流鏑馬 -YABUSAMEー | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

「矢」にまつわるエピソードは多い。

 

実在はしていないといわれてはいるが息子の頭の上のリンゴを射抜いたウィリアムテルや

扇の的を射抜いた那須与一。

作り話ではあるようだが、毛利元就の3本の矢の話もあった。

 

すべて英雄的伝説というくくりで教科書などにもとりあげられているが、かのクレオパトラに関しても、

あと数センチ鼻が低かったら歴史は変わっていたとかいわれていたのと同様に、これらのエピソードも

もし、しくじっていたら語り継がれ方はきっと変わっていただろうと考えると、ヒネクレ者としては

面白い。

 

 

もし、ウィリアムテルがしくじって、息子の眉間に矢をサクっと刺していたら、これは

「なんでもどんどんチャレンジするな」という教訓の見本になっていたかもしれない。

 

毛利元就の3本の矢の話しも、もし兄弟のひとりが額に血管ピクピク浮き出しながら、全身全霊の力で

束ねた3本の矢をバキィイ!!と追っていたら、それは、

「人間なんて何人束になったって所詮無力。結束力も絆もすべてまやかし」

という解釈のエピソードになっていたかもしれない。

 

いや、もしかしたら当初はそういうエピソードだったのかもしれない。

それを昔の教育委員会などが「そんな結末は子供たちに夢を与えん!!」などといって勝手に

脚色してオチを変更した可能性も考えてみた。

 

だって、考えてみれば、今の時代はカチカチ山のような昔話や、グリム童話だって本来に筋書きが

残酷だからといって、最後がタヌキや鬼と仲良くなって終わるようにねつ造されているのだからね(笑)

 

ま、そのへんの真相はわからん。

 

ただ、ひとつはっきりいえることといえば、「ナスのヨイチ」が放った1本の矢はしっかり的中したけど

「アベのミクス」が放った3本の矢はすべて思いきりハズれたということである。なんのこっちゃ。

 

というわけで、今夜は「矢」の話。

 

6月11日の日曜日。

大國魂神社参道にて【第6回府中流鏑馬】というものが開催されるとの情報を前もって仕入れたので

これは是非見ておきたいと思い、当日現場に出向いた。

 

皆さんも小学校の頃、授業で習ったと思うが、流鏑馬(やぶさめ)とは、馬に乗って走り抜けながら

矢を放ち、的を射るものである。

 

府中でこんなイベントやっているとは知らなかった。

まだ6回目とのことだから、オレがまだ国分寺に住んでたあたりから新しく開催されるようになった

ようだ。

 

この日は府中マルシェというイベントとのコラボだったようで、けやき並木も露店などで大盛り上がり。

13時半からは神社から武者行列もやってきた。

 

 

通り沿いにあるデパート、フォーリス1階のイベントスペースでは流鏑馬に関するちょっとした

展示や撮影会もやっていた。

 

ちなみにこのスペースには少し前に演歌歌手でモノマネタレントの西尾夕紀もやってきて

新曲イベントをやって歌を披露していた。

歯医者の帰りに寄ったのだが、大人の色気がありとても美人だった。

 

 

 

流鏑馬開始は14時半からとスケジュール表には書いてあったが、予定より早く14時くらいに

開始された。

 

馬と射手は入り口(鳥居)のほうから、奥の本殿のほうへ向かって走り抜け、その途中2カ所に

的が設置されている。

 

オレが2つめの的のすぐ近くで拝見させてもらった。

 

競技は数チームでおこわなわれるようで、予選を勝ったチームが決勝へ進出するようである。

 

はじめて見たけどかなりの迫力。

そして馬の速度が思った以上に早い。

 

 

それだけにシャッタータイミングもすごく難しい。

 

馬と射手が画面中央に来た時に押しても、もう遅い。

フレームインしたと思った瞬間押したら、なんとか被写体が中央に来る感じだ。

 

これは馬もちょうど足を跳ね上げている時で、射手の手の形も矢を放ったすぐあとのかたち。

そして放たれた矢もすぐその前で平行に映っているショット。

 

 

ブレ具合が逆に躍動感を演出しているんじゃないかと自分にいいきかせてアップした(笑)

 

皆さん、けっこう的中されているけど、これってかなりの技術が必要なんだろうなと感じた。

 

ちょっとでも馬の上に乗った経験がある人ならわかると思うが、それって乗ってバランスとるだけでも

かなりの力と神経を使う。

 

それに乗って、ものすごいスピードで揺られ走りながら、腰の矢を抜いて弦にセットし、さらにそれを的に的中させるなんて、かなり難易度の高い技である。

 

「バランス」「セッティング」「ヒット」

この3つをすべて完全にやらないと成し遂げることが不可能な神技なのである。

 

それでも的の中央を射抜いた射手の人がいた。

ものすごい集中力と精神力。

 

矢を放つ瞬間、人・馬・矢と三位一体のケンタウルスあるいはヤットデタマンの大天馬となっているの

だろう。

 

女性チームもあるようだ。

 

 

馬に乗って、颯爽と駆け抜けながら矢を放って的をいる女性の姿はとてもかっこよく感動した。

とても凛としている。

‘凛として’いるといっても藤田憲子の告白本のタイトルではない。

てか、微妙に古くてそんなの誰もわからんよ。

 

 

 

決勝は的が変わって、板になる。

面積が小さくなるから的させるのが、難しくなることにくわえ、割れなければ得点にならないらしい。

 

 

 

かなり難易度が高いが、それでも的中させる射手の人もいた。すごい。

 

 

最初はぜんぶ見なくともいいかなと思っていたけど、気づくとその世界観と的を射抜く期待感の

虜になってしまい、最後まで見ていた。

 

はっきりいってダーツとかアーチェリーとかはやるのも見るのもあまり興味ないけど、流鏑馬は

惹かれた。見てるだけでも面白かった。

 

馬上で矢を放つ射手の方々があまりにもかっこよすぎて、拍手と歓声をあびるその姿に

羨望とわずかな嫉妬さえおぼえるくらいにかっこよかった。

 

 

この年齢でまたひとつ、良い物をみて良い経験ができた。

 

これは来年もまた見にこよう。

 

ちなみにアベノミクス同様にオレもこれまでの人生の中で、希望という名前の「矢」を

自らの目標という的に向けて数本放ったのだが、すべて的中に失敗している。

 

的中失敗したオレの矢がどこへ飛んで行ったのか確認したところ、1本は石神井公園の池にいる

カモの背中に突き刺さって、あとの矢はすべて日本海の日本における排他的経済水域に落下した模様

である。(2017年6月13日現在・防衛省発表w)