さすがの猿飛っす | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。



小学校中学年くらいの時だったと思う。

クラスの中でちょっと目立つコで「ブッチャー」という渾名の女の子がいた。
おでぶまではいかないと思ったが、全体的にビミョーにまるみを帯びたコではあったので
クラスの仲のいい男子から「ブッチャー」と呼ばれていた。
ブッチャーというのはひと昔前の太った凶暴プロレスラーのリングネームであり、
その名前は「精肉店の主人」を意味する。
厳密に言えば、大人になっても他人に対してそういうことをいえる神経が配線ミスされた
ようなやつもいるんだけど。

子供というものは、まさに残酷の純正みたいな製品で、体質や病気による他人のコンプレックスをずばずばと一刀両断するのだ。しかも、なまくら刀で。

そん時に担任が中年の女性教師で、人権とかそういうことにちょっとうるさい人だった。
ある日、そのコが「ブッチャー」と呼ばれているのを耳にして、ブッチャーというのが
何なのか気になり、わざわざご丁寧に調べて、その猛々しい姿を見たらしい。
案の定、翌日に女性人権派大激怒。自体は臨時学級会へ。

「○○さんは男子からブッチャーと呼ばれています。私はそのブッチャーという人を昨日みて
驚きました……○○さんは女の子です。○○さんがそう呼ばれることに対してみんなはどう思う
んですか?」

と担任はクラス内の民意を問いた。
そんな時、その女の子と仲のいい男子が一言。「だって○○も喜んでるよ」と。

「そんなわけありません!」と担任が即否定。
その後ぐだぐだと言いあったあと、中盤で担任が

「じゃあ、みんあに聞きましょう!○○さんがブッチャーって呼ばれることに対していいと
思いますか! 思う人は手をあげて!」

手をあげたのは三分の一くらいだった。少ない。
「多い」と思う人もいるかもしれないが、小学生くらいの時を思い出してほしい。
実際は違っていると思っていても、当時は男子は男子、女子は女子に味方しないと
やれ「○○は女たらしだ」とか「○○は女から人気あつめようとしてるんだ」とか言われる
ジェネレーションである。それゆえの結果。

ただ、そこで笑いが起きた。男子の一人が言う。
「ほら!○○本人だって、手ェあげてるじゃん!」

見るとそのコもホントに手をあげていた。笑いながら。
そうなんだよ、そのコは別にウケを狙っているわけでもなく、また復讐を恐れてとかでなく
事実として、そうやっていじられることを楽しんで、まわりと仲良くやっていたのだ。
オレはそのグループをからみはなかったが、はたから見ててもその様子は明らかだった。

本人が手をあげてるのをみた担任は何も言えなくなった。
よって、学級会はフェードアウトみたく終了。

女性だけに限らず男性に対しても、そういう渾名をつけるのがいいとはいわない。
傷つく人のほうが明らかに多いと思う。
でも、何から何まで、カタチだけみて注意するというのもまた間違っていると痛感したと
同時に、その担任の立場の無い顏がまた爽快だったのを覚えいる。

でもね、
色の黒いコが「サンコン」「クロマティ―」「ブッ○ュマン(もしくはコイサンマン)」と
ストレートに渾名されるように、太っているコは大体、当時子供の間で有名なキャラクター
とかスポーツ選手の名前を渾名にされる。

今のアニメキャラってみんなスマートなんじゃないかな。
昭和の時代は太ったキャラが愛嬌があるって前提だったから。

コスプレしやすいキャラよりも、カンペンとか巾着袋のプリントされてたらポップになる
ようなキャラね。

おでびのコの渾名の本ネタになるキャラのひとり。
それが「さすがの猿飛」主人公の肉丸

この頃はけっこう忍者モノアニメも多かったような気がする。
王道は言うまでもなく「ハットリくん」だが。

「さすがの猿飛」は流し気味ながら、見てたんだけど筋はよく憶えていない。
というかギャグ中心だから、しっかりと通ったストーリーは無かった気がする。

でも、この主題歌は流行ったな。
流行が2周くらい回って、今でもいけそうな気がする。

恋の呪文はスキトキメトキス……。要するに回文。

単純だけど、その単純さが時代を感じられていいような気がする。
歌っている人の声や特徴も素晴らしいし、このOP映像も改めて芸術的だなあーっと
思う。
原作者はグーグーガンモと同じ人なのね。なんか作風似てると思ったわ。