なんとなくクリスタルキング | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。



なんとなくクリスタルキング(1)の音楽記事を書きたくなった。

裏切り(2) 」という言葉から連想する歌はなんですか?という質問を新橋あたりでサラリーマン100人にしたら、おそらく85人くらいが「大都会(3) 」と答えるであろうと想像出来る。

オレはギリギリでリアルタイムだと思うが、かなり小さいころ(4)だから、ほぼ懐かしの
名曲特集(5)とかで見た記憶のほうが濃いといった感じだと思う。

しかし、田中サンの高音から始まり途中からムッシュ氏の「裏切りのぉ~、こと~ばにぃ~」
ドス(6)のきいた声に変わる流れは
多くの人間がカラオケ(7)でモノマネに使用したことだと推測できる。
当然、オレも「ひとりクリスタルキング」という領域に果敢(8)にも挑んだことがある。

いっけん、ふたりともクセがあり、マネしやすく思えて、ふたりを一人で声変えながらマネするときっとウケるぞと言ったような軽い気持ちでマネすると、かなりの確率でヤケド(9)する結果になる。

ムッシュ氏の声質も、田中氏の声質もマネしやすいように見えて、実は二人とも難しいのだ。
それこそ、いかにも簡単に書けそうにみえて、いざ書いてみると意外と難しくてそっくりに
書けないクリリン(10)の似顔絵のような存在である。

田中氏のモノマネも下手すると「モノマネする人のモノマネ(11) 」みたいになり、まわりが引いてしまい、名誉挽回するべく、途中でムッシュ氏の低音モノマネに切り替え、それもまたクオリティが低かった場合、さらに引いて状況が悪化(12)したりという大惨事を招きかねない。

いかにもモノマネしやすそうな人やグループほど、実はかなりチャレンジ精神(13)が必要だという
ことを教えてくれる歌ではある。

ところで、このクリキン(14)の田中サンのほうなのだが、何の因果(15)か草野球中に飛んできた球をたまたま喉に受けて、自慢の高音がでなくなってしまったという。

高音がウリだっただけに、なんたる運の悪さ。
作家で脚本家の向田邦子(16)は、飛行機が大嫌いでずっと使わずに移動を行ってきたが
たまたま我慢して一度乗った飛行機が墜落し、この世をさったのを思わせるくらいの
運命。うーん、アーティスト(17)って何か宿命をもっているのかも。

ちなみに今回の記事構成の意図に関して「?」という人は田中康夫(18)の某作品を参考に
パラパラ(19)っとご覧あれ。




※注釈

(1)クリスタルキング
ムッシュ吉崎と田中昌之の二人が有名なロックバンド。低音&高音コンビということも目立ったが、ヤンキー風とアフロのようなコンビというのも印象深かった。ちなみに片方がアフロと言えば、著者はトータルテンボスとスキマスイッチの区別がつかない。

(2)裏切り
人間が行う背信行為のひとつ。ねずみ男と峰不二子が得意とする。

(3)大都会
人々が優しさを失い、欲望に身を任せる場所。新宿区や港区。西部警察の前身。

(4)小さいころ
まだ誰もが汚れていない幼少期。

(5)名曲特集
常連客は「なごり雪」や「ガンダーラ」。「失恋レストラン」は流せない場合が多い。

(6)ドス
短刀。ここでの場合は重低音をさす。

(7)カラオケ
1980年頃から流行り出した文化。正式名はカラ(空)・オーケストラ。

8)果敢
無謀ともいう。

(9)ヤケド
熱いモノを触ったり、オレに惚れたりすると起こす現象。

(10)クリリン
フリーザの手により空中爆発死。「――のことかぁーーっ!!」。

(11)モノマネする人のモノマネ
ルパンのマネする人は絶対に「ふ~じこちゃ~ン」と言い、えなりのマネする人は
「そーんなこと言ったってしょうがないじゃないか」という。
金八のマネする人は「はい、人という字は……」が定石である。

(12)悪化
bad⇒worse→worst

(13)チャレンジ精神
著者がもっともキライな言葉のひとつであり、同時に体育会系の人間や経営者が好む言葉。

(14)クリキン
クリスタルキングの略称。栗田貫一はクリカン。

(15)因果
関係性もしくは原因。スケバン刑事こと麻宮サキはこれにより「マッポの手先」になった。

(16)向田邦子
昭和を代表する作家で脚本家。小学生時代に教科書に出ていたが、バカなガキのころだった
だけに「ああ、なんか山田邦子みたいな名前だなあ」程度しか思わなかったのを今、反省。

(17)アーティスト
歌や小説や絵を描いたりする人のこと。たまーに別人が曲や詩を書いてて騒動になります。

(18)田中康夫
作家で元長野県知事。字面が似てるうえに同じ作家なので著者はなんとなく「内田康夫」と
混同するが内田康夫は「天河伝説殺人事件」のほうだった(汗)

(19)パラパラ
文章において、本のページや紙をめくる際の効果音。平成初期にそんな踊りが流行った節も。