自動車用スパナ 1/6

【日産編】

 

【2023年10月25日 追記】

『昭和スパナのすべて』3/4編に最新の日産スパナ情報を書いています。

本編も同じ内容で最新情報に更新の予定です。

 

自動車の車載または整備工場向けスパナとコンビレンチを、自動車メーカー毎に分類し、製造者記号等から判明したOEM製造元を明らかにしていきます。

車載と整備工場向けの工具は、一般販売目的ではありませんので、市販品では無いものを取り扱うことになります。

さらに、製造者または製造者記号が表示されているものは1950年代~80年代に多く、半世紀も昔の話になります。

しかしながら、中古工具屋さんやオークションでの入手が可能で、このページを書いている最中でも新しい物が見つかり、増殖しています。

今後もさらに見つかるでしょうから、『何だこれ!』と見たことが無い工具メーカー名に悩みながら、時間を掛けてこのページを進化させて行くつもりです。

工具を好きな方の多くは、車も好きなのだと思います。

私も両方を趣味にしていますので、『いつかは自動車メーカー向けスパナの全体像をまとめたい』と思っていたのを実現させた次第です。

 

AMEBAブログの容量制限の関係から、1回では収まらず、6回に分割します。

その1/本編…【日産編】 日産、プリンス

その2…【トヨタ編】

その3…【その他編】 日産、プリンスとトヨタ以外

その4…【二輪ホンダ編】

その5…【二輪その他編】 ホンダ以外

その6…【昔の二輪編】 トーハツやラビットスクーターなどの旧車

 

☆掲載条件

(1) 車載または整備工場で実際に使う工具

(2) 日本の自動車会社名またはロゴ入り (プレジデントなど車名ロゴも含む)

(3) 日本製の両口スパナとコンビレンチ

(4) 製造者が特定できる工具会社名、会社ロゴ、または製造者記号入り

(5) 無印(製造者の表示無し)でも、形状等から製造者が特定可能な物

※ 車載工具は、2000年前後からアジア製の無印が主流となり、日本製では無くなっているため、対象は主に2000年以前。

また、最近の整備工場では、自動車整備商社ブランドまたは一般市販工具をそのまま使用していて、自動車メーカー名が刻印された独自のハンドツールは展開していないと理解しています。(もし、展開していて、それが日本製であれば、もちろん本稿の対象になります)

 

☆対象外

自動車会社名が刻印されてはいるものの、一般ユーザー向け限定品(金メッキ品など)

 

本稿を書くに当たり、スパナ等の工具出品に力を入れているヤフオクKamii_1225をデーターベースとして活用させて貰っています。(出品数…スパナ全体で約600本)

さらに、写真も借用し、当ブログの特徴にしている表裏2面図仕様に加工してから掲載しています。(データーベース活用と写真借用の了解取得済み)

また、自動車編を書く切っ掛けになったカタカナ『ニッサン』を始めとして多くのスパナを提供して下さった青森方面の方に感謝致します。

 

1.一覧表

日本には大手自動車メーカーが現在12社あります。

スズキ以外の11社で工具製造会社ロゴまたは製造者記号が表示されたものが見つかっています。(下表14社の中でプリンスと無限が12社の外枠)

 

*『製造者記号』は、会社名ならびに会社ロゴと共に製造者を示す3番目の名前です。(例えば、大阪鍛工なら  )

数字とアルファベットが羅列する『製造記号』とは異なります。

*一覧表内の(?)付き製造者記号は、会社名がまだ特定できていません。

*KOWAは商社であり、本稿の目的である製造元の特定は出来ていません。

 

参考まで二輪の一覧表です。(詳細はその4~6にて)

 

2.商品解説

日産とトヨタは、製品種類も情報も多く、興味が尽きないことから、解説が長くなっています。

 1)日産自動車  Wiki歴史

定番の丸と長方形を合体させた日産ロゴは、5種類が見つかっています・

実車と比較すると英語DATSUNロゴが存在しないようです。

 

 日産-0-1(戦前)

