いい灯 旅立ち①平家の隠れ里に消ゆ | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

前まではテレビつけてもフリンの話題ばかり。

今はテレビつけてもゴリンの話題ばかり。

 

誰が誰と不貞働いたとか、誰がメダルを獲ったとか、赤の他人の

人生を気にするほどオレは自分の人生に余裕がない。

 

オレはオレの人生を考えて生きて楽しまないと。

そういうことでちょっくら東京から‘湯’避行(とうひこう)で蒸発しにいってきた。

 

いやいや、実をいえば前から企画していて、本当は1月終わりか2月入ってすぐ

くらいにゆきたかったのだけれど、前にも書いたとおり人と会ったりする予定その

他いろいろあり調整して、今になりやっといけたのだ。

 

目的は日光の奥の奥。

約6年前に一度いった時、その時泊まった宿の感じイイ男性従業員の方から

「今度は2月か3月に是非来てくださいね」

といわれたので、また再訪しようと思いながら、6年が経過した今やっと再びその

地に向かっている。

もちろん、明確な目的ありだ。

 

スペーシアしらずのオレはもちろん普通列車の長旅だ。

ネットで検索したら、今は東武の快速「AIZUマウントエキスプレス」というのがあって

普通列車料金で乗れるとのこと。

乗り換えを重ねて下今市駅でそれに乗って目的駅まで向かうことにした。

 

これがその「AIZUマウントエキスプレス」の車内。

オレが乗った2両目はフツーの車両だったが、それでもシートは特急車両シートみたい。

撮影だけした1両目は演出が凝っている。

 

 

わずか2両編成にもかかわらず、車内販売までしている。

あまりに小奇麗で特別感があるため、本当に普通乗車券だけで大丈夫なのか

心配だったが、問題なかった。

 

家を出て、普通列車に揺られ約4時間。

目的地まで連れてってくれるバスがでている駅に到着。

 

湯西川温泉駅。

 

 

国内でも珍しいと思われるトンネル内にある温泉地の駅。

6年前、はじめてこの駅に来た時はとても新鮮に感じたものだ。

いやあ、懐かしくて感動する。

 

ホーム内の演出も好きだ。

作り物だけど、なかなか見られない灯火の演出はニクイ。

 

 

地上の改札にでるには、エレベーターは光のトンネルという階段を使う。

 

 

 

前回来たときは平日だったこともあるが人がまったく居なかったのに、今回はやけに

下車する客が多い。

 

なにより外国からの観光客の姿が前回よりもかなり目立つ。

「ユーは、なニシに湯西ガワへ!?」

と訊くまでもなく、目的はおそらくオレと同じだろう。

 

とりあえず地上へ。

 

野岩鉄道・湯西川温泉駅は道の駅・湯西川と一体化している。

 

 

この外観も懐かしい。

周辺には何もないが、その自然は広大で絶好の撮影スポットだ。

オレらをここまで連れてきてくれた鉄道は、この鉄橋を渡って、

会津方面へと走ってゆく。

ここで撮影する鉄ちゃんは多い。

 

 

湯西川温泉駅という名はついているが、温泉街まではここからバスで30分くらいのところに

存在し、ちょっと離れている。

バスは1時間に1本くらいだ。

 

駅に到着してすぐに乗れるバスもあったのだが、売店で見たいものもあったり予想以上に乗客が

多かったので、1時間後のバスに乗ることにした。

それまではここでちょっとゆっくり長い電車旅の休憩。

 

もうすぐ次の便が来るというころになって、前もってトイレにいっておく。

こちらは男子トイレの小便器の前の貼り紙。

人生生きてきて、ここまで高尚で心落ち着かせる下ネタを見たことがない(笑)

 

 

そしてバス到着。

 

早めに立って並んでいたので、すぐ好きな席に座れたがそのあとすごくたくさんの人が来るわ

来るわ(-_-;)

 

これだけの人がこの道の駅の中のどこにいたんだ!ってくらいバスの中に流れ込んできて、

あっという間に乗車率120%くらい。

ちなみにこれは臨時便らしく、そぐあとに続いて湯西川駅のバスが出てついてきていたが、

そちらも超満員。

前回と比べてちょっと甘くみていた。

 

雪の山道を30分ほど走り、バスは湯西川温泉街へと到着。

 

ここでも風景の懐かしさに再び感動する。

 

バスおりて正面に見えるのは「はたご松屋」。

 

 

以前来た時にもなんとなく気になって一度泊まってみたいなあと思った。

帰ってからオレの好きな活動家で作家の雨宮処凛(←リンク)の「なにもない旅 なにもしない旅」

という本をたまたま借りて読んだら、この宿に泊まったことを書いていてさらに停まってみたいと

思った。

 

 

ここもいつかは泊まりたい宿だけど、今回はここじゃない。

宿については次回で紹介。

 

宿に入る前に、久々に湯西川周辺を歩いてみた。

 

湯西川は壇ノ浦の戦いで敗れた平家が逃れた隠れ里である。

だから土地も日光の奥地であり、コンビニも当然なければ目立った建造物もない

静かな湯治場である。

 

俗化していない。

良い意味でなにもない。

 

だけど――

そこがとても気に入ってしまった。

だからまたやってきたのだ。

世の中の多くの人は、本当の心身のリセットというものをしらない。

 

流れる川、そしてその川沿いに並ぶ民家や旅館の風景がたまらなく好きだ。

橋の上からの風景。

 

 

そして反対側。

 

 

さて、そろそろ旅館へ。

 

②へ続く。