サラリーマン@新秋津 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

武蔵野線の新秋津駅。


西武線との乗り換え駅ではあるのだれども、一度改札を出て、商店街の中を3,4分歩いて西武線の秋津駅の改札へ入るというちょっと特殊な乗り換え駅だ。


夕方になると西武線から武蔵野線、あるいは武蔵野線から西武線の改札へと向かう大勢の

サラリーマンがその通りを行き交う。



数年前、まだ居酒屋巡りを開始する前に2,3回その道を歩いたことはあったが少し前の

仕事帰りにいったん下車してみた。

(オレは乗り換えせず、普段そのまま乗って帰ので)


昔は意識していなかったが、武蔵野線と西武線の改札をつなぐ、そのエリアが呑兵衛の

サラリーマンたちにとっての魔界であるということを認識した。


ものすごく多い数というわけではないが、かなり魅力的な大衆酒場や立ち飲み屋という誘惑が

左右から手招きしている。

仕事帰りのサラリーマンにとって、両サイドに引き付けられることなく橋の中央を歩いて渡る

一休さんのように改札まで辿りつけるかどうかという、まさに我慢というバランス棒を持っての

綱渡り。

西のホッピー通りというあだ名も伊達じゃないようだ。


それを知ってから下見をかねて数回下車したり、ネットや雑誌で有名店情報などを調べていた。

もっとも目についたのは「野島」という店だが、ここはいつも激混みだ。

何度か店前を通って様子を見たが、イチゲンさんにはハードルが高くて今はまだ無理。


それでも、せっかく一人呑みに慣れてきたこともあって先日仕事帰り、早い時間ならいくらか空席があって比較的ひとりでも入りやすい秋津の人気店の暖簾を思い切ってくぐってみた。


2階もあるようだが一階はV字型カウンターに、一本のカウンターで蓋をしたようなカウンター。

分かりづらい説明だが、それがベストな解説だ。



サラ1


案内されたカウンター席に着席すると、若い店員さんから、まず飲み物を訊かれた。

今回もビールをスキップしてのホッピーからスタート。


肴は「ちくわチーズ揚げ」



サラ2

ひとり、酒場でホッピーを手酌しながら飲むのもなかなかいい。


オレももうそろそろ一人呑みの初心者から初級者に格上げだろう(笑)



隣りに座っているサラリーマンふたり組の前においてあるコッテリした煮込みのようなものが

とても美味そうだが、なんというフードかわからない。


壁のメニューに視線を走らせるが、それらしきモノはないようだ。



メニュー

なんせメニューの種類が多い。


とりあえずオレの視界に入る壁メニューをみたら、真後ろに貼ってあったメニューの一番上左端に

「スタミナ豆腐」

というのが見えた。


ふたりの前にある煮込みにも厚揚げのようなモノが確認できるから、きっとこれだろうと賭けに

出て、スタミナ豆腐なるものを店員さんに注文。



違ったようだ(-_-;)

うーん、残念。


「スタミナ豆腐」



サラ4

煮込みじゃなくてマグロとトロロだった。

でも、これはこれで美味かったからいいか。


そう言ってつまんでいる間にも店員さんが「中身入れましょうか?」と訊いてきてくれたので

中身をおかわり。


外が暗くなるにつれて、新秋津の改札を出てきたスーツ姿のサラリーマンが、暖簾をくぐって

アルコールに癒されにどんどん避難してくる。


そういえば今は四月だから、新入社員が配属されて上司の呑みにつき合わされて、仕事の

取り組み方におけるメーワクな……いや、ありがたい説法を酒の席で聞かされる経験をする

季節の始まりだな。



この駅前の大衆酒場にも、これからたくさんの新人が上司に連れられて、ありがたい説法を

訊かされる風景が描かれそうだ。


サラリーマンていったい何だ?


