スリー・ビルボード | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

子供はあまり得意ではない。

自分もそうだったということをふまえていうと、正直生まれたばかりの

赤ん坊なんてみな猿みたいな顔で、同じに見えて、母親に似てるも

父親に似てるもないものだと思う。

たまにドラマとか、出産密着ドキュメントとかで、目元がお父さんに似てるとか、

鼻がお母さんに似てるとか看護師さんがいっているが、他の赤ん坊との

違いがさっぱりワカラン。

(タモリやこち亀の両津勘吉も同じことをいっていた)

 

こういうこというと、子供を持ったことのない人間には親になった者の気持ちが

わからないのだとか、親にとってはそれでも可愛い存在なのだとか、いろいろ

お叱りをうけそうだけど、実際多くの人の正直な心の声としてはそれが妥当な

ところではないだろうか。

 

とはいいつつもベビーカーに乗っているくらいから幼稚園児くらいまでの

時期にかんしての子供はちょっと可愛いかもしれないと思う。

 

スーパーとかいくと、よくベビーカーを押した母親を見かける。

そこでベニーカーに乗っている赤ん坊と目があって、こちらをじっと

見てきたりするのだが、その目がよゐこの濱口みたいにクリクリしてて

ついこちらまで純粋な世界に引きこまれ、小さく手を振ってあげたり

してしまうことがある。

 

このころの子供は可愛いけど、これが小学生くらいになると生意気に

なってくるのだな、これが。だからあまり好きじゃない。

 

ああ、でも日清のカップヌードルにんにく豚骨のCMで、右下にいる

‘ひとりだけうまく踊れていない男の子’

は可愛い。

 

 

これ、たぶん、右下の男の子ひとりでやってても全然面白くないのだ。

ダンスできる3人に混ざってひとりだけできてないから目立って面白い。

 

ここ最近、に限らずかもしれないが、日清のCM戦略が見事。

耳に残るリズム系のCMが多いのだ。

決してかっこいいリズムとはいえない、むしろちょっとハナにつくといっても

いい。

とくにすこし前までやってた辛麺のCMも。

あのDJ風のロン毛の外国人とCEO風のスーツ姿の外国人が微妙なダンスを

するアレ。

 

CMっていうのは、どれだけカッコいいものを作るかでなく、たとえハナについた

としても観ている人間、聴いている人間の印象に残ったものを作るのが成功なのである。

 

サブリミナルという手法もあるが、あれは本当に効果があるのだろうか。

 

ずっと昔、アニメ「シティハンター」の中で、オウム真理教の麻原彰晃の顔が

数か所で一瞬だけ挿入されていたことが発覚し、社会的にけっこうな問題になった

ことがある。つまりはスタッフの悪ふざけだったと思うのだが、一瞬だからバレないと

思ったのだろう。

あれで洗脳された人間もおそらくいないだろう。

 

でも、一応長い間広告業に携わっていた人間として、テレビのCMや、街中にある

看板が実際にどのくらい注目され、またそれを観たことでどれだけの商品が売れているの

だろうと考えたことは多い。

 

あと、商品や場所そのものは見たことないが、看板ではよく見かけるというモノもある。

東京都多摩地区に住んでいる人間ならばわかると思うが、多摩地区を車で走っているとよく

「ホテル野猿」というラブホテルの看板を見かける。

それと最近だったら、「きぬた歯科」という歯医者の看板。

あまりにもいろんなところに設置してあるので、どんだけ稼いでいるんだとすら思う。

 

でも、冷静に考えるまでもなく「看板」というスペースは、それ自体が売り物、つまりは

商品なわけだから、契約した人間がどう使おうと、なにを書こうと自由なのである。

 

アメリカですこし前に話題になった映画『スリービルボード』をこの前観た。

 

 

 

 

 

 

――

アメリカのミズーリ州の田舎町を貫く道路に並ぶ、3枚の広告看板。

そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。

7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッドが、何の進展もない捜査状況に腹を立て、

警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や、町の人々から抗議を受けるも、

一歩も引かないミルドレッド。町中が彼女を敵視するなか、次々と不穏な事件が起こり始め、

事態は予想外の方向へと向かい始める……。

(amazonから引用)

 

主人公のミルドレッドは7か月前に何者かに娘をレイプされてそして娘は焼き殺された。

しかし、捜査はまったく進展せずで、ミルドレッドは警察署の署長を批判する看板をだす。

 

ちょっと違う角度からとらえたサスペンスだった。

結論からいってしまうと、いわゆる犯人探しがメインではない。

 

複雑に絡みあり、そして展開してゆく、人間同士の信頼や批判がメインテーマといえる

かもしれない。

 

サスペンスといえども、過激な描写とかはなく、人間同士のやりとりを中心に話が

二転三転してゆくので、しっかり観てゆかないと理解できなくなるかもしれないので注意。

 

個人的にはそこまでピンときた作品ではなかったけれど、評価はかなり高く、アカデミー賞

の部門賞もとった映画なので、ご興味ある方は是非観ていただきたい。