上海小吃@不夜城 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

いろいろ買わなければならないものがあるので、昨日仕事終わった後に

新宿をまわって帰った。


新宿を舞台にしたアウトローの映画といえばいくつかあるけど、オレにとっては

「新宿鮫~眠らない街」と「不夜城」。


先日もちらっと書いたとおり、「不夜城」のほうは馳星周が原作で、金城武主演で

映画化されヒットした。

一方、「新宿鮫」のほうは大沢在昌が原作で、フジテレビにより真田広之主演で

映画化された。


「新宿鮫」のほうはけっこう酷評されたようだったんだけど、オレはあの肩の凝らなさが

好きだった。「不夜城」は映像がかっこいいんだけど、観賞していてちょっと肩が凝る(笑)


でも、今回はそんな「不夜城」な世界の飲み屋訪問記録。

仕事帰りだったというのもあるが、一人で乗り込む。

ま、他にもある一人の理由はあとで書くので。


店がある場所は実際に「不夜城」のロケ現場にもなった。

(映画見たが、なんとなくしか憶えていない)


飲食店やキャバクラが軒を連ねる通りから一歩路地に入る。

初めて歌舞伎町きた人間はたどりつけないかもしれない。



上海1

溢れんばかりのDEEP臭。

日本らしくない。

香港映画とかでジャキ―・チェンがマフィアに追いかけられた時に

逃げ込むような雰囲気も漂っている。



アヤシイ道を進んでゆくと店の入口が見えてくる。

左側が入口。

※向きを変えて画像とったので、入ってきた入口が画像正面になる。



上海2

良いアングラ具合だ。こういうの好き。


画像左下に流しが見えると思うが、オレがちょうど行った時にこの流しで使用した皿などを

洗っていた。洗い場が外にあるのだ。手前の流しにたまった水面が白いのは洗剤の泡。


食品や容器に対して潔癖症の人はここで引き返すかもしれないがオレはゆく。

おかげさまで、こういう足を踏み入れにくいオーラの店にもフツ―に一人で行けるように

なった(笑)


入口向かいには子供の人形。これもまたいい味だしている。


上海3





『上海小吃(しゃんはいしゃおつー)』

東京都新宿区歌舞伎町1-3-10

HPはココ


上海4


店のママが上海の人なので、スタッフも見た限りは全員中国人ぽかった。


店の外にママがいたので「一人入れますか?」と尋ねると、

「ヒトリ? ニカイ! ニカイ!」

と言われ、狭い階段をあがり2階へ案内された。


やはり隠れた人気店。一階は既にサラリーマンなどで満席。

ほんとは雑味のある一階が良かったのだがしょうがない。

どうもオレは飲み屋2階と相性がいいらしい(爆)


