切り絵アーティスト福井利佐展 むしたちのおとのせかい | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

ふだん土曜日、夜に家にいるときは出川の充電とか、ローカルバス乗り継ぎ旅

とかテレ東の旅番組を観て過ごしているのだけれど、先日のタクシー乗り継ぎ旅は

あまり惹かれないので、フジで放送されている「99人の壁」というクイズ番組のほうを

はじめてしっかり観てみた。

 

かつてのクイズ番組カルトQの流れを汲んでいるようで、それぞれ特定のジャンルの

知識を極めた知の巨人たちがクイズで競い合い勝ち残ってゆく番組だが、

まあ面白かったと思う。というよりもこちらも勉強になる。

 

彼女ら彼らのように、

「これについてだったら日本で他の誰にも負けない自信がある!」

というのがあるのは、正直羨ましい。

 

こういう企画を観ていると、ふと現実が襲ってくるときがある。

それについて、そこそこしっていたり、最低限自分の周辺の人間には負けないという

ジャンルはあるかもしれないが、いつ、どこから、誰がかかってきても負けない!という

のがオレにはひとつもない。

 

このブログの記事テーマにおいてもそれなりにジャンル拡大していってるつもりでは

あるが、それについても時々、

「ひょっとしてオレのやっていることは見聞や情報の開拓ではなくただの迷走ではないか?」

と疑問に思うこともある。

 

やはりどんな地味なジャンルでもいいので、誰よりも抜けてでる知識や才能や技術が

ひとつ欲しいとこである。

 

先日、「無能の人」という映画を紹介したが、今回紹介するのは明らかに有能な人の個展。

 

場所は『調布駅近くの調布市文化会館たづくり』の1階にある展示室。

 

 

『切り絵アーティスト 福井利佐展 むしたちのおとのせかい』

くわしくはココ

 

 

大変失礼ながらお名前は存じていなかったのだが、有名アーティストのCDジャケットや

ユニクロのTシャツ企画、桐野夏生その他小説の挿絵などでご活躍されている方らしい。

 

イベントはチラシでしり、8月末まで開催されているようだ。

入場無料で、個人的目的のSNSならば紹介もOKとのことでお伺いさせていただいた。

※そのお礼に最後ハッシュタグ。

 

調布はすぐ隣りの市だけど、この「たづくり」という施設は初めていった。

かなりしっかりした大規模な建物だった。

 

イベントをやっている展示室は奥のほうにあった。

 

 

ちょこんとした片隅くらいのスペースかと思っていたが、かなり広い。

そして奥ゆきがある。

他のお客さんが映る写真撮影はNGとのことで、会場全体の撮影は控えることに。

 

展示のメインは切り絵。

そして虫たちが鳴く声がホールに流れている。

 

けっこうな数の作品があったのだが、ここでたくさんやってしまうのもなんなので

いくつかだけ抜粋して。

 

こちらの作品は「ミンミンゼミ」

 

 

すごいなと思う。

 

色彩や観察力の才能だけじゃなく、やはり手先の器用さも大きな部分も占めている。

オレはいろいろあって昔から手先が不器用で、ガンプラのリックドムの目玉にプラカラー

とか塗ってもすぐ色がはみ出て汚くなっていたりしたから、こういう作業ができる人は

尊敬する。

五円玉で金閣寺作る人とか、つまようじの先でバナナを削ってトーテムポールつくる

人とか、歯磨き粉で鏡に絵を描く人とかも同様に尊敬。

 

出世や儲けに即つながるような資格とかはいらないから、こういう人を楽しませられる

ような才能が欲しい。マジで。

 

こちらはスズムシ2匹。

 

 

子供のころは近所の商店街の八百屋の片隅で透明の虫かごにはいったスズムシが

売られていて、かごの中で余りモノのきゅうりとかを与えられながら鳴いていたりした

ものだが、今は野生のスズムシよりも個人経営の八百屋さんのほうが絶滅危惧種に

近いかもしれないのが切ない。

 

下の作品は同じスズムシを一匹で。

ステンドグラスから飛び出てきたようだ。

 

 

 

虫をテーマにした美術だと、どうしてもフォルムが絵になる人気の虫ばかりとりあげる

傾向がありがちだが、福井さんは昆虫の生態においてそのへんは平等にしているのを感じる。

下はヒトスジシマカ。

 

 

うーん、足の長さやカーブがリアル過ぎて、見ているだけでカユくなってきそうだ。

ウナコーワ、じゃなければウナゼリーが欲しい(笑)

 

 

下はクロメンガタスズメ?という幼虫?芋虫?

それが鳥に襲われそうになっているのだが、虫のほうがカチカチという音をたてて

鳥を威嚇しているシーンの切り絵。

 

 

図鑑の特集や子供向けの昆虫アニメ(ハッチ)などでもなかなかスポットを浴びにくい昆虫

たちが紹介されているのは価値がある。

 

もちろん、王道で人気者であるカブトムシや天牛(カミキリムシ)などの作品も多数あり。

 

虫捕りのためなら、早起きも決して苦じゃなかった小学校時代の夏休みを想い出す。

 

決まってクワガタやカブトが蜜を吸いに集まっている大木があって、他の子供グループよりも

早くそこへいかないと先に全部捕獲されてしまうのだ。

だから本当に仲の良い友人と登校2時間前くらいに待ち合わせして、一緒に裏山へ向かう

 

2、3回だけタイミングが良く合って、クワガタとカブトを捕獲して心弾ませながら家に帰って

気分良いまま学校にいったときがあったが、あとは先に捕獲されたかタイミングが悪かったかで

カブトもクワガタもゲットできずの日々。

 

虫捕り好き子供の「あるある」が、いざその昆虫が集まる秘密の大木へいってみたら、

カナブンとスズメバチばかりいて、しょうがないからカナブンだけ捕って帰るというケースである。

 

で、帰ってから確認したら4匹獲ったカナブンのうち1匹がどこか逃げて行方不明になって

しまったが、10日後くらいに弱りながらも戻ってきたとか。←おいっ!だからそういう際どいネタはやめれっ!

まあ、-(のばし棒)が入ってないからいいか……(-_-;))

 

 

 

このイベントは絵本の発売に合わせた?もののようなので、絵本ができるまでの行程の

展示もあり。

 

 

絵本……。

芸人キングコングの西野も絵本の世界で成功したな。

 

オレも自分の世界観を絵本で表現してみたら? と勧められたことあるけれど

やはり絵の才能が乏しいから無理だわ。

 

蛇足だが、番組名は忘れたがちょっと前に放送していたサバイバル系の深夜番組で

まゆ毛でおなじみの女性タレント井上咲楽が、虫を食べながらゴールを目指すという

のをやっていた。

彼女がまた気持ちいいほど虫をパクパク食べるのだ。

 

彼女まだ19歳だそうで、これまで格別興味なかったけど、この放送観てタレントとしての

彼女がけっこう好きになった。

彼女は芸能界でこれからも生き残るだろう。