いい灯 旅立ち④最終日・かわじいの川治温泉 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

ダーク・スナフキンが歩く冬の栃木旅行記も今夜が最後。

 

翌日は朝6時くらいに目が醒めた。

目をあけると、いつもとは違う見慣れない天井があるこの瞬間は好きだ。

 

布団からでて、一階におり外にでて、ひんやりとした山の空気の中、

雪景色を見ながら朝風呂に入る。

ああ、余裕があればもう一泊くらいしたいものだ。

 

 

7時くらいに朝食。

 

 

食べ終えて一休みしたら片付け、一晩お世話になった部屋に一礼して

宿をチェックアウト。

女将さんはじめ、宿の皆さんとても優しく見送ってくれた。

 

バスで湯西川温泉駅まで戻り、そこからひとつ前の川治湯元駅までおり、

川治温泉へ寄ってみることにした。

 

電車が来るまでは時間がかかったが、来て乗ってしまえばひと駅なので5分ほどで

到着。時間は午前11時前。

 

川治温泉のキャラなのだろうか。

駅前では「かわじい」がお出迎え。

 

 

あまりしらなかったのだが、この川治湯元駅にも雰囲気ある安い温泉があるというので

そこへいってみることにした。

 

もちろん、前もって多少の下調べはしたのだが、サイトもたくさんあり、古い情報と

新しい情報がいりまじっていて混乱。

もう、いいや、いっちまえ!と思って向かったのがのちの後悔につながる。

 

駅から15分ほど、てくてくとあるき、変電所のようなところの近くを通って道なりに

すすんでゆくと、それらしき施設が見えてきた。

 

あった。ここが有名な「薬師の湯」だ。

 

 

しかし……

なんとなく建物周辺はおろか建物の内部からも生命体反応が感じられず。

そして入口のドアにはお知らせの貼り紙が。

 

見たくないけど見るしかない。

 

「冬季の営業は午後2時から」

(普段は午前10時から)

 

なぁにぃ~~!!

やっちまったなァ!!!!! ←(懐しい)祭

 

今は11時。3時間待てば入れるがそこまで時間潰すのはキツイ。

14時まで待って浸かったとしても、それからだと帰宅できるかわからん。

 

そうか。

その時間情報も一応目にはしていたが、古い情報だと思ってしまった。

ところがそれが最新情報だったとは。

 

3時間の調整はきびしいので断念。

 

せっかくだから周辺だけでも見学してみた。

 

向こうに見えるのが有名な露天。

あちらは冬季完全閉鎖。おそらく寒いため。

 

 

ただ、お湯には入れなかったけど、このへん一帯の雰囲気は湯西川とはまた

違った温泉街として、なかなか風情があり素晴らしい。

 

 

温泉に入る予定だった時間が浮いてしまったので、温泉街のほうも散策。

 

街道を歩いていると、営業しているのかわからない店のガラスにこんなポスターが。

 

 

一見、オロナミンCのように見えて違う。

 

ハイクロンA??

聞いたことないな。

なんだかジャッキー・チェンの映画のタイトルにありそうだ。

あれはサイクロンZと、プロジェクトAか。

 

こちらは川治温泉の名所のひとつである「おなで石」

なんでも霊石だそうで、説明書きによれば、なでなですればパワーが宿るらしい。

 

 

施設名は失念したが、無料休憩所もあった。

中に入ると、地域を紹介するパネルなどのほか、なぜか仮面ライダーの人形なども展示。

 

 

そして、この周辺を歩いていたら、近くに足湯があるらしいことをしった。

「かわじいの湯」というそうだ。

 

せっかく川治湯元で下車したのだから、浸かれる湯があるならば浸かりたい。

この際、足湯でも十分だ。

そう思い、案内板の導く方向へ。

 

あった。きっとアレだ。

 

 

いざ、足湯へGO。

 

しかし、なんだか胸騒ぎがする……

バレンタインデーの放課後の教室で、男子高校生が感じる鼓動が高まるような

明るい胸騒ぎではなく、毎回毎回オレが向かう先でいつも待ち構えていることを

しらせるアラームというか、虫のインフォメーション的な妙な胸騒ぎが……

 

 

 

