旅人 | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

 

 

熱狂的なファンの人からいわせると、メンバーそれぞれ個性があるので

みんな全員まったく違う!と御叱りの声を受けそうだと承知のうえでいわせて

もらうと、別にファンでもなんでもない人間からいわせてもらえばアイドルグループの

メンバーは骨格やパーツの造り的なモノからすごく大きく分類することができる。

 

たとえば「シブがき隊」の3人をはじめてテレビでみたとき、個人的には

2人が同じ顔でひとりだけが違う顔にオレには見えた。

 

この時点でひとりだけ違う顔が誰だったかということが伝わった人には

話が早く、いいたことがスムーズに伝わると思う。

 

V6でいえば、ふたりは同じ顔、もうふたりも比較的同じ顔、

残るふたりはそれぞれ独立した系統の顔というところだった。

 

昭和から平成にかけて露出してきて「デイブレイク」という曲でジャニーズファン

意外にも存在をアピールした「男闘呼組」。

 

ものすごく大雑把に分類すれば、同じ顔3人に違う顔ひとりという印象が強かった。

 

同じ顔と3人は、O本、M田、N田の3人である。

その3人も決して似ていたわけではないのだけれど、ものすごく大きくくくればどちらかと

いうと「中性的」寄りという意味で同じベクトルだったイメージだ。

 

だけど、ただひとり……

めっちゃくちゃ「男顔」のメンバーがいた。

いかにも松村雄基的な昭和の学園ドラマの硬派不良役が似合いそうで、攻撃的な

眉毛をした男性。

それが高橋和也である。

 

これをいうとJファンからいろんな声を浴びそうなので怖いのだが、正直オトコの多くは

嫉妬という感情も認めたうえでJアレルギーのようなものがある。全員とはいわないが。

 

なので、中学生時代に「ザ・ベストテン」を観ていて男闘呼組が「デイブレイク」とか

「TIMEZONE」とか「秋」とかでランクインして登場する姿をみていても、あまりいい気分は

しなかった。

 

だけど、あれからもうかなり時が流れて、今男闘呼組の高橋和也がテレ東系のドラマ

「日本ボロ宿紀行」に落ちぶれた歌手の桜庭龍二役ででているのを観ると、ものすごく

しっくりきているなあと思うことができる。

それは彼がニヤケていない昭和の男顔だからだといえようか。

 

ドラマ「日本ボロ宿紀行」の中でかつてヒット曲を飛ばしたが今はすっかり存在すら忘れられた

歌手・桜庭龍二を演じ、ドラマの中で毎回「旅人」という曲を歌う姿を見せている。

いわゆる劇中歌。

 

ドラマのエンディングテーマは別としてしっかり存在しているのだが、作中で流れるのと

予告が流れるときのBGMとして視聴者の耳に残るようさりげなく頻繁に使用されている。

明らかに意図的だと思えるが、認知度は本来のEDソング以上になっているんじゃないだろうか。

 

サブリミナル的な戦略もあるのだろうとは認めたうえで、やはり劇中歌というのは効率的で

あり、必然的に耳に残りつつあるものである。

 

石原裕次郎と渡哲也が主演していたテレビ映画「西部警察」。

今だとぜったいにありえないが、小暮課長こと石原裕次郎が仕事時間中である真っ昼間から

いきつけのバーのような場所でワイングラスを傾けながら飲んでいるシーンが毎回流れていた。

 

カットがそのバーのシーンに入る際、そこの専属女性シンガーのギター弾き語り

映像から入るのだが、決まって女性シンガーが

「男は恋だから~♪ 」(もしかしたら歌詞微妙に違うかも)

と歌いだすところからはじまる。

 

その歌はあくまで劇中歌であり、のちのCDでいうシングル化とかシングルカットとかされた

という例はないと思うけど、やはり、毎回ドラマを観てたら自然と鼓膜に歌詞がプリントされていた

ようにおぼえていた。

 

劇中歌の刷り込みというのは、場合によっては主題歌やED曲よりも視聴者へインパクトを

与える力が強い。

 

「日本ボロ宿紀行」の中で高橋和也演じる桜庭龍二が歌う「旅人」もこれはこれでいいなァと

思っていたが、ボロ宿紀行も来週が最終回らしい。

 

放送開始前は、あの本をどうやってドラマ化するのかと思っていたが、観てみたら

けっこう良かった。

内容が通好みでマニアックだけに深夜だからこその設定とドラマ仕立てだが、決して悪くは

なかった。

 

高橋和也のプライドが高いながらも人情味があふれる役もよかったけど、主役のオンナのコ

もなかなかだ。

 

来週で最終回か。

穴場をテレビで紹介されるのも複雑だったけれど、オレが実際いった長野の井出野屋旅館と

熱海の福島屋旅館も是非舞台にして撮影して欲しかった気もするなあ。