背番号3のXデー | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

水島新司サンという有名な漫画家がいる。

描くのは主に野球漫画だ。

 

有名なのは「ドカベン」「あぶさん」などの作品。

 



 
 

 
 

失礼ながら、オレはアニメのほうでドカベンを数回観ただけで詳しくはわからないのだが

周囲のプロ野球好きな友人はけっこう熱血読者が多かった。

 

今までのプロ野球と言えば、中継されるのも話題もずっとセリーグだった。

パリーグのテレビ中継なんてほとんどなかった。

 

そんな陽の当たらなかったパリーグにずっと焦点を当てた野球漫画を描き続けてきたのが

水島先生である。

 

ずっと前、プロ野球協会か何かが水島先生に対して

「実在するプロ野球の選手を作品に出すならば、モデル料を支払ってほしい」

というような案を出したところ、プロ野球ファンと水島ファンから大バッシングがきた。

 

「人気のないパリーグを、ここまで取り上げて人気アップに貢献してくれた先生に対して

カネを請求するとは何事だ!」

というクレームが殺到。

結局、選手や球団に対するモデル料支払いの件はナシに落ち着いた。

 

たしかに水島漫画の読者でなくとも、ある程度プロ野球を知っている人間であれば

水島先生がどれだけパリーグの宣伝の功労者であるかはわかる。

 

先ほど出た「ドカベン」

今はもう亡くなった南海ホークスの香川がその愛称をしっかりなじませていた。

 

また、そのドカベンのプロ野球編というのがあったようだが、主人公のドカベン山田太郎が

入団したプロ球団は我らが西武ライオンズ。

 

西武ファンとしては嬉しいことだが、どうして西武なのかという疑問はあった。

 

その発端をずっと前にラジオで聞いた気がする。

 

当時、西武ライオンズの選手だった清原和博が、とある機会に以前からファンだった

水島新司先生と対談をしたらしい。

 

その時に清原が

「山田太郎(ドカベン)が西武に入るんだったら、ボクは西武の4番を譲ってもいいですよ」

と答えたという。

 

それを聞いて、水島先生は清原からの要望に応える意味も含め、プロ野球編において

山田太郎を西武ライオンズに入団させたという。

 

そんな清原和博逮捕のニュースが飛び込んだ。

疲れてウトウトしていた時に入った友人からのlLineに停滞していた眠気も吹っ飛んだ。

 

前から疑惑は報道されていたが、まさか本当にやっていたとは…

飛鳥の時も早い段階から週刊誌が疑惑を取り扱っていたが、どうせデマだろうと

構えていた…が、

飛鳥の時も今回の清原の時も結果として事実となってしまっている。

 

週刊誌の書く記事なんて、どうせほとんどが話題集めのデマだろうと思っていたが

こういう流れになると、センテンス・スプリングとかの書く記事も意外と真実をえぐる

ジャーナリズム性があるのかなとすらも思えてしまう。

 

途中から巨人やオリックスに行ったとはいえ、やはり黄金期の西武ライオンズを見続けて

きたファンからすると、驚くには驚いた。

 

黄金期の西武ファンの思い出だけでなく、野球少年の憧憬までもバットで粉砕されたようなモノ。

もちろん、水島新司先生に対する裏切り行為でもある。

 

まあ、パリーグ思いで心優しい清原好きな水島先生ならば、南海ホークスの香川を有名にした

ように、シャバに出てきた清原を自分の野球漫画のモデルとして再び登場させ、人気を呼び戻そうとしてくれるかもしれない。

しかも今度は主役で登場させて。

 

タイトルは「しゃぶさん」

 

……なんてのはちょっと毒を盛った冗談だが。




 

いや、でもまさかほんとにやっていたとは。

 

オレは長年の西武ファンだけど、正直言うと黄金期は秋山派(幸二ね)だったこともあって

清原はそれほど好きじゃなかった。

これは同じ西武ファンの友人にもちゃんと「西武の4番は秋山であるべきだ」と言っていたが

周囲は断然「清原だ」という意見だった。

 

やはりドラフトで巨人に行きたいと言っていた印象が強すぎたから、会見観ていて

「ああ、この人はほんとは巨人が好きで、西武はあまり好きじゃないんだな」といった

印象がかなりぬぐえなかったのが理由。

 

だけど記憶に残るあの日本シリーズ。

巨人相手に日本一目前にした9回に流した涙。

あれを観た瞬間、オレは自分の中で清原を西武ライオンズの一員として全面的に認めた。

(なぜか上から目線)

 

だけど、その後にFAで移籍。

西武ファンであるあの大女優、吉永小百合に「清原くん、あの涙はなんだったの?」とまで

言わせた。

 

それ以降に関してはもうあまり関心ないけど、それでも西武で活躍したのは事実。

オレにとって清原は元巨人でも元オリックスでもなく、ずっと元西武の清原だった。


 

だから今回の件は腹立たしいし、残念。

 

残念で驚いたけど、信じられないという気持ちは意外とない。

 

理由は前にも書いた通り。

アスリートだろうが芸術家だろうが、ヤンキーだろうがオタクだろうが、誰でもなにかを

やらかす可能性は同様にあると思っているから。

それは大スターであろうが決して例外ではない。

 

「S」に関する記事で書いたことと同様、スターというのはそれなりに評価がわかれる。

いい部分でも騒がれるが、悪い部分でも騒がれるのは免れない。

 

しかも、今回は明らかに捕まるものに手をだしてしまったわけだから、西武ファンから見ても

容疑者であることは違いない。

 

ただ、ちゃんと更生して今後2度と手を出さなくなったら、それはその時だ。

今回の逮捕をきっかけに完全に断てるかどうかが問題。