うーん、やっぱりな。

やはりオレの行く先として、もっともふさわしいオチがここにも仕掛けられていたか。

よく、「そういう運命の星のもとに生まれて――」とかいうけど、オレの運命の星も誰か

コリン星みたいに爆破してくれればよかったのに。

フリーザさまにお願いすれば、惑星のひとつやふたつ簡単に消滅させてくれるかもしれん。

 

そういうことで、少ない列車本数の中わざわざ途中下車した川治温泉。

浸かった温泉はゼロ(笑)

 

適当にふらつき、時間も余っていることなのでひと駅先の川治温泉駅まで歩くことにした。

 

周辺には想像以上になにもなかったが、川治温泉駅はなかなかよかった。

 

 

有人駅で窓口にはおばさんがいた。

 

乗り込む列車が来るまで約1時間。

スマホはいじらない。図書館で借りた乾くるみの短編集を読んで、のんびり待つ。

 

 

14時前。

普通列車到着。

ここからまた6回くらい乗り換えながらの長旅になるが、焦らずゆっくり景色でも見ながら帰ることにする。

 

やはり特急料金車両は使わない。

そんな普通列車旅を「4時間以上も電車に乗らないといけない」と捉えるか、

それとも「4時間以上も電車旅を味わえる」と捉えるかは、その人間次第だ。

 

田舎道の中を走る一本の線路。

その線路の上を走るオレの乗る電車。

 

線路沿いで、先生に引率された幼稚園児が電車に向かって手をふっている光景に時々出逢う。

ものすごい速度で駆け抜ける特急の車内からだと、そこで手を振る子供たちの表情はあっという間に

後方へと流れて消え、確認することができないだろう。

 

でも、のんびり走る普通列車に乗っているオレからは、電車に向かって手をふる子供たちの

楽しそうに笑う表情が確認できる。

打算と保身にまみれた大人たちがずっと昔に忘れてしまった純粋な笑顔をそこに見ることができる。

そういう場面に出逢うことも含めてこそが旅の醍醐味だと思っている。

 

「北の国から」はまともに観たことないけど、俗にいう倉本聰的な説教モード文章になりそうだから

記事文章をちょっと軌道修正しよう(笑)

 

途中駅で、なんと期間限定で走行しているSLの通過待ちが!

 

これには乗っていた人たちもいったん外にでて、ホーム反対側にカメラを向ける。

やがて、近づいてくる気配。

そして汽笛。

 

ホームで来るのを待っている人たちのために、あえて汽笛を鳴らしてくれるところにとても

温かみを感じてしまう。

 

そしてSLがホーム反対側を走ってゆく……

 

 

SLをはじめて見たわけじゃないが、やはり見ると胸が高鳴る。

 

何度見ても、頭に浮かぶのは銀河鉄道999。

 

これに乗ってゆけば、惑星プロメシュームまで連れていってくれて、そこで

‘機械の体’を手にいれられるかもしれない。

 

オレ個人としては‘機械の体’はいらないが、リアルに‘鋼のメンタル’を与えて

くれる惑星があれば、そこへ旅立ちたいものだ。

‘鋼のメンタル’も‘機械の体’もいらないけど、‘美しい顔’が欲しいという方は

湘南美容外科にいっていただければそれで済むと思われる。

 

そんな長旅も無事終わり、夕方には地元へついた。

 

夕飯は地元の日高屋で「W餃子定食」をガッツリ。

 

 

いや、やっぱりね、栃木ゆくだけにどこかで餃子くいたいなって感じで

夕飯の気持ちは完全に餃子にいってしまっていたし、胃袋も餃子の形に

なってしまいそうなくらいだったのだ。

 

それで前も栃木方面の温泉にひとり旅いった時、たしか宇都宮も通ったような

気がして今回も前もって路線調べたんだけど、その時は同じ栃木でも黒磯方面

だったから宇都宮を通っていたのだった。

 

今回はそれよりも西寄りの路線だったため、同じ栃木でも宇都宮は通らなかった。

せっかくだからちょっと遠回りして寄るってことも考えたけど、時間的にも料金的にも

かなり足がでる計算だったので諦める代わりに、地元に戻ってきてから日高屋で安く

食べることにした。

 

そんなところで、今回の「いい灯 旅立ち」シリーズは終了。

 

最後までしっかり読んでお付き合いいただいた読者さまには感謝。