MUGEN
無限
【試作品】
KTC特注品の中で際立った存在が"無限"向けのミラーツールです。
幻に終わった無限NSX(冒頭写真)のリリース時に車載されるはずだったと推測しています。
これまで、ブランドKTCとして取り扱ってきましたが、無限のオーダーに基づきKTCが生産し、無限がユーザーに配布したものですので、ブランドは無限ということになります。
無限の特注品(23点セット)は、1992年のワンロット限定生産だったとのことで、超希少品になっています。
表面に"MUGEN 無限"の刻印があるだけのあっさりとしたデザインですが、『無限の漢字刻印に苦労した』とKTCWeb内の記事で紹介されています。
ちなみに、裏面にはミラーツールと同じでKTC SYSTEM GOODSと刻印されています。
残念ながら私は入手出来ていません。
1回だけヤフオクで入手の機会がありましたが、40万円という余りの高額に手が出ませんでした。
替わりにと言うわけではありませんが、ひょんなことから試作品を手に入れています。
希少さという意味では試作品の方が貴重でしょうから、ちょっと自慢です。
無限MUGEN 試作品
私が入手した試作品です。
入手した時は待望の無限MUGENが手に入ったと喜んでいて全く気が付かなかったのですが、ロゴの"無限"と"MUGEN"の順番が異なります。
↑試作品:MUGEN+無限
↓正規品:無限+MUGEN

さらに、漢字"無限”の刻印が異なっています。
字体デザインは全く同じですが、KTCサイトのモデルは、無限という文字の周りが掘られていて、無限の文字自体は周りと同じ面の高さになっています。(いわゆる中抜き文字)
一方、私が手に入れたモデルは、無限という文字そのものが刻印されています。
写真左側が試作品、右側は中抜き文字

もっと良く見ていくと、無限の"限"の漢字が1画足りません。(赤で示している"はね"が無い)
まがいものを手に入れてしまったかと思ったのですが、以下に検証の通りKTCのミラーモデルをベースにしていることは明確です。
さらに確認の結果、試作品であることが分かりました。
KTC Web内の記事に紹介されているように何回も試作を重ねて完成させたとのことで、私が手に入れたのは無限と打合せ行う前のKTC社内検証用の試作品だったようです。
この試作品を元に、"MUGEN"と"無限"のロゴを商標通りに前後入れ替え、限の1画洩れを正しく修正し、さらに"無限"のロゴを『苦労して試作を重ねた』という中抜き文字に変更したうえで無限に納入されたと理解しています。
↑↓表面、裏面共に上段が試作品、下段が普通のミラーツールです。

スパナ、メガネ共に左側が無限モデル、右側が普通のミラーツールです。
メガネの加工部からも同じ製品であることが分かります。
サイズ14mm寸法比較(ノギス計測)
※実測値は通常5%程度はばらつくため、異なる3本を計測しています。
形状のみならず各寸法からも無限モデルはミラーツールと同一であることが分かります。
なお、無限モデルの詳しい商品説明はKTC-2 特注品の中で既に書いていますので、以下にそのまま転載します。
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23点の工具が専用布ケースに入ったセットになっています。
写真には22点しか写っていないように見えますが、一番左のエクステンションバーが2つに分かれるようです。
無限は何を目的としてこの特注品をリリースしたのでしょうか?
私の個人的な推測は以下の通りです。
1992年に無限は、エンジンを320HPに高出力化し、70kgの軽量化(アウターパネルのカーボン化)を行った"無限NSX"を企画し、開発は完了。
無限が販売するにあたって特別な車であることの証の1つとして"無限NSX"専用の車載工具を車両開発と同時並行でKTCに発注したのが、このKTC無限特注品。
しかしながら、この"無限NSX"は市販されることなく、お蔵入り。
同時期にホンダ自身が開発していた"NSX Type-R"とのバッティングを避けるためと推測。
結果としてKTC特注品は行き場所が無くなり、ホンダ車両と無限パーツのユーザーに配布(販売?)。
※前述のヤフオク出品者に確認したところ、元々無限パーツを頻繁に購入していて、さらにHONDA S2000の新車購入時にホンダディーラーから入手したとのことでした。
車両と同じく幻となったモーターマガジン記事がWebに載っています。
↑↓無限NSX 開発車両
フロントとリアのアウターパネルが、アルミからカーボンに変更されています。
ホンダ自身が1992年にリリースしたNSX Type-R
アメリカの工具フォーラムで私のKTC特注品アップに対して質問を受けたのが無限NSXについて調べ始めたきっかけで、その時の英語回答が以下です。
There is the story of this product.
I am just guessing this set was planned to install Mugen NSX around 1992, which had carbon composite outer panels, tuned engine and chassis with saving weight 70kg.
Unfortunately, this Mugen NSX was not released, even almost finished to be developed.
Maybe batting with NSX type-R was considered, which was released same year 1992.
KTC Mugen special edition had been developed at the same time with Mugen NSX development.
Finally this set was sold to Mugen & S2000 customers by HONDA.
I am not familiar to NSX, because at that time I had not stayed in Japan (stayed in Texas/US).
Sorry if I am wrong.
I have presumed it from the special web magazine by KTC (only in Japanese).
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★他のKTC特注品とブランドについて
自動車メーカーの刻印が入ったKTC特注品は多くありますが、コンビレンチのブランドとして認定できるのは今回の"無限"だけです。
他の商品は特注依頼先の会社名も刻印してあるものの、ブランドはあくまでもKTC(またはネプロス)であり、商品の顔である表面の中央にKTC(またはミラーツールやネプロス)の刻印が入っています。
そして、その脇または裏面に特注依頼先の会社名も刻印されている形になります。
・例-1 NISSAN プレジデント&インフィニティー/ミラーツール
PRESIDENTとINFINITYの刻印は裏面になります。
表面の中央は、あくまでもKTCブランドのミラーツールになっています。
・例-2 MAZDA/ネプロス
これもMAZDAの刻印は裏面になり、表面は通常のネプロスになっています。
・例-3 TOYOTA86/ネプロス
TOYOTA86向けの特注品で、これは判断に迷います。
表面の中央にTOYOTA86マークとNEPROSロゴの両方が入っていて、かつ通常の打刻刻印では無く、レーザープリントによる印刷になっています。
また、裏面にネプロス等の打刻刻印が入っていますが、これは本来表面に打刻しているものを裏面に打刻したものです。
表面も裏面も特別仕様になっていて、商品のスペシャル度合いはとても高くなっています。
ただし、表面の中央にネプロス(KTCブランド)の刻印があることから、ブランドはあくまでもネプロス/KTCと考えることにします。
セット品で高価なことから、リーズナブルな価格のものが出てくるのを待っていて、私はまだ入手していません。
しかしながら、スペシャル度の高さから、『コレクションに加えなあかんな』と思っています。
TOYOTA86の裏面。
"MIRROR nePros 5GQ KTC"の刻印は、通常品では表面に刻印されています。
この回、終わり