一階とまったく違う空気で、まるでレストランみたいになってしまった。

まあ、いいか。



上海5


メニューのほとんどは上海家庭料理。


上海6


まずはやっぱり仕事終わりと買い物後の乾いた喉をウルオス。

せっかく上海料理店だから、ここは迷わず


青島ビール 500円


上海7

オレ何気にこのビール好きなのだ。


そしてこの日はフード2品だけ注文。

ひとつは前菜。

もひとつは気になっていて食べてみたいと思っていたメインのモノ。


まずは前菜から。


【碧緑毛豆】

定価800円だがキャンペーンで半額の400円。



上海8

これは枝豆とチンゲン菜だ。

価格的な相場はよくワカランがこれがなかなか美味くて前菜としてはかなり良い。

一般的な居酒屋のメニューにもあればいいのに。



そして、オレが一度食べてみたかったモノ……

【太行金蠍】


読み方はワカランけど、ものすごく簡単に言えば



……の唐揚げだ。



上海9

そう、サソリちゃん。


一度でいいから、この日本でこういうDEEPで‘非日常的’なモノを食べてみたいと前から

思っていた。

それを食べられる店が今まで何度も歩いていた新宿にあったということを改めて最近しったのだ。

もっとも『上海小吃』という店の存在も場所も前から知ってはいたが、こんなメニューがあるとは

思わなかった。


ただサソリなだけに、誰かを店に誘ってもたぶんあまり来てくれる人はいない。

「ちょっと一杯飲みに行こうぜ」と声掛ければ、誰かしら「おお!行く行く!」と

応えるだろうが、

「ちょっとサソリ食いに行こうぜ」と声掛けたものなら男女問わず、サソリの子を散らすように

してカサコソとオレの周りから散ってゆくこと間違いなし。


オレの好奇心に人を無理やり突き合わすのも申し訳ないから、その結果たった一人で

上海までゲテモノツアーにイってQとなった。それが一人の理由。


まさに孤独のグルメというか、サソリだけに‘孤毒’のグルメ。


でも毒針はしっかり抜いて調理してある。当たり前か。

ほら、こんな感じ。 

箸でヒョイっと。

そんなにグロでもないでしょう?



上海10

食べた人のブログとか読むとエビみたいとか書いてあるが、サソリだと聞かされないで

食べればカリカリしてて本当にエビの種類だと思いそうだ。


かなり小ぶりなサソリなので、ゲテモノにありがちな噛んだ瞬間に中から何かがムニっと

とかそういうのがない。

強いていえばカラっと上げたサソリスナックみたいな感じでポリポリと普通に美味く食える。



ビール画像にもちらっと写り込んでいるが、テーブル向かいに日本人のオバサンのお客が

二人いて、オレがサソリ齧っている時に

「あら、一人で来たあの男の人、サソリ食べてるわよ」みたいな表情でオレをちらっと見て

うっすら笑っていた気がした。


フン! 笑いたけりゃ笑え。


そうよ私は サソリ食う男、 お気の済むまで笑うがいいわ。

こんばんわ 美川ケン一です。

もっと端っこウォーキングしなさいよ。


でも改めて、こういうモノが中央線で行ける場所で食う事が出来るとは思っていなかった。

それこそジョーンズ考古学博士と一緒に冒険に繰り出して、魔宮の晩さん会にでも招待

されないと食えないものかと。

もしくはイモトの座を奪うとか(笑)


子供の頃、タマネギが食えなかったオレは周囲の大人や教師からよく

「好き嫌いせずに何でも食べなさい」と言われた。


でも本当に‘何でも食べる’というのはサソリでもヘビでもイモムシでも食べるということだ。

子供だったオレに対して、‘何でも食べろ’と言っていたオトナたちは、当時サソリやイモムシを

出されてもちゃんと食っていたのだろうかとオレずっと疑問に思っていた。


これは決して感情的に言っているわけではない。

人間が生きていて、世の中に干ばつや洪水や震災などの天災がある限り、いつどこで

どういう非日常的なものを食べないといけなくなるかわからないのだ。


そういう状況(他に食物が無くなった時)になって、はじめてしょうがなく食べるのではなく

普段の生活の中でも非日常的なモンを食べることが出来て、はじめて「好き嫌いがない

人間」「好き嫌いするなと人に言える人間」だと思うのだ。


先にいっとくとオレ好き嫌いをなくせない。

ヘビとかは食べることが出来ると思うけど、ゴカイとかはムリだから。

サソリとかタガメみたいな硬い系は大丈夫かな。


とりあえず今回のサソリはいい経験になった。

夏バテに向けて精力もつくとか(笑)


ただ、訪問前にネットみたら価格1500円だったけど、実際行ってメニューみたら

1800円に値上がってた。

バターや肉だけでなくサソリも高騰かよ(._.)


この「上海小吃」には他にもカエル、スズメ、ハト、犬、ウサギなど変わったメニューがたくさん。


好奇心のあるアナタは是非この「不夜城グルメツアー」をおススメしたい。


ゲテモノ抜きにしてもオレは気に入ったのでいつかまた誰か連れてゆきたい。

以上、今夜はちょっとアングラな居酒屋放浪でした。


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