高尾山6号路 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

前回の続き。


薬王院を過ぎれば、頂上はもう遠くない。


頂上の直前にきて、またしても子供時代には目にしなかった建物がある。



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この建物、一棟まるまる公衆トイレ。


ブラタモリでも紹介されていた。



麓から登り、2時間かからずに山頂に到達した。


まさに気軽に登れる身近な山だ。


ボーイスカウトで夜中に登ってこの山頂に来た時は、ここでお湯わかしてみんなで

月明りの下、カップラーメンをすすったのが今でも記憶に残っている。

(栞にカップ麺持参と書いてあったから、最初からそういう予定だったらしい)



てっぺんまで来たら、一応定番の見晴らしポイントである「関東の富士見百景」には

いってみる。




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ビミョーに曇っていて、富士山は見えず。


というか、ここには何回もきているが富士山をはっきりと見た記憶が一度もない……。

晴れてたらほんとに見ることができるのだろうか。


富士山は見えなかったが、ちょっと前に登った神奈川の大山がすぐ近くに見えた。

あと、相模湖ピクニックランドの観覧車が見えることに初めて気づく。


ここでも気色を見にきた外国人の観光客の姿が目立つ。

欧米、中国などなど。



せっかくなので今まで山頂についてもスルーしてきた「高尾ビジターセンター」にも

入ってみる。

いろんな展示物あり。

スタッフの人が感じよかった。


さてと、今度は下山である。


どうせならば、今まで歩いたことのないルートがいいなと考え、麓の案内所でもらった

マップをひらいてみつめる。



尾根づたいの稲荷山コースは前回きた際の下山ルートだったので却下。


いつだったか忘れたが、つり橋のある4号路も通った記憶があるので却下。


3号路はこれまで歩いたことあるかどうか微妙忘れたけど、わりと早い段階で行きに歩いた

道に合流してしまうので、新鮮さの継続を考えるとこれまた却下。


そうすると、ひとつだけ今まで歩いた記憶がまったくないルートが残された。

しかも、麓までどのルートとにも合流しないから、下までずっと新鮮な風景を見られそう。



ということで、残された未踏の「6号路」をゆくことにした。


3.3キロで「森と水」がテーマ。

通称【びわ滝コース】


なかなか楽しめそうだ。

さっそく出発。



途中までは普通の山道だったが、やがて水の音が聴こえてくる。



そして、「飛び石」の道へ。


道といっても、正確には小川の上だ。

石の上を歩いてゆく。



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画像だと確認しにくいが、中央の石のまわりには水が流れている。


趣はあるのだが、道ではなく飛び石であり、このルートで下から登り始める人もいるので

すれ違いなどはかなり面倒かもしれない。


シーズンなど混雑する時には避けたほうがいいルートではある。

ちなみに前方に映っているのは知らない人。



こんな飛び石がしばらく続くのだが、さすがに一番下までではないのでご安心を。


途中からまた普通の道に戻るが、小川が麓につくまでずっと横を流れているので

水の世界はずっと楽しめる。


高尾山といえば緑と樹々のイメージで、水というイメージはあまりなかったのだが

このルートは新しい発見だった。


サワガニとかも生息しているらしい。


川の石をひっくりかえしてみたら、そういった水中の生物がいるかもしれないと看板に

書いてあったので、途中川べりでしゃがんで、石をペロンペロンといくつかひっくり返して

みたが、残念ながらカニとの遭遇はナシ。


やがて、琵琶滝だと思われる場所がみえてきた。





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今回は柵があって奥まで行けなかったが、季節によってはここで修行をやっているらしい。

奥に細い滝が見える。



少々見入ったあと、また先へ進む。



ううむ。木々がもののけ姫の世界だ。




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だんだんと下からあがってくる人の数も増えてきた。


年輩の人よりも、若い人(とくにカップルの男女)のほうがすれ違いざまに

「こんにちわー」

と声をかけてくれるケースが多かった。



友人とかと登山している際の挨拶は、グループの挨拶とグループの挨拶という感じだけど

今回はオレひとり。

なんだか照れくささと嬉しさがある。でもそれがいい経験になった気がする。


さらに進んだところで左側の対岸を見ると、味のある祠のようなものが。

あれが「岩屋大師」。




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高尾山はまだまだオレの知らない顔を持っていたようだ。


初めて見た。高尾にこんな風景があったなんて。



麓が近づくと、風景も山道というより長閑な感じになってくる。




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高尾山という山は実に奥深い。


ひとりで来るか、数人で来るか。

そして、どのルートで登り、どのルートで降りてくるか。


いろんな組み合わせによって見える景色も、体力の消費具合も違ってきて、何パターンもの

楽しみ方ができる。


昔、流行ったゲームブックや、マルチエンディング形式のテレビゲームみたいな感覚だ。

近くて低い山だからといって侮ってはいけないと改めて知らされた。



そして、オレが今回選んだコース。


ひとり。

行きは初心に帰って1号路。

帰りは未踏の水の世界6号路。


という組み合わせは正解だった。



いや、あくまで正解のひとつだったというだけで、まだまだ正解となる組み合わせはある。



そういうわけで、無事下山。

なんだかんだで帰りも1時間以上使ったのでかなりの充実度だった。


6号路の登山口(下山の場合はゴール)は、ケーブルカー乗り場からちょっとだけ離れた

高尾病院の近くになる。



歩いて麓駅まで戻り、さらに高尾山口駅へ向かった。


少し前にオープンして話題になった高尾山麓の温泉は駅に隣接しているようだった。




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地域のためというよりも、高尾山から下山してきた人たちが汗を流すために作られた

ようなスパ銭だからなあ。


こりゃあ、ありがたいには違いないけどシーズンはホントにエライ芋洗いになっているんだろうな。



以上。


昼12時半に出発して、夕方5時には家にいたプチお遍路もどきの記録。

おしまい。