エイプリルフールだけど、ネタ話ではなく本当の話をひとつ。
普段使用しているカレンダーと手帳は予定が書きこめる形式のものであるが
サイズが小さいので、なにか細かい漢字を書きこんだりすると文字がつぶれてしまう
うえに、走り書きだと余計読みづらくなる。
しかもその予定が一か月くらい前に書きこんだものであるならば
たとえ自分で書いた文字とはいえ、なんと書いたか忘れてもしまっているのである。
けっこう昔の話だが、月が替わったので手帳を1枚めくってみたらちょっと先の
ある日の予定欄に「タモリ」と書きこんであった。
はて？ このタモリという予定はいったいなんなのだろうか。
思い当たることはないが、オレが書いた字であることに間違いない。
タモリは好きだけれど、メモして忘れないようにしようとするほど欠かさず観ている
彼の番組などないわけである。
いくら考えても、その日はなぜオレがそこにタモリと書いたのか思いだせなかった。
一日おいた翌日、手帳の同じページを見たらハッと思いだした。
その日はなにかの発表があるかで、新聞の夕刊をわすれないように買うよう
手帳に書きこんでおいたのであった。
つまり、
「タモリ」 ではなく
「夕刊」 と書きこんでいたのである。
走り書きのうえ、「干」と「り」の間が離れていたのでタモリに見えてしまい、
しかも一度タモリに見えてしまうともうそうにしか見えないのである。
このタモリ錯覚においては、誰だったか女性作家がまったく同じ経験をエッセイで
書いていて、えらく共感したと同時に笑ってしまった。
走り書きや殴り書きだと、どうしても行書体に近いクズシ系文字になってしまうので
いくら自分の字とはいえ、すこし前に書いたものだと読めなくなってしまうことがある。
このタモリ錯覚に似たようなことがつい最近もあった。
3月から4月に変わったとき、卓上カレンダーをめくったら、とある日曜日のところに
「有吉ゼミ」とオレの字で走り書きしてあった。
ご存じの人も多いと思うが、有吉ゼミとは有吉弘行がＭＣで出演タレントがデカ盛りや
激辛メニューにチャレンジするなどを中心にやっているバラエティ番組である。
はてはて？
たしかに家にいて、他に観る番組がないときは観ている番組ではあるが、特別気に
している番組でもない。当然わざわざカレンダーに書きこむこともないと思うし、
それ以前に有吉ゼミの放送日は日曜日じゃなくて月曜日である。
これまた悩んだ。
どうしてオレはカレンダーに「有吉ゼミ」なんて書いたんだろうか？
だが、その日の夜に燃えるゴミを外に出しにゆくとき、ゴミ袋を見てパッと思いだした。
そうだ。書きこんであった日にちは月に一度の蛍光灯や電池を回収する日の前日。
前日の夜のうちにゴミを出しておかないといけない。
つまり
「有吉ゼミ」 ではなく、
「有害ゴミ」 と忘れないよう書きこんでいたのである。
書きこむ枠が小さいので字も小さくなり、「害」が潰れてしまっていたのと、
「ゴ」はよく見れば「ゴ」なんだけど、かなりくずれていたうえ、前が「有吉」に見えて
うしろが「ミ」だから、インスピーションとして全体的に「有吉ゼミ」に見えてしまったのである。
夕刊とタモリ同様にもうそう見えたらそれにしか見えなくなってしまったである。
だからなんだといわれたらなんでもないが、おそらくみなさんにも自分で書いた
走り書きや殴り書きが、あとになって読めなくなったという経験はおありでは
ないだろうか。
大人になると書類などを作成するにしても、きっちりとした楷書体？で書くことが少なくなる。
また「門」などという字は簡略化された字で書くことも増える。
予想外に難しそうなので、まだ次のとき受験するかはわからないが、今漢検の
勉強をしているだけあって、文字を崩さずにしっかり書けるくせも身につけておかないと
いけないと改めて感じた今日この頃である。
せめて自分で書いた文字は読めるようにしておかないといけない。
今は書類作成もパソコンが主流、年賀状などの宛名も印刷が主流だけれど
時々自分の手を使って字を書いていないと、字って下手になってくるものだと思う。
字を書く習慣を忘れずに。
※この記事はタイマー更新です