サラリーマンはサラリーマンであってそれ以上でもそれ以下でもない。


名刺の渡し方や電話対応や、書類のまとめとか以外は別に上が下に教えることなんて

ないと思うのだがね。


営業マンはこうあれ!という横一列的な思想がツマラン社会人を量産するような気がする。


春になると、オトナもメディアもそろって新社会人に対し、気色悪いほど

「希望に胸を膨らませて」とか「社会にはばたけ」とか「フレッシュ」だとか連呼する。


それはそれであっていいと思う。


でも問題なのは、そういった幻想だけを植え込んだり、ポジティブだけを注入したことに

よって、免疫をまったくつけてもらえず社会に飛び込み、打ちのめされ絶望した若者に対して

責任を負わないことのタチの悪さ。


大学や専門をでればもうオトナだ。

オトナならば、多少現実的なことを助言してもそれなりに受け入れられる心の耐久性は

備えているはず。


新しい門出には違いないからたくさんの前向きな言葉を差し出すのもいいと思うけど

本当に本人のためを思うのならば、ひとりかふたりくらいはこれから社会にでる人間に対して

「会社に幻想を抱くな」といったアドバイスをワクチンとして注射してやるべきだろう。


ひとことそういったネガティブなこと言われたくらいで、意気消沈するくらいであればまだ

子供。どこの組織に入ったところでやってゆけないには目に見えている。



たくさんのオトナが社会に出てゆく若者にたいして明るい言葉しか掛けていないだろうから

オレはあえて言おう。

しいて言えば、この言葉はちょっとキツメなオレからの愛のワクチンだよ(笑)


ちょっと気分が沈むという副作用は引き起こすかもしれないが、うまく言葉を吸収すれば

多少の理不尽に対する免疫は保証する。


じゃあ、言うよ。


「会社はいつかきっとあなたを裏切る。でも、それが会社というもの。サラリーマンになるとは

そういうことだ。」


だから、なにか理不尽なことが起きてもそれはあなたが悪いとは限らない。


たかが会社ごときの攻撃で、自ら命を絶ったりしたらだめだよ。


以上。

サラリーマンという生物は本当に皮肉な生物だと痛感するね、いやマジで。


ひとりホッピーをちびちびやりながら、オレが今座っているカウンター席とその隣にいつか

座るであろう、どこかの会社の上司と部下の姿を想像しながらそんなこと考えながら

「〆さば」を注文(笑)


うまいやんけ♪



サラ3

最近の若い新人は、上司から呑みの誘いを平気で断るとかっていうテーマの討論も

よく目にする。



仕事後はプライベートの時間だから毎回付き合う必要はないけど、数回に一回は

行ったほうがいいよ。

最低限、一回は絶対に行くべし。


オレは少数派だからベ別に礼儀や社内営業を支持するつもりはサラサラない。


ただね、酒場に行ってまで仕事や営業や人間付き合いを語る上司の姿って、コレ以上にない

「反面教師」の手本になるんですよ、若者のみなさん!

こんなこと他でいう人ってあまりいないと思うからオレが言っちゃうけどね(笑)



怒り新党でマツコ&有吉も言っていたし、オレが短期間働いていた会社の上司もそうだったから言うんだけれど、酒場で上司が語る仕事論て、9割が‘しょーもない’んだよ。


だから、そういう姿を目に焼き付けておくことによって、「オレはこういう上司になってはいけない」

「部下ができても、酒の場でこの人みたいになってはいけない」という意識を身につけることが

できるわけ。


だから新人のみなさん、『反面教師のセミナー』を受講するつもりで、上司の誘いにはたまに

のるべきです。



もちろん、なかには一緒に呑んでて本当に有意義な時間を過ごさせてくれる素晴らしい上司の

存在もあるのは認める。



改めて以上。


ケン74の「どこも教えてくれない新入サラリーマンへのアドバイス講習」

おしまい。



オレもできあがってきたのでそろそろオアイソ。




おっと、記事タイトルには書いたけど肝心の今回お邪魔した酒場の紹介がまだだったわ。


『サラリーマン 秋津店』

東京都東村山市秋津町5-13-20

食べログはココ



サラ外観


一見ユニークな店名だけど、秋津周辺では屈指の人気繁盛店だ。

なかなか良い雰囲気だった。