日産自動車の戦前スパナ。

・粗い鍛造仕上げ、表示はロゴのみ、スパナ形状が卵型であることより、戦前スパナであろうことは分かっていましたが、どこ向けなのか分からずにいました。

・次の日産0-2で  が"NISSAN"刻印とセットで使われていますので、これが日産ロゴだと分かった次第です。

・昭和スパナが戦前からスパナを製造していて、かつ当時のスパナが本品に非常に似ていることから、本品は昭和スパナ製の可能性があります。

・一方で、池田工業の前身会社が戦前に陸海軍向けと共に日産にスパナを納めていたことがHPで公表されていますので、本品は池田工業製の可能性もあります。

↓池田工業のHP

・スパナ部形状、スパナと胴長のつながり方、胴長の断面形状、鍛造仕上げ度合いなど部分毎に比較していくと、戦前の昭和スパナにそっくりなことが分かります。

・昭和スパナ製なのか、池田工業製なのか、形状が似ていることから70:30で昭和スパナと考えるに至っています。

・もし昭和スパナ製だとすれば、昭和スパナと池田工業の2社が戦前にスパナを日産向けに納めていたことになります。

↓戦前の昭和スパナとの比較

↓戦時中、『アサヒグラフ』内の180トラック広告

 

 日産-0-2(終戦直後)

・"NISSAN"刻印があることから、日産向けと分かります。

・このモデルより、長方形と円形を合わせた文字無しロゴ は、日産ロゴであることが分かります。(このロゴは商標登録されておらず、一時的なものだと思います)

・また、大きなアルファベットが戦時中に使用されたとは思えないため、戦後モデルと思います。

・製造元を示す表示はありませんが、戦後の日産向けスパナはほとんど昭和スパナが納めていること、またスパナ形状が戦後の昭和スパナに似ていることの2点から、このスパナも昭和スパナ製の可能性が高いと思います。(確度80%)

・ぶっきらぼうな"NISSAN"表示、並びに戦前から使われている日産ロゴより、戦後最初の昭和スパナOEMと推察しています。

・例えば、終戦直後の1945年11月から再生産を始めたNISSAN180トラックの車載スパナ。

↓戦後1949年、180トラックの広告。

 

 日産-1 

by 昭和スパナ製造(会社ロゴ  より製造元が確認できる)

・昭和スパナ製造(以下、昭和スパナ)は個人商店として戦前から鍛造を行っていましたが、1949年から株式会社化して本格的な鍛造メーカーとなり、1952年には他社に先駆けてJIS認証の第1号を取得しています。

・鍛造の粗さや形状の古さから考えると、1950年代の製品だろうと思います。

・候補としては1953年のダットサンデラックスセダン(DB5)や1956年のダットサンセダン(113)、1958年のダットサン1000(L210)あたりが対象だろうと推測しています。(車載用 or 整備工場用?)

※1950年代の日産車については、日産公式ページのこちらにて。(何故か英語版のみ)

↑左からDB5(1953年~)、113(1956年~)、L210(1958年~)

 

★ロゴについて

『太陽の赤い丸+横長の青い長方形+白文字』のロゴは、DATSU⇒ニッサン⇒NISSANの順で戦前から使われ始めていたとのことです。(下の『ニッサン』ロゴの色付きは推定加工画像)

戦後も3種類共に使用されていましたが、1981年に"DATSUN"呼称が使用中止になり、また1983年には"NISSAN"エンブレムがメタル感のあるデザイン変更されています。

その中で、工具に刻印されているカタカナ"ニッサン"の使用期間については情報を見つけることが出来ませんでした。(赤青の色付きロゴの存在も確認できず)

"ニッサン"は車両のエンブレムとしては使われていなかったので、あまり情報が残っていないようです。

 

★商標について

最初に商標登録されたロゴは、ダット自動車製造(株)による 付き"DATSUN"で、1932年。

←ダット自動車製造による最初の"DATSUN"ロゴ

1934年に日産自動車が設立されて、翌1935年に文字だけの"ニッサン"と"NISSAN"、さらに1937年には同じく文字だけの"ダットサン"と"DATSUN"が商標登録されています。

また、 付きの"NISSAN"と"ニッサン"は戦後になってから1954年と1964年に登録されています。

なお、 付き"ダットサン"の商標登録だけが見つかっていません。

※具体的な商標登録資料は日産編の最後に掲載。

 

★スパナ長さとJIS

スパナ長さをJIS規格と比較してみました。

初期のJIS規格(1952年~55年)では下図のように両スパナの底部間距離(L)で長さを規定していて、掲載している『ニッサン』スパナの14x17で見るとL=125mm±6%⇒118~133mmになっています。

一方、実際の『ニッサン』スパナは119.9mmであり、JIS規格に合致しているのが分かります。

スパナ部厚みも、規格7~8mmに対し、『ニッサン』スパナは7.9mmとJIS規格内です。

したがい、JIS規格に合致しているのに、JIS表示が無いことから、昭和スパナがJIS認証を取得した1952年以前の製造と考えることも出来ます。

 

