前回の続き。
人生初購入の勝舟投票券はみごとにハズしたワケだが、競艇場にきた真の目的は
とあるB級グルメを食すことである。
ただ、せっかく競艇場にきたからには一戦くらい券を買ってやってみないともったいない
と思ったので、言ってみればギャンブルのほうがオマケのイベントだった。
目的のB級グルメというのは、この場内で食べることのできる「牛炊」というもの。
多摩川競艇場の名物らしい。
実はこの「牛炊」というものに関しては、かなり前にネットで見つけて気になっていた。
地元だし自転車で20分もかからない場所というのも大きい。
いつか行って食べよう、そして記事で紹介しようと思い続け、ある時、何日後の競艇開催日に
ゆこうと具体的な計画をたててまでいた……が!
そんな矢先に何気なく「マツコ&有吉の怒り新党」を観ていたら、
「今週の新3大は、絶品ギャンブル場メシです!」
とか言っていて、本編が始まる前のスポット映像でネットでよく見ていたそれらしきフードが
……
放送をみたら案の定ビンゴ(爆)
3つのうち、ひとつがそれだった。
どこかに行ったり、何かを食べたりしたのを報告する際にオレがもっとも言われたらいやなこと。
それは……
「昨日○○で紹介されてたやつでしょ!?」
「この前のテレビ観て行ってきたんでしょ!?」
というセリフ。
これを言われるのを回避するために、訪問時期をやむをえず延期した。
つまらんプライドはひと一倍なのでね。
いや、ほんとにテレビでそれを初めて知って、我慢できず翌日なり数日後なり家を飛び出したりしたのが事実であればそれは言われてもいいし、聞かれたところで正直に言うけど、テレビよりも先に自分のほうがその情報を入手して気にしていたのに、つい最近のテレビに影響されたと思われるのはオレは本当にイヤなのだ。
くだらんようだけれど、オレなりのプライドがあって訪問とルポを延期したけど、今回ちょっと時間が経過したからということで食べに出向いてきたという流れ。
それでは気をとりなおして本題へ。
(お、そういえば怒り新党で夏目チャンの後任て誰なんですかね?)
……
負けレースを終えて、牛炊が食べられる場所に向かった。
場所は一階の奥にある『ウェイキー』というレストラン。
隣にもソバとかを食べられる店があるが、「牛炊」はここでしか食べることができない。
訪問した際はお間違いのないように。
競艇場内ならどこでも提供しているわけではないので。
昼直撃は混むと思ったので時間差攻撃で入った。
よかった。空いている。
システムは食券制だ。
一番上の左から2番目に目的の文字が。
やはり定番らしい。
なんの迷いもなく「牛炊」750円のボタンを押して、食券が投下される。
それを持って、牛炊という表示があるカウンターへ。
カウンターの中から明るいオバチャンが「いらっしゃいませー! こちらどうぞー!」
と言って手を伸ばしてきたので、食券を渡した。
中でパパパッと丼にご飯はよそわれ、汁と具が掛けられて、あっという間にできあがる。
これが多摩川競艇場名物の絶品ギャンブル場めし!
『牛炊』 750円
丼の中によそわれたご飯にぶっかけられたテールスープ、
浮かぶのは牛すじにネギ。
これにキムチもセットになっている。
ビジュアル的にB級グルメ感はじゅうぶんだ。
たしかに食指も暴走してウネウネと動きそうである。
なんというか、ちょっと贅沢な「まかないめし」と言った感じ。
さっそくレンゲでひとすくいして、ズズズと口の中に流し込む。
旨みが意外としっかりしているし、牛すじも硬すぎず柔らかすぎずで雑な感じがしない。
イケる。
しっかりと煮込んで出汁をとっているようだ。前情報によると。
味に飽き気味になってきたら、セットのキムチを投入して味覚に変化を与える。
どこにでもありそうでないメニュー。
量はそれなりにあるが750円という価格は決して安いとはいえない。
だけど、ここに来たら一度食べておく価値はあると思う。
美味いには美味いけど、オレの場合、正直ずっと前から想いを馳せすぎてしまい、
自分の中で膨らみ続けた期待値が、フードのうまさの絶対値を越えてしまった感があり
それがちょっと反省。
間違いなく美味いのだ。だけどいい意味でまったく期待しないでゆくか、牛炊の存在をまったく
知らないまま競艇場に連れてこられた時に食べたほうが、口に入れたときにぶっ飛べると思う。
重要なのは価格あるいは、価格に対して商品が適正かということよりも、これがギャンブル場で
しか食べることのできない貴重なめしであるということ。
そして、これだけ評判良くて美味いメニューであるにもかからわず、でしゃばってオフィス街や
繁華街に出店せず、地元密着型でやっていること。
多摩川競艇に来たら、一度は食べることをおすすめしたい。
食べ終わって、どこかに食器を下げるのかと思い、トレーを持って立ち上がったらお店の人が
「あ、そのままでいいですよ!」
と言ってくれた。
そこらへんも細かい心遣いがあった。