立呑み晩杯屋@門前仲町 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

例によって遡った記録の記事。

先々週、倉田てつをサンのお店「ビリー・ザ・キッド東陽町店」に行って出たあとの記録。


仕事終わって家と正反対の方向に1時間半かけてきたから以上、ビリーだけ喰って帰るのは

もったいない。


犬が電柱にマーキングするように、オレとしてはやはり1軒だけでもいいので、このあたりの

酒場を開拓してから帰路につきたいと思った。


東陽町で働いており、一緒にいた友人がいうには、東陽町と木場は何もないから

すぐ近くの門前仲町までいったほうがあるとのことなので、門仲まで散策もかねて歩きながら

視察。


普段は来ることのない門仲だが、オレには行ってみたい店と、気になる店がひとつずつあっ

た。


気になる店は石倉三郎の奥さんが女将をやっていて、長渕剛の歌でも有名な「花菱」。

こちらは居酒屋というより、ちょっとした割烹だからハードルが高くてムリ。


行ってみたいほうの店は「だるま」という、これまた美人女将が人気の大衆酒場である。

裏道を歩いてみて「だるま」のほうは発見できたが、外から覗いてみると噂通りの大盛況。

アリの入る隙もなさそうだ。

予想通りだったので気落ちすることもなく、素通りした。


ステーキ喰らったあとだし、本当に軽く1杯呑めればいい程度で特に希望もなかったので

土地勘のある友人に任せたら、比較的最近できた立ち飲み屋があるというのでそこに向かった。


正直いうと、そこまで知名度もないような個人経営のお店だろうと思っていた。


しかし、店前まで来て、友人が「ここだよ」といった時に見て驚いた。


なんと、あの激安人気酒場『晩杯屋』の視点ぢゃないかっ!!


まさかたまたまやってきたこの門仲で『晩杯屋』に遭遇できるとは、棚からボタモチとは

このことである。



『立呑み 晩杯屋』

東京都江東区富岡1-10-3 セブンスターマンション1階

グループHPはココ



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初めて『晩杯屋グループ』の名前を知ったのは酒場紹介本。


総本山は武蔵小山の『昼間っから晩杯屋』だろうか。


店名はおそらく、「昼間からのようにを呑む」という意味にくわえて

「昼なのに、夜に活動するヴァンパイア(吸血鬼)」を掛けているのだろう。

上手い。

ザブトン1枚。


晩杯屋は安いのと、ネタがしっかりしているということで今やノンべの間では有名である。

そんな晩杯屋に入れるとは大収穫。


人がとても多く賑わっているのがわかる。


その時は誰もそこにいなかったが、外にも席があり、そこだと料金が多少安くなるようだ。



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中に入ると、それほど広くはない空間に立っている人がぎっしり。



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満員かと思われたが、壁側の奥にちょうどふたりぶんスペースが空いており、威勢のいい

店員さんにそこに通された。



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まずは口頭で生ビールを2杯注文して、乾杯。


ステーキ食ったあとだけど、問題なく喉に流し込める(笑)


生ビール410円


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ドリンクメニューはこんな感じ。

生はキモチ安い程度だけど、他はかなり安い。


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次からの注文は用紙に記入して、店員さんへ。


用紙をよく見ると「手字タル オーダーシステム」と書かれている。

デジタルじゃなく手書きで手字タル。

芸が細かい。


ビリーにつきあってくれたお礼もかねて、つまみのチョイスは友人に任せた。



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話に聞いていた通り、この店は本当にフードが激安だ。


ほとんどの料理がなんと100円代という驚愕の出血価格。

出血価格だとアピールしていたから期待して入ってみたら微妙な内出血価格だったという

店とは思いきりが異なる。



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煮込み 130円。

マグロ刺し 200円て……。今回は頼まなかったけど(爆)


海の幸を100円、200円代で提供するってすごい。

注文していた客のものをみたら、すごくしっかりとしているし。


友人曰く、「築地が近いからじゃない?」とのこと。

なるほど。



そしてつまみが卓に届き始める。


肉のあとだから、ちょっとサッパリした野菜が食べたくなった。

この1品だけはオレがチョイス。


「モロQ」 130円



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切った大きさがせこくなくて素晴らしい。


ポリポリとかじって、まずは口の中を湿らせる。



続いては

「なすショウガ」130円 と 「揚げ塩ぎんなん」150円



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なすのほうももちろんだけれど、ぎんなんが量も多く硬さもしっかりとしていて酒の肴と相性が

いいのなんの。

ちらっと見たら隣りにいたサラリーマン3人も同じものを頼んでいたから人気商品なのかも。



この量、そしてこの味付けで150円とは。

スーパーで売っていたとしても、もっと値が張ると思える。


ぎんなん、なんでこんなに安いのかなァ、と友人にいったら、

「店の前(の街路樹)から取ってるんじゃない?」

といっていたので、そこは「ンなこたぁ、ない」とタモさん的に返しておいた。


平日ということもあり、一杯だけおかわりして退却することに。


ちょっと興味があったので

「カミナリハイボール」 290円

をオレは注文。



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ほどよい辛口で飲みやすく美味い。


美味いけどなにがカミナリなのかはわからなかった(笑)



ふたりともジョッキをあけたところで会計。


男梅サワー提灯のある空間から外へ出た。



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ふたりでジョッキ4杯とつまみ3品頼んで、合計が1810円である。


1時間弱滞在して、ひとりあたり905円のお支払いだ。


さあ、ここで問題。

【ウカンムリ】の下に【女】という字を書いてなんと読む?



その後は友人と地下鉄門前仲町駅の階段をおりて一緒に地下鉄東西線に乗った。

友人は日本橋での乗り換え。

オレは終点である中野までいって、そこから中央線に乗り換えだ。


日本橋で友人が降りてからは、乗客の少ない車両にひとりで座って中野に着くのを待った。


ビリー・ザ・キッドをでてから約30分ほど門仲散策。それから晩杯屋に入って一時間弱

滞在。そこを出てから最寄りの地下鉄入口をおり、数分後すべりこんできた中野行きに

乗り込んで、もうすぐ中野。


オレは車両つなぎ目近くにある2人掛けシートに座っていたのだが、中野駅到着寸前になって

ふと顔をあげると、すぐ横のドアのところにふたりの若者が立っていた。


ひとりは野球帽をかぶっており、もうひとりはちょっと鋭い目つきをしている。


どこかで見た気がした……

それもつい最近。


思い出した!


東陽町のビリー・ザ・キッドにいた時、すぐ隣りの席に座っていたあのふたりだ。

東陽町の店で隣りの卓にいた若者ふたりが、その約2時間後に中野に到着しようと

している電車に乗っているオレのすぐ横に立って、しかも同じ駅で降りようとしている。


こういったことがここまであると、もう偶然じゃないだろう。なにか目に見えないものが動いている。

驚きや笑いを突き抜けて、恐怖すら感じてきたのであった(爆)