太陽は空との契りで昇るのだろうか

生命に一日の始まりを告げる事象に

季節は地球との契りで巡るのだろうか

生命に感情の起伏を与える事象に

 

契りを交わせば

距離を知り

責任を知り

正義を知り

時に偽りも知る

見知らぬ人とはそれすら交わせず

心の相対関係を思い知らされる

 

事の終わりに重きを置いてみれば

達成感や優越感に浸り続けるけど

契りばかりに支配され始めれば

いつしか総てが機械になってしまうだろう

 

だから契りのない笑顔で会いたい

その契りを千切るくらい

契りを食い千切る

 

 

 

 

 

朝三時に目覚めて七時に出発するまでの間

柄にもなく勉強を始めようと思う

私は体を動かすのが好きだから

事務系の資格を取得してみたいと励もう

昨夜会ったとある画家の話によれば

虹は七色だが彼には十四色に見えるんだとか

人と違う価値観

自分にもないかと考え

独り辿った終電の家路にて

明日の為に眠って起きたのが今だった

 

暫くして窓の明るさに気づいた時

寝起きの太陽と何年か振りに会った

近所の犬のリードが外れてはしゃいでいて

憧れのアイドル以来すっかり見惚れてしまった

見慣れた位置に時計の針がはまって

私は日常に吸い込まれてゆくけど

心がざわついているのがわかった

そして次に虹を見られる日まで

この習慣に生きてみようと誓った

 

 

 

 

 

旧友に再会し青年期の挨拶を交わせば

高層ビルディングのカフェテリアに佇み

一杯のコーヒーを並べる

今何してるのか詳しくは知らないけど

人並み以上に会話は弾み

時計盤から12だけ奪う

10年後には子供は幾つだとか

大人になったらああしてたいだとか

答え合わせをしているように

若者の会話に紛れられる都会は美しい

 

なのに何かが足りない

思い出の線路に足跡を残すだけの

下り列車が行く街々の活気は

すれ違う上り列車に奪われているからだ

 

 

 

 

 

遠い国の泣き声は聴こえなくても

目の前で泣いている人を見かけたならば

いつもどこかで繰り返される争い

人事じゃないのに通り過ぎる街並み

 

私達は本日も

地球が産んだ酸素を吸わせて頂いていると

所謂 地球に生かされていると

解釈すると空気が淀む街並み

 

愛すると生じる争い

憎むと生じる争い

生命は争いから産まれると云っても過言ではないから

四季が巡る その事すらひとつの争い

 

 

 

 

 

5メートル先の糸でんわに

丁寧な口調で話してみたら

オウム返しばかり聴こえてきたよ

向こう岸飛び立つ鳥が声の主だったのかな

 

天まで届く糸でんわに

「神さまはいますか」と問いかけてみたら

亡くなった先祖の返事が聴こえてきたよ

いつもどこかで繋がってるってことなのかな

 

自分の胸にあてた糸でんわに

乱暴な言葉を投げかけてみたら

嵐のような音が鳴り響いていたよ

人の心の仕組みってこういうことなのかな

 

5センチ先の糸でんわに

感謝の気持ちを伝えてみたら

幸せと笑顔を垣間見ることができたよ

寂しさはこうして生まれるってことなのかな

 

 

 

 

 

世の中には知らない事の方がごまんとある

君についてだけ知りたい男がいる

 

パンよりお米が好きね

外で遊ぶのが好きね

山より海の方が好きね

勉強はちょっと苦手だね

魚よりお肉が好きね

大根は食べないんだね

 

ある日僕はブリ大根を作った

君は

(演技してるのかと思うほど)

嫌な顔をした

「なんで嫌いなの?」とは問わなかった

曖昧が人の心の魅力になるから

 

世の中には知らない方が良い事もあるから

君についてもそうありたいと願う

 

 

 

 

 

5月の風は少し浮かれるから

心に傷を負うのはよくあること

新たな環境に慣れが生じて

それが時に安心か自信になって

群れをなしてしまうようで

二段飛ばしで上がる旧友が

遠ざかって見えているのなら

今必要なことはおそらく巣籠り

初心にしがみつくことで

色眼鏡が壊れるから

その後に手にするのが望遠鏡だったとしても

正しい道を探し出せるはず

 

鳥たちは夏に巣立つんだって

その姿を自分の眼で見れればいいから

 

 

 

 

 

彼女の事について書こうと思うのだが

なぜか手が止まってしまうのは

カメラを向けた瞬間羽ばたく鳥のように

妙な警戒心がそこにあるからなのか

いつもは元気に見えるのに

言葉にすると泣いてしまいそうで

尚且つそれを十年後に読むとなると

湿った想いに干からびた手紙が余計に悲しくさせそうで

 

無数の心が漂う交差点で

君の手を離してしまったとして

連絡もしないでまた出会えたとしたら

この街の狭さに少し驚くか

きっと永遠について運命をこじつけて悩むのだろう

 

 

 

 

 

風が止まる

夢にはしゃぐ声が響く

私は日に日に夕陽に近づいていると

時の戯言で感じる事がある

 

例えば夕凪にパレットを持って

毎日絵を描いている人がいたら

生涯に一度だけ同じ景色を描く事になるだろう

平穏で特別な日々の中に

過去に戻れる日があるのであれば

その人はその日をどう思うのだろう

 

友はみんな

この海を渡りました

音を奏でるような漣はきっと

彼らの心の波紋を演じている

 

 

 

 

 

雪の少ない北国

暖かな冬の街

それでも着込むダウンコート

これが普通だと思えばいい

これでいいんだと思えばいい

 

蒲公英なしの20℃の春

雪解けと桜が早くなり

新緑のない暑い日差し

これが普通だと思えばいい

これでいいんだと思えばいい

 

君がいない景色

宙ぶらりんの右手

クラスが変わった時の焦りと孤独

これが普通だと思えばいい

これでいいんだと思えばいい

 

昭和 平成 令和 未来

元号が変われば生き方が変わる

生き方が変われば心の形も変わる

全て普通だと思えばいい

全ていいんだと思えばいい