「S」 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

仕事中の出来事。

同じ職場の女性がオレにこう言ってきた。


「……って、解散しちゃえばよかったと思いません?」


同意。

なんかホッとした。

ワールドカップ批判が非国民扱いされる風潮のような感じで、‘言ったらイケない’といった

暗黙の風が日本に吹いているようで息苦しさを感じていたが、オレと同じことを考えていた

人がいて、さらにそれを自分のほうから言ってくれたというのが嬉しかった。


しかも女性だし。

これが同性からの声だったら「ひがみ」「嫉妬」でそう言っているとか決めつけられそうだけど

……から見て異性である女性でも、そう思っている人がいたというのは大きい。


「思いますね。てか、なんだったんですか? あの騒ぎは?」

とオレは返した。

「さあ?」

との返答。


いや、口には出さないけどオレら二人と同じ考えを持っている人は絶対に少なくないはず。

だけど、それがほとんど聞こえてこない。


トラブルの詳細がわからないこととか、事務所の圧力が不気味とかいう違和感よりも

世間やマスコミから「可愛そう」「解散しないでよかった」といった声しか聞こえてこないほうに

よっぽど違和感を覚える。


仕事しながらそのへんを女性と多少語り合った。

……に対する見方や感じ方がかなり一致していた。


実際に人気あるのも明らかだし、テレビの街頭インタビューなどをたまに見ると熱狂的な

ファンはたしかにいるのだ。テレビの中では…


だけど、不思議なことに昔から現在までオレの周囲で……の大ファンだという人間を観たことない。

それを伝えたら女性のほうも「ねえ!」と思いきり共感していた。

彼女の周囲でも同じくファンはいないらしい。


また、テレビのキャスターとかは同世代の男性からも強い支持を持っているというけれど、

はっきり言ってしまうと大学時代をメインにオレの周りでは「キライ」といっている男のほうが

多いのだ。というかほとんど(笑)


だけど、テレビの街頭インタビューを観ていると不思議と熱狂的な……の男性ファンが出てきている。

どうもそういう人のVTRだけ抜粋している気が。



なんだろうな?

一言で言えば、そんなに騒ぐほどのことなのだろうか?

まったく興味ないんですけど。


「そんなに騒ぐほどのことじゃない」と一喝するコメンテーターとかっていないの?



それなりに話題性がある人気者だっていうのはわかる。

だけど、スーパースター(オレがそう思っているわけじゃない)っていう存在は、そもそも

好き嫌いの人気を2分するものであって、悪くいう人がいないっていうのもまたオカシイのだ。


そこまで行くともはやスーパースター、スーパーアイドルではなく、侵してはいけない虚像の

ような存在になりつつある。



本当に……をすべての国民のスターにしたいのであれば、街で聞く嫌われている声とかも

発信したほうがいいんじゃないかと思えるのだ。

なんか悪くいうのがタブーになりつつあるように見えるのと、テレビ局などが事務所にヘタに

気遣っているのが気持ち悪く映る。

数年前のとある件の報道で「容疑者」と表記せずに「メンバー」とか表記してた時も

ナンだソリャ?って感じだった。

(蒸し返すワケじゃないが、5人中2人が逮●歴あるのに、それでも国民的アイドルって扱い

は改めてスゴイわ、あの事務所のパワーって)


ちなみに月曜だっけ?

夜に放送している……の某人気番組って一度も観たことない。

まったく興味ないので。


これは批判ではなくオレの単純な感想なのだけど、今まで……のトークやコントで笑ったことって

一度もないのだ


人気ありきでの評価ってちょっとなじめない。


よく有名人を対象にした

「一緒に海にいきたい男性アーティスト」とか

「一緒にドライブしたい男性アーティスト」とか

そういうランキングがあるけど、それって選ばれるのは結局「自分の好きなアーティスト」

になって、海が似合いそうだとか運転が上手そうだとかあまり関係なくなっているんだよね。


それと、すぐ「○○なのに○○も出来る」とかいう風潮も好きになれない。


俳優がちょっとトーク番組に出演して質問に対しお約束のボケを返しただけで

「役者なのにトークのセンスもある」とか言ったり、アイドルがちょっとカブリモノしたり

バラエティで奇妙な動きしただけで「イケメンなのにお笑いもこなす」とかもてはやす

風潮。 イライラする。


オレは先日お笑いのライブも初体験したし、数年前にはオードリーなどを輩出したショーパブにも

観にいったことがある。


芸歴長くて、ものすごく面白かったり、天才的にモノマネもうまいのに、ほぼ無名の芸人さんや

モノマネタレントの人もいた。


別ジャンルや顔面偏差値で人気や地名度を確立してからシード選手としてお笑いに入ったのではなく、もとからそれ一本で正統派でお笑い勝負しているのだ。そして実力も備えている。

