NORI-BEN | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

日本には四季と「のり弁当」がある。


最近2週に一日は昼飯にロヂャースの「のり弁当」を食べている。


ロジャースのり弁

人生で、今まで多くの「のり弁当」と出逢いを繰り返しては別れてはおらず胃袋に納めてきたが、

198円

は最安だ。驚き。


というか「のり弁」以外にも「コロッケ弁当」「ミックスフライ弁当」など数種類の弁当が198円だ。

まだまだ日本には弁当の桃源郷が存在しているんものだと実感した。


数か月から1年程前まで、「のり弁」と言えば‘280円’ あるいは‘290円’という概念があった。

何処のチェーン店行っても、個人経営の家庭的な弁当屋行ってもだいたいその値段で販売して

おり、10円くらいの前後はあっても、300円は掛からないという優しいフードであった。


オレは弁当屋に関しては、近所にある「○○弁当」という店を利用していた。

そこはもともと有名店のフランチャイズで、のちに独立したような感じで途中で名前や一部の

メニューが変わったような流れだった。

メニューが変わってもテッパンである「からあげ弁当」や「のり弁当」は、たいていどこにでもある。

のり弁当も例によって280円だったので、たまにそこで買っていたが、ある日店に入って買おうと

思い、メニューをみたら、なんと「320円」へ上がっていて驚愕した記憶が鮮明にある。


その頃ある程度、食材が高騰してたには知っていたが、それでもやはり「のり弁」は200円代と

いう意味も含めて「のり弁」なのである。

300円台の「のり弁」なんて、「のり弁」ではない。


そん時、オレはてっきり、その店が個人経営に切り替えたから、やりとりが苦しくなったのかと

思った。何処で買っても同じ値段なら、家から近い店で買おうと思い通っていたが、値段が変わったのなら、多少遠くても280円のままのところで買おうと思い、疎遠になっていた「ほっともっと」に

自転車を飛ばしたが、着いてみて外にあるメニューを見てみたら、なんとそこも320円前後に

上がっていた……。


食材価格高騰と同時に、弁当屋同士の間で協定があるのは知らんが、その後いろんな店を

回ってみても、300円代に値上がっていたので、もうそういう世情なんだと打ちひしがれていた。


それでも、この広い世界のどこかにはまだ200円代の「のり弁」が埋もれているのではないかと

思い、下位属王のオレはそれを探す大航海に出た。

そんな中、なんとなく、とある店をのぞいてみたらなんと「のり弁」が価格据え置きの290円

(280円だったかな?)の店舗がまだ残っていた。


それがなんと大型チェーンの「オリジン弁当」である。


「ほっともっと」がそうだったように、むしろ広い範囲に勢力をもつチェーン店からまっさきに

値上げしてそうなイメージがあったので、「オリジンなんかとっくに値上げしてるだろう」と

勝手に思って、いざ行ってみたら、なんとそのまま。


オリジン見なおした。

数あるチェーン店のなかでも

「うちはお客様あってだから、消費税あがっても値上げはしねえよ」とかインタビューで

言ってる地域密着型食堂の主人のような魂をそこにみた。


そんな流れで、のり弁は280円が一番安いかと思ってたが、ロヂャースのはもっと安かったか。

ま、おかずは気持ちちょっとだけこじんまりとはしているが。


そんな感じでオレは「のり弁」が値段だけでなく味的にも大好きなのだが、以前から素朴な疑問が

ある。


値段に関しては差が出てきたにしても、のり弁に関してはだいたい、どこの店に行っても

つかわれている食材(料理)は同じだと捉えられる。


それをふまえたうえで、この弁当のことを呼ぶとなると、果たして「のり弁当」という名称は

ふさわしいのであろうかという疑問。


多くの弁当屋のレシピと盛りつけを例にして、言ってみるならば、あれは

「白身フライ弁当」、もしくは「白身魚海苔弁当」ではないのだろうか。


白米の中央に一粒の赤い梅干しが埋め込まれているのが「日の丸弁当」というのであれば

白米の上に黒い海苔一枚だけが敷かれているのが「のり弁当」ではないのかということ。

(蛇足だが、著者は梅干しを抜いた時、その「跡地」に残る梅の汗がしみこんだ米の部分が好き)


もちろん、オレは海苔に敬意を払っているんで、別に海苔を陥れようともしていないし、

他の食材との間に格差をつくる意図もない。


ただ、単純に表現や使われている量の問題からすると、弁当の名称の冠に「のり」をもってくるのは冷静に考えると多少の違和感がないでもない。


米が敷き詰めれたあのフィールド上において、それぞれのあの配置と使用量。


あれだけ地味で薄くペラペラながらも、人々の舌にしっとりとした感触と安らぎを与える海苔の

功績と存在は十分認めたいが、どの角度から弁当をとらえてみても、アノ中のあの位置で不動のセンターを守り続けている食材は、「白身フライ」、もしくはその隣にある「磯辺揚げ」または「コロッケ」だと思う。


そう考えるとやははり妥当なのは、白身フライべんと……

いや、勇み足はイカン。


しかしなあ。

一番目立っているのはやはり魚なのに、商品名の冠が「のり」となっているのは

いってみれば、「元祖天才バカボン」や「ドクタースランプ(原作)に近い。

タイトルには名前がないが主人公はどう見ても、パパとアラレだ。


引き立て役の存在や重要さをあえてアピールするというメッセージなのだろうか。


マクドナルドで言えば、フィレオフィッシュのことを「タルタルソースバーガー」と言ってるような

もんではないか。違うか。


つまりはどこに置かれてどんなに目立っているかとか、どれだけつかわれているかではない

のかも。

のり弁を生んだ人は海苔の価値をよく理解しているからこそ、その商品名を残したのだ。


のり弁当の容器を、ある部屋に例えたとして、魚やちくわが家具だとしよう。


家具は一見、大きくて目立って高価そうに見えるが実は、ホームセンターで安く売られているたいして価値のない家具だけど、その下に敷かれている絨毯、つまり米の上と魚の下に敷かれているあの黒い海苔が、実は単なる絨毯ではなくペルシャ絨毯でみんなそこに一番価値があるという

ことに気が付いていないとかいった哲学があったりして。


自分で何書いてるかわからなくなってきた(;一_一)



とりあえず、家か職場の近くにロヂャースがある人は弁当が安いからおススメです。


ただし、不味くはないが味は値段相応だす(笑)