなくて?」
「思い過ごしで、自動障壁は発動しないわよ!!」
リズムよく握っていたスパナをそのまま、理事長へと突き付け、
「あんたのとこのお茶を飲むと、脳をあんたに乗っ取られる、っていう話は有名なのよ!? あんたが私に危害を加えようとしてるから、うちの障壁がそのティーカップを叩き割ったんでしょうが!」
「おほほ。違いますわあ。きっと熱いお茶でしたから」
理事長はなおも、婉然と微笑む。
6-65 紅の令嬢
「もちろん――監視は付けておくわよ。あなたが、『ズル』しないように」
「――!」
理事長は、艶やかな瞳を少女に向けた。
鋭い緊張が、二人の間を駆け抜ける。
硬直した人形のように、マリーナは、鉄とガラスの、無骨な銃を見つめ、
「……いじわるですわ……かなめさま、ったら……」
淋しげにぽつり、呟いた。
「監視が付かないというのなら、魔銃、使ってみせますけれど……。あるというのなら……」
「できるはずないわよねえ」
ティーナは、疲れ果てた調子で、声を絞り出し、
「あんたが、国王の封印を解いたんだから」
「……いつから、ご存じでしたの……?」
ティーカップをティーナの膝元へと差し出す。
瞬時に、二人の間に、見えない壁が出現する。
マリーナはとっさに盆を手前へ引いた。
派手な音をたて、自動障壁によりティーカップは砕け散る。
「――!」
理事長は、艶やかな瞳を少女に向けた。
鋭い緊張が、二人の間を駆け抜ける。
硬直した人形のように、マリーナは、鉄とガラスの、無骨な銃を見つめ、
「……いじわるですわ……かなめさま、ったら……」
淋しげにぽつり、呟いた。
「監視が付かないというのなら、魔銃、使ってみせますけれど……。あるというのなら……」
「できるはずないわよねえ」
ティーナは、疲れ果てた調子で、声を絞り出し、
「あんたが、国王の封印を解いたんだから」
「……いつから、ご存じでしたの……?」
ティーカップをティーナの膝元へと差し出す。
瞬時に、二人の間に、見えない壁が出現する。
マリーナはとっさに盆を手前へ引いた。
派手な音をたて、自動障壁によりティーカップは砕け散る。