↑昭和スパナの自社ブランドSDFモデルとの比較

・左側のスパナ(17mm)を同一サイズにして置いていますが、スパナ形状が完全に同一であるのが分かります。

・昭和スパナのサイズは17x19で、JIS規格上の長さ(L=130mm±6%⇒122~138mm)で見ると、L=138.8mmになっていて、若干ながらオーバーしていますが、JIS規格に合致していると言っても差し支えないと思います。

・したがい、カタカナ『ニッサン』は、日産向け専用鍛造型では無く、昭和スパナ自社ブランドを利用したOEM品となります。

・自社ブランドで、かつJIS表示が無いことから、自社ブランドは1952年以前の商品と推測しています。(この商品は丸型スパナですが、さらに古い卵型タイプがあり、卵型が1950年前後の昭和スパナ第1号商品と考えています)

 

↑大小の4本、スパナ部の大きさが時代を感じます。

 

 日産-2 

by 昭和スパナ(会社ロゴ  より)

・同じカタカナ『ニッサン』でインチサイズのタペットレンチもあります。

・形状や古さから上の日産-1と同年代のモデルと思います。

・オースチンエンジンを参考にしてインチねじの使用を継承したまま自社開発したストーンエンジンが搭載されたL210(1958年~)用のディーラー整備工場工具と推定します。

 

 日産-3 

by 昭和スパナ("SHOWA SPANNER"より) with JIS-N

・カタカナ『ダットサン』の存在が確認できました。

・大径サイズ、クロモリ鋼であることから、車載用では無く、整備工場向けと思います。

・スパナ形状の古さからカタカナ『ニッサン』(日産-1)が先で、次の世代として後から『ダットサン』が出てきたのだと推察します。

・工具メーカー表示として  では無く、"SHōWA SPANNER"が使われているのは珍しいです。

・昭和スパナは二輪の旧車メグロにも同様の大径クロモリを納入していますが、メグロにも"SHōWA SPANNER"を使っていますので、同一モデルだと思います。

・メグロは1964年に倒産していることから、このモデルは1964年頃またはそれよりも以前のモデルと言うことになります。

↓【参考】メグロ向け昭和スパナ製クロモリ

 

 日産-4 

・上の日産-3に対し、会社ロゴが通常の  版。

 

 日産-5 

by 昭和スパナ(形状同一性より)

・スパナ形状がやり型になっていて、JISでやり型が規定されたのが1957年であり、それからやり型が一般的になっていきますので、1960年代に入ってからの商品だろうと思います。

・製造者記号が無く、無印となっていますが、昭和スパナの自社ブランドSDFモデルと比較すると、全体形状や全長、スパナ部が完全に同一であることが分かります。

・したがい、パネル形状は異なりますが、同じ図面で鍛造型を興したのは間違いないと思われることから、無印モデルも昭和スパナ製と断定します。

↑昭和スパナの自社モデル(写真上)との比較

・完全同一なのが分かります。

 

★文字無しロゴについて

日産-5は、文字無しロゴが特徴になっています。

ロゴ内のNISSAN文字が小さく、読み取りにくいことから、丸と長方形のデザインイメージだけで日産ロゴを認識して貰おうとの意図があったのかもしれません。

文字無しロゴは、1937年に商標登録されています。

 

 

 日産-6 

NISSAN文字付き by 昭和スパナ

・日産ロゴ内にNISSAN文字が刻印されているバージョンもあります。(これが一番ポピュラー)

・スパナのやり型形状とんがり部分が微妙に異なるものの、全長も含めてほぼ同一ですので、これも昭和スパナ製と断定します。

・裏面は、製造記号以外は無刻印です。

 

・日産-5は、同じく昭和スパナOEMのニッサルコ向けとやり型スパナの形状が完全同一です。

・したがい、とんがり部分の微妙な差ではありますが、昭和スパナのやり型形状には2種類あることになります。("やり型-1"と"やり型-2")

↓"やり型-1"(日産-5)と"やり型-2"(日産-6)の比較

 

↑↓NISSAN文字入りロゴには胴長断面形状が丸みを帯びたモデル(写真の下側)と角張ったモデル(上側)の2種類があります。(共に"やり型-2")

・丸みを帯びたモデルの方がポピュラーです。

 

・やり型でインチサイズもあります。("やり型-2")

・日産のどの車種用なのでしょうか?

