オトタケくんは元気だな。
今、現在はさすがにションボリだとは思うけど、一連の騒動がオモテに出る前は。
例によって他人の家庭のことだし、自分の恋人に手をだされたといかいうわけじゃないから
外野がとやかく言うつもりもないし、モラルがどーだこーだとか語るつもりもない。
他人事だという前提も認めたうえで言わせてもらうと、今回の例は価値観におけるいい前例を
つくってもらったんじゃないかとも思える。
なんだかんだで世のなかの一部にはまだ古い固定観念や先入観を持っている人っていると思う。
「障害者」=「善人」
「障害者」=「まじめ」
という単純な方程式を崩せないままでいる人。
そういった方程式が実は確実ではないという前提をアピールできたいいキッカケではないかな。
ほんとに他人事で申し訳ないけど。
オトタケくんが他の人とちょっと違うのは手足がないということだけで、あとはオレらとまったく同じ。
オトタケくんをフォローするつもりはさらさらないが、障害者の人だってたまにはハメをはずしたり
ちょっとした悪さをしたくなるときだってあるだろう。生きていれば。
障害者だから立派な日とだとか良い人だとかい先入観は障害者の人たちにとってもプレッシャー
になりそうな気もするし、勝手に尊敬や崇拝しておいて、何かやったら「裏切られた」とか言うのも
ちょっと違うと思う。
「障害」って人間性や能力とは別。
障害者の中にだってメチャクチャ性格悪いやつだっていれば、すごくいいやつだっていると思う。
職業に関してだって同じ。
警察官全員を全体的に信頼できるだろうか?
彼らは全員が市民の安全を守るために、頑張ってその職業についたと言えるだろうか。
否。
もちろん、そういう心意気で警察官になり日々奮闘している方々もいると思うが、何割かの警察官は「公務員で安定しているから」「昔ドラマで見て憧れた」程度でやっているのが現実だ。
新卒学生が働き出した時期だが、そんな新入社員を採用した面接官。
彼らを「人を見る目のプロ」という人がいる。
オレはまったくそうは思わない。
もちろん、こちらもなかには本当に選別眼をもった匠のような本物のプロもいる。
だけど大半は人を見ることに関してシロート以下。
学生に対して「マニュアルを読んで覚えたような受け答えをする学生はダメ」とか批判するくせに
そういう自分も「どこでも聞くようなマニュアル質問」しかしない。
オレはオレでそう思っていたが、哲学者の中島義道先生も今の採用担当者の質の低下には
苦言を呈していた。
そんなような流れで、オレ自身もともと、どんな体質や職業の人に対してもあまり「聖人」だとか
「プロ」だとかいう目でみていないので、ふだん立派だとかプロだとか言われている人が
不祥事とかミスとかやらかしても、それほど裏切られた感はない。
まあ、所詮そんなもんだろ、ってところだ。
向こうもそう思われていた方が気が楽なんじゃないかなって思えるけどね。
繰り返し言うようだが、人の家庭のことなので責めたりするつもりはないが、純粋に
「ナンだあのヤロウ、そんなモテやがるのか!」
という嫉妬はちょっとあるかもしれん(笑)
とりあえずが五体満足であってもまったくモテないやつもいれば、五体不満足でもモテモテと
いうやつがいたりと、世のなかはワカラン。
そう考えると、神はやはり存在していて、何かが欠けている人間には代わりに何か幸福を与えるというバランスをとっているのかもしれないのう。
なんでここまでオトタケ君のことを書いたかというと、偶然にもちょっと前にDVDで、
「ジョニーは戦場に行った」
を見たわけ。
その直後に彼の騒動が浮上したものだから、なんとも複雑な印象で。
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71年製作。 73年日本公開の誰もが名前くらいは知っている名作。
戦争で、眼・耳・鼻・舌・顎・額の半分、さらに手足も失ったジョー。
その姿はまるで顔半分と胴体と性器だけのカタマリだが、それでもジョーは意識を持って
生きている。
そしてクランケ状態のジョーはベッドの上で過去の記憶を彷徨う。
五体満足で恋人もいた明るい過去の回想シーンはカラー映像。
だが、ふと胴体だけになっている現実の映像に戻ると、そこは絶望を表したようなモノクロの世界。
通常の映画における過去はモノクロ、現在はカラーという概念をうまくひっくり返し、戦争後に胴体と性器だけになった自身の絶望感をよく表現している。
胴体だけになり、何もしゃべれず動けずでも「生き残れた!」と思うか、
それとも「なんで生き残ってしまったんだ……」と思うか…。
声を掛ける側としての意見ならば、ほとんどが前者のように思うべきだというだろう。
だけど、実際に自分がジョーの立場になったらとどう思うか…
生についてそんなシビアな選択を突き付けたような重く深い映画だった。
そんな映画を観た直後にオトタケ事変(爆)
そりゃ、ちょっとだけ混乱しますわ。