【昨日のビール】
ロング缶:3本
芋焼酎ロック:5杯
【昨日の実績】
自転車:×
お菓子断ち:×(バタピー多め、、、)
昨日は夕方から自転車に乗るつもりだったが、いろいろと細々した用事を授かり結局どこへも出られずに、そのまま晩酌に突入した。それはそれで良いことであるが、万年ダイエッターおよび生活習慣病のプロとしては、なんとなく後ろめたい気分だが気にしない。
気にしないのだよ!
しない!
うん。
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2023年9月10日の日曜日。
この日の朝、私は喉の痛みを覚えての起床となった。風邪の初期症状とたかを括っていたので体を動かして無理矢理直してやろうと思い、自転車で初心者向けヒルクライムコースである太田瑠美ちゃん、あ、間違えた。大垂水峠に登りに行ったのは前回のブログに書いた。
前回、その峠を登った時はあまりの辛さに途中で休憩を余儀なくされたのだが、今回はそんなことはなく、キツさも半分ほどで登り切ることができた。何事も経験と諦めないことが肝心であるということを改めて思い知ったのだ。
峠を制覇してご機嫌になった私はそのまま帰宅して、午後開催される息子のサッカーの試合を妻と2人で観に行った。試合は優勢に進めていたのだが最後はPKで破れるという残念な結果だったが、みんな頑張ったので次に活かされることだろう。
サッカーグラウンドに息子を置いて私達は帰宅した。娘は朝から友達と買い物に行ったままだったのだが、自宅のドアを開けると「おかえりー」という声が聞こえて来た。
娘は妻が見えないところに行ったことを確認するとこっちを見て小さく手招きをしている。ムムッ?私もなんだかキョロキョロしながら身をかがめてコソコソと歩み寄った。
「バッチリ買って来たよ。タイミングはどうしようか?」
娘はニコニコしながら小声そう言った。
「オッケー、そこはお父さんに任せて」
私もニコニコしながらサムアップして答えた。
外は薄暗くなり始めている。時計を見ると18時を回ったところだ。ある程度頭に思い描いていた今日の夕食の段取りをそろそろきちんとやらないといけない時間である。息子は試合会場から移動しているようだが帰宅する時間は20時半頃だと連絡があった。私は個人的に息子にあててLINEにメッセージを入れた。
「花、買ってこれる?」
すると、すぐに返信があった。
「確定演出キターーーーッ!」
あまり意味は分からないが、なんとなく漢字で表すとそんな感じだろう。
実は今日、この日は妻の誕生日であり、私達夫婦の結婚記念日でもある。ずいぶん昔話になってしまったが私達は約20年前のこの日の午前中、役所に婚姻届を出しに行ったのだ。ピカピカに晴れていたのに突然ものすごい勢いで雨が降り始め、車のフロントガラスに雨粒が打ちつけたことをよく覚えている。役所に着くとサッと止んだので何事もなかったように窓口に届けを出した。
役所の担当者に、いきなり「ご主人」と呼ばれたことに驚いた。そしてなんだか恥ずかしいような、でも、これからはしっかりせねば、とスイッチが入ったような、そんな妙な感覚だったことも思い出した。
「俺が帰る頃は花屋が閉まってる」
息子からのLINEの返事で意識が現代に戻った。そうか、息子に花を買ってこれないか聞いたのだった。そうだろうな。そんな遅くまで花屋は開いていない。
「分かった。花はお父さんが買ってきて玄関のドアノブにぶら下げておくから、あとはよろしく」
「オッケー」
よしっ、息子からの返事で段取りは整った。
夕飯のメニューは何がいいかと妻に聞くと、たまにUber eatsで頼む唐揚げのパーティセットが食べたいと言うのでそうする事にした。まてよ。私は全く同じ経験を前にもしたように思えた。考えてみると、昨年のこの日も全く同じパターンだったことを思い出した。
とりあえず、唐揚げのセットは私が店舗まで取りに行く事にした。その前に花屋で花を買えば全てうまくいくだろうと頭の中で予定を組んだのだ。パーティにはその他にもいろいろと必要なので、その辺りの準備を一手に引き受けることにした。まずは行きつけのスーパーで最優先にしなくてはならない私の酒の肴、その他子供達のジュースなどを買いにゆく。ビールの在庫は冷蔵庫の中に潤沢にあることを確認済みである。妻は現在ダイエット中なのだそうで、ケーキは要らないと言っていたがこれもサプライズとして洋菓子店に寄ってから、ちょっとしたアップルパイを買った。