・JIS規格の改定に伴ってやり型形状のスパナが登場するのが1957年ですので、オースチンニッサンやストーンエンジン用のスパナだった可能性も否定できません。

・カタカナ『ニッサン』や『NISSAN』ロゴの採用期間が分かると、生産時期が特定できるのですが。

 

 日産-7 

縁付き長方形ロゴ by 昭和スパナ("やり型-1")

・非常に希少ですが、ロゴの文字部長方形が縁付きになっているタイプもあります。

 

★NISSAN MOTORスパナのロゴ種類別割合

ロゴ3種類とミリ/インチのマトリックス6種類が、どのくらいの割合で生産されていたのかを簡易にチェックするため、冒頭で紹介したヤフオク"Kamii_1225"の出品数を確認しました。

全109本の内、6割以上がミリサイズの  でした。

そして、インチサイズも意外にあるようです。

ちなみに、写真で見る限りですが、全数が昭和スパナ製(フラットやり型)でした。

 

他の自動車メーカーを見ると、意外にJIS認証を受けた車載スパナが多く見られます。

昭和スパナもJIS認証を受けていますので、JISマーク付きにすることは可能です。

ただし、車載スパナがJISマーク入りであろうが無かろうが、はたまたどの工具メーカー製であろうが、自動車本体のセールスに影響を与えるとは思えませんので、安価にするために無印にしたのは正しい判断だと思います。

JIS付きでは無いことから、鋼材やメッキ仕様等のグレードダウンが可能になります。

なお、他社も含めて車載スパナの大半は無印ですが、無印の製造元が明確にできたのは日産自動車と後述のトヨタの2社だけです。

 

1990年代に入ってからはより各社の車載スパナは安価なアジア製に移行したと思いますので、昭和スパナ製無印は1960年~1990年頃の商品と推定します。

ちなみに、1968年時点で昭和スパナの売上げの半分以上がOEM商売だったとのデーターがあることから、昭和スパナの屋台骨は日産自動車への出荷で支えられていたであろうことが分かります。

このことが、1990年頃の昭和スパナの廃業につながったと推測しています。

 

 日産-8 

・昭和スパナに近似したSANKI/北陽産業製と推定(形状同一性と"S"マークより)

・非常に少数ですが、凹丸パネル版があります。

・日産ロゴが、中央位置からずれていたり、傾いていたりで、作りがかなり雑です。

・ロゴは、NISSAN文字が入っていない簡易版です。

・生産メーカー表示の無い無印ですが、フラットパネル版を日産に納入していること、やり型スパナ形状が日産-6のやり型-2に近似していることから、これも昭和スパナ製の可能性を検討すべきです。

・ただし、裏面左側の大きな"S"刻印は、下の写真の通りSANKI(SUNKEY)/北陽産業の典型的なスタイルですので、この日産-8は北陽産業が日産に納入したものと思います。

・なお、下のSUNKEYスパナには、裏面に"KB"マークが入っており、これはKBS/小林工具製作所の製造者記号です。

・したがい、下のSUNKEYはKBS製で間違いありません。(北陽産業はJIS認証を受けていませんので、JIS付きは自動的に外部に生産委託したモデルとなります)

・一方で、日産-7は、前述の通り昭和スパナ製に近似しています。

・話が長くなりましたが、このモデルの成り立ちを以下と大胆に推測します。

*1990年頃の昭和スパナ廃業に伴い、日産への車載スパナ納入を北陽産業が実施。

*北陽産業は昭和スパナから鍛造型を引き取り、それを第3社の工具会社に生産委託し、"S"マークを入れた完成品を北陽産業製として日産に納入。

(検証した事実を積み上げて、最後は大胆に予測するのが好きです)

・発注者、受注者、生産者の3者が異なるのは工具業界では良くあることのようです。

・このスパナの場合は、推測として発注者:日産自動車、受注者:北陽産業、生産者:昭和スパナ製造の鍛造型を使った誰か。

↓SUNKEYオリジナル、裏面左に"S"マーク、右に"KB"マーク

 

・日野のSANKI製です。

・上のSANKI/SUNKEYオリジナルと近似しているのと同時に、その上の日産-7とも近似しています。

・この日野にも裏面左に"S"の刻印が入っています。

 

 日産-9 

by 大阪鍛工(製造者記号  より) with JIS-H

・JIS-H/強力級ですので、車載用では無く、日産ディーラーの整備工場向けと思います。

・日産スパナの中で製造者記号&JISマーク入りは珍しい存在です。

・SNCM…クロモリ

 

 日産-9 

日産プレジデント 第3世代JG50型(1993-2003年) 

by KTC(商標"MIRROR TOOL"より)

