ずいぶん時間があいてしまったが前回の続きを書く。
献血中にあることを思い出したので、帰りにやってみようと試みたことがあるので紹介する。
私は意外と昔から歴史好きであった。好きだが詳しくはないということを事前に申し上げておく。遡ること小学校高学年の頃にNHKの大河ドラマで「おんな太閤記」を見たのがきっかけだと記憶している。主人公は豊臣秀吉の正妻「ねね」であり戦国時代の天下人を支えたストーリーがとても面白かったのだが内容は全く忘れた。それから歴史の授業を受けたりしてなんとなく興味をそそられていたが歴史博士になんかなる訳もなく、他に楽しいことを思う存分満喫して青春時代を過ごした。
時は流れて成人前後だったともうのだが、そこで転機がやって来た。幕末好きの友人と出会うのである。坂本龍馬の大ファンでその友達の家に行くとズラリと幕末関連本が並んでいた。
ちょうど私もその前後に司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」を読んでいたので興味が完璧に合致した。その後はその友達が持っている本を借りてきては読み漁った。漫画版の「竜馬がゆく」も読破し、そのあたりの映画もちょろちょろと見た。
私の出身地である九州は幕末がらみの名所がたくさんあるので車でいろんなところに出かけた。ちょっと足をのばして長州にある志士たちの生家など関連する施設にはあらかた訪れた。
上京する時には途中、京都で2泊して歴史が刻まれた街並みや歴史が動いた場所で鼻血が出るくらいにコーフンしたことをよく覚えている。
またもや前置きが長くなった。そんな、なんちゃって歴史好きな私が献血しながらふと思い出したことに戻ろう。「古地図散歩」というアプリがあるのだが、これが何かというと古地図と現代の街を重ね合わせ、GPSで当時の地図のまま現在地を示してくれるという面白いアプリなのである。
古地図と言っても明治時代初期のものが使われているのだが、ほぼ江戸時代といって差し支えないであろう内容だ。
この日、ガチ中華の店でひとしきりコーフンしてから店を出た。場所は立川駅の目と鼻の先である。
当時はおそらく森か林かわからないが何もなかった場所を歩く。
とりあえず古地図にある道に重なったぞ。
錦町と書かれている。何とも歴史を感じる通りではないか。
細くていい雰囲気の道をゆく。
今この辺りだ。現在私は地図の下の方に向かって歩いているところである。もう少しで民家がチラホラの集落があったのだろう。
まもなく集落の入り口にあたる四辻だな。
おお!まさしく四つ角になっている。私はこの瞬間、一人でコーフンしている変態古地図オジサンに変身した。
意外と道幅が狭いのでほぼ昔のままなのだろう。
まっすぐ進むと豆腐屋さんがあった。昔からあったのだろう。
おお、行きがけも通った道に出たぞ。ここは昔からある道だったのだな。どおりで立派な樹がある立派な家があるはずだ。
おお!古地図の通りだ!
特急、じゃなかった、急行、あ、違う、旧甲州街道だ!
そういえば、ここは昔歩いたことがある道だぞ。
そのまま進んで現代の甲州街道が見えてきた。
へんてこりんな道の形だな。
なるほど。左側の旧道が右からくる新道に繋がったぞ。
そのまままっすぐ。
延々と歩けば府中を過ぎ、新宿は内藤町を通り抜け最終的には江戸城の半蔵門にたどり着く。甲州街道は徳川家が何らかの危機にさらされた際、甲州へと逃げる道として整備されたと何かで読んだ。
おっと、ここから街道沿いに民家が立ち並んでいる。
ここがその一軒目のようだ。おそらく当時のままだろう。
なるほど、私の大好きな酒屋さんではないか。グヒヒ。
せっかくなので右折して細い道を歩こう。
雰囲気満点。
あれ?ここも行きがけに通った道だぞ。
どおりでこの辺りは史跡のようなモノが多いはずである。
旧道をゆく。
多摩川沿いに出た。
本当に古道といった感じでワクワクな変態古道オジサン。
明治天皇がここに車をとめ、休憩されたそうである。
しかもこの道路は地元の名士が自費で造ったようである。
四つ角に出た。
現代も十字路だ。
直進する。
古地図も同じように道が書いてある。
おっ?なんだかへんてこりんな道が書いてあるぞ。民家もある。
ここだな。
左に行くと大通りに繋がるので右に行こう。
民家が見えてくる頃だ。
なるほど、大きなお家が並んでいる。
おっ?よーく見ると向こう側に「土方」という文字が見える。この近くは新選組の名士がたくさんいた場所でもある。
ひし形の道。
ひし形の道。
ここも新選組だな。
ズンズンいこう。
もちろん古地図には描かれていないアマゾンの倉庫が飛び出した。
キョロキョロしながらかなり歩いたぞ。
東大山道。歴史を感じさせる道の名前だ。
大通りを突き切る。
また、多摩川に出た。
ああ、もう疲れた。
雨まで降り出してきやがった。クソーッ!
我が家は近い。
----------
いやぁ、悪い遊びを覚えてしまった。
この古道散歩の事である。
家を出るたびにこのアプリと、もうひとつ、我々が生まれた頃の航空写真を重ね合わせて、いにしえの時代を想像する変態妄想遊び。
妄想委員会なのである。
おっと、世の中はすでに年末年始休暇に突入している。
私もその中にいる。
ビールをこよなく愛する皆さま
であるからして
やっぱり今宵も
キンキンに冷えたビールで
乾杯ッ!
するしかないのである。
ムフフフフ。


























