でも、売れていない。

機会がないか、才能があるけど華がないかだと思える。


正々堂々と面白くて実力を持ちながらも認められない芸人さんがいるのに、芸人でもない

別ジャンルの人間がちょっとバラエティに足を踏み入れて、周囲からお笑いもできると認識されるのは、認められていない芸人さんとかに失礼じゃないかと。


いや、これはアイドルとお笑いの関係だけに限らない。

歌手がお笑い番組に出た時もそうだし、役者がスポーツ番組に出た場合も同じことが言える。


本当にそれもこなしている、というよりも人気ありきで色々こなせるとされているマルチタレント扱いが増えてきている気がする。

あくまで個人的にだが歌手の西川貴教はトークセンスありありだと思うけど(笑)



それともうひとつ。

「S」というのはSPORTSの頭文字らしい。


その「S」を最初に持ってきているところを見ると、スポーツをする人間が素晴らしいという思いが

どこかにあったうえでの命名だと思える。


先ほど「虚像」というワードが出たのでついでにだが、このSPORTSというものに関しても

世間では暗黙の了解で他ジャンルの娯楽よりも崇高だという虚像があるように思えて

ならない。


決してオレがスポーツ嫌いだから言っているわけじゃない。

崇高じゃないとは言っているが別に他の文化系娯楽よりも下だとか言っているわけでもない

。すべて同等だと言っているだけ。



じゃあ、どういう理由があってオレがスポーツに虚像があると語っているか。


たとえば歪んだ犯罪でひとりの人間が逮捕された時、その犯人の同級生や同僚が

こういうふうに言っていることが多い。


「ほんと、そんなことするような人じゃなかったんですよ!さわやかで明るくて…!

野球部だったし」


「そういうことするタイプだと誰も思ってなかったです。高校の時は陸上とか一生懸命

やってたりしてましたし」


だいたい最後に、「昔運動部だった」というような一言を付け加える人間が多くないか?



いや、あのね…

部活何やってたとか関係ないですから……(笑)


野球部だろうがサッカー部だろうがテニス部だろうが柔道部だろうがバスケ部だろうがラグビー部だろうが陸上部だろうが相撲部だろうが空手部だろうが、やる奴はやるし、やらない奴はやらない。

帰宅部だろうが動画研究会だろうがワンダーフォーゲル部だろうが書道部だろうが模型部だろうが写真部だろうが、やる奴はやるし、やらない奴はやらない。


運動系にせよ文化系にせよ、どちらもその多くがまっとうに生きている。

双方のごく一部の人間がそういう犯罪をおこすだけだ。

すべての人間が犯罪を起こす可能性を秘めている。

スポーツをやっていたから犯罪を犯すイメージがないというそのイメージのほうが危険に思えて

しまう。


グループにせよ嗜好にせよ、すべての「S」は実像であると同時に虚像でもある。

それ以上でもそれ以下でもない。


絶対的なものや侵してはいけないなものとして位置づけするのはいかがなものかと思うのだ。



最後に一言だけ。


大人数での飲み会などの集まりがあった際、カラオケに行くことがある。

退店時間が近づくと

「じゃあ、最後はみんなで歌える歌をうたってしめよう」

という流れになったりする。



てっきりオレも歌詞とメロディを知っている歌が入れられるのかと思いきや

……の「世界に――だけの―」が入れられたりする。


オレ歌えません…。興味ないからサビしか知らないし。

知っててもあまり歌いたくない…。


芸能人だけでなくサッカーや五輪もそうだけれど、「国民的」とか「世界的行事」と

言われるモノに興味持てない少数派の人間て生きていて疲れちゃいますね(..)

大衆の歓声や流行歌や盛り上がりが全て雑音に聞こえてしまいますので(..)

わからないし興味もないから静かにしていたら、協調性がないとか暗いとか場をしらけさせてる

とか一方的に言われるし。


最後はちょっと弱気になりながらも、オレの声を少しでもわかってくれる人がいたら

嬉しいなと思いつつ、今夜のコラムを〆たいと思います。


それではみなさん、良い夢をごらんになってくださいまし。


あー、今夜も金縛りにあいそうだ(嘘)