・KTCミラーツール使用のOEMで、裏面に"PRESIDENT"と車名が刻印されています。

・プレジデント専用のロゴ入りプラスチックケースに他の工具と共に納められ、リアトランクリッドの裏側に取り付けられていました。

・車載工具としてコンビレンチが採用された例は世界でも数例で、私が知る限り5社だけです。(日産、フェラーリ、メルセデス無限/NSXで計画のみ、さらにオートバイでホンダHM/CB125

・したがい、このプレジデントと次のインフィニティー・コンビレンチは非常に貴重な存在です。

 

 日産-10 

日産インフィニティーQ45 日本向けG50型 (1989-1997) 

by KTC(商標"MIRROR TOOL"より)

・上のプレジデントと同様にKTCミラーツールを使用し、裏面に車名の"INFINITY"と専用ロゴが刻印されています。

・ケースはプレジデントと同じですが、表のロゴが"INFINITY"に変わっていますので、専用ケースになっています。

・日本向け専用だったようで、アメリカの方からは『私のINFINITYには付いていなかった』と連絡がありました。

 

 

 日産-11/幻の日産スパナ 

幻と思っていた戦前の日産スパナ(たぶん池田工業製)を見つけました。

商品解説のトップに載せてあります。

池田工業/IKKのホームページに『1942年5月 日本発条(株)を通じ、鍛造スパナを陸、海軍工廠及び日産自動車へ納入』と説明されています。

このことから、戦前に日本発条のOEMとして池田工業が日産自動車にスパナを納めていたことが分かります。

"ニッサン"が刻印されていたかは情報がありませんが、戦前のスパナを集めている身としては、是非とも探し出したい逸品です。

 

★登録商標(登録順)

↑1932年 by ダット自動車製造

 

↑1935年 同時登録

 

↑1937年 同時登録

 

↑1937年 社章、同年 文字抜きロゴ

↑1939年 付き"DATSUN" 

※ 付き"ダットサン"の商標が見つかっていません。

↑ここまで戦前

↓ここから戦後

 

↑1954年と1964年 付きの"NISSAN"と"ニッサン"

 

 

 2)プリンス自動車工業  Wiki歴史

 プリンス-1 

by 昭和スパナ(会社ロゴ  より) with JIS-N

・昭和スパナ製を示すSDFロゴが表示され、かつJIS-N/普通級になっています。

・サイズから見ると、車載用では無く、整備工場向けのようです。

・整備工場向けは、硬度と精度を重視して、JIS付きになるのかと思います。(日産も同じ)

・日産自動車への合併は1966年ですので、この製品は1966年以前の生産となります。

 

 プリンス-2 

・上のプリンス-1に対して裏面に丸Kと書いてあるように見える変わったロゴが刻印されています。(刻印写真の右側は、私が推測して作ったロゴです)

・他の日産モデルや昭和スパナのモデルでこのロゴは見ませんので、何を示しているのか不明です。

・全体形状が他の昭和スパナと同一ですので、少なくとも他の工具メーカーへの再委託を示すものではないでしょう。

 

・プリンス-1(写真内の上)とプリンス-2(下)を比較してみると、プリンス-2の胴長右側が少し幅広になっています。

 

 プリンス-3 

・フラットパネルには黒色メッキモデルもあります。

・いわゆる産業向けモデルに見えますので、ディーラー向け工具かと思います。

 

 プリンス-4 

・フラットパネルには製造者記号が無く、工具メーカーが不明のモデルもあります。

・スパナが丸型では無くやり型になっていますので、上のプリンス-1~3よりも世代が新しくなった製品と思います。

・スパナ形状ならびに幅広な胴長を見ると、昭和スパナ製では無さそうです。

 

 プリンス-5 

・昭和スパナの凹尖りパネル版です。

・JIS-S(スパナやり型)になっています。

 

 プリンス-6 

by LONG?、凹尖りパネル、JIS無し

・昭和スパナ製では無く、裏面の楕円内に"LONG"と刻印されています。

・1965年にJIS認証を取得している大内鐵工所製。

 

 プリンス-7 

・JIS無し、凹丸パネル

・裏面左側の"S"よりSANKI/北陽産業製と思います。

 

★商標登録

 

 

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最近の車載スパナはどうなっているんだろうと自分の車を見てみたら、15年前のマツダと3年前のスバルにはどちらもスパナが搭載されていませんでした。

2000年に入ってからほとんどが製造者が分からない無印になったのは知っていたのですが、車載スパナ自体が無くなっていたんですね。

 

 

この回、終わり

自動車用スパナ 全6編それぞれのページには、こちらから