次は花屋である。駅に直結した商用ビルの中に比較的遅くまで開いている店があるのでそこに向かった。毎年黄色のガーベラを贈っているのだが、あいにくこの日は売り切れだそうなので勧められたピンクの花束に決めた。手提げ式のビニール袋に入れてもらってこちらも準備オーケーだ。
計画した買い物を全て済ませ車に乗り込み、最後は頼んでおいた唐揚げのセットを取りに行くだけ。あとは祭りのピーヒャララである。唐揚げ屋のテイクアウトカウンターで頼んでおいたセットを受け取った私は浮き足だって自宅に戻った。買って来た花を玄関の外側のドアノブにぶら下げて、あとは息子に託した。頼むぞ。
家にあがり、ドカドカとパーティの食材をリビングのテーブルに広げるとあとの準備は娘に任せた。彼女は今年中学生になったのだが、このような食事の準備などが得意で私なんかよりもずっと手際がいいのだ。
私の担当する仕事はあらかた片付いたので、シャワーを浴びてサッパリすることにした。そうしないとこれからお目にかかるビールの神様に失礼なのだ。グヒヒ。
シャワーを浴びて脱衣所を出ると息子がどの辺りにいるのかを確認するためにスマートフォンのGPSアプリを見てみる。おおよそあと5分ほどで帰宅しそうだ。ジャストタイミングである。テーブルにはご馳走が並べられている。準備万端なのだ。ウヒョヒョ。
「ただいま〜」
息子の声が玄関の方から聞こえて来た。
うまくやれよ。
息子がゆっくりと廊下を歩いてリビングの方にやってくるが、妻はスマートフォンの画面に夢中のようで息子が近寄って来ているのに気づいていない様子である。娘もニッコリしながら息を潜めている。息子は花束を後ろ手に隠してニヤニヤしながら妻に近づいていった。そして、突然大きな声を出してこう言った。
「おめでとう!お母さんに感謝の気持ちを伝えられたらと、、、」
低く、ハキハキと気持ちの良い声と共に隠していた花束をさっと妻の目の前にさし出した。妻は一気に顔を上げて驚いた表情になるとともに、すぐに涙ぐんだのがわかる。
「どうしたの〜?ありがとう〜!買って来てくれたの?どこで〜?嬉しい〜!」
声を詰まらせながら息子に質問すると、息子が答えた。
「いや、買ったのはお父さん」
おいおい、ここは嘘をつくもんだろ。俺が買って来た、そう言えばいいのに、などと思ったが、そこは嘘のつけない息子のいいところかもしれない。男2人の連携プレイサプライズだと説明すると、妻は涙を拭いながら頷いて喜んだ。やった甲斐があったのだ。よっしゃ!
「あ〜っ、腹減った〜!」
息子がまた大声で言った。
「ヨシッ!じゃぁパーティ始めよう!」
今日の記念日を彩るのは〜
ワタクシ用に天然ぶりの厚切り。
試合で頑張った息子には好物のマグロ。
ピンボケのこれまたブリの握り。
唐揚げパーティセット。
娘の好物ポテト。
サラダも軽く作った。
揃いましたなパリピの衆!
あっ!アジフライもあるぞ!
それぞれ、飲み物を手に取りたまえ。
それでは〜
乾杯ーーーーっ!
オメデトーーーーッ!
グビグビグビッ
ブハーッ!
最強!
ここで早速もう1発サプライズだ。
娘が乾杯直後に立ち上がって自分の部屋に消えていった。そして手に大きな袋をぶら下げて戻ってくる。
「お母さん、お誕生日おめでとう!これ、今日お母さんのために買って来たんだよ!」
娘はそう言って袋を妻に手渡した。驚いた妻がまたもや涙ぐんでいるのが分かった。
「えーっ?マジでー?ありがとう〜!なになに?」
袋を開けてみると中から可愛いピンクのお皿が2枚出て来た。
「お母さん、お皿とか好きだけどピンク色を買ったことないよね〜?」
娘がドヤ顔でそう言いながら、もう一つのプレゼントも開けるようにうながす。
うんうん、と、無言で嬉しそうに頷きながらもう一つの箱を袋から出した妻がまたもや大声で驚いた。
「なに?これー?すごーい!」
中から出て来たのはハンディチョッパーと呼ばれる調理器具だった。娘は今日、朝から友達と出掛けて、一日中このプレゼントを選んでいたそうなのである。さすが女の子なのだ。
妻は大満足の笑顔で娘をギュッと抱きしめた。息子は目の前の唐揚げや刺身を夢中で頬張っている。私はそれを見ながらエビスビールをゴクリと飲んで目を細めた。
シアワセである。
あとは私からのささやかなサプライズであるアップルパイを冷蔵庫からいつ出そうか。
そのタイミングを見計らうだけだ。
よしっ、今日は飲むぞっ!
あ、失礼。
今日も。
だな。
楽しく素敵な夜が更けて行く。
いい日だった。










