ヒネくれてて、少し優しい | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

去年の暮れから現在にかけて、忘年会新年会シーズン真っただ中。


数人で居酒屋にぞろぞろ入っていって、席ついて、まず麦酒を一回頼んで、次に食べ物を

頼む時、こちらの希望を一通り伝えたあと、店員が

「本日は、新鮮な○○がおすすめとなってますが、それもいかがでしょうか?」と

セールスしてくることも多い。


この店員のおすすめに対する周りの答えで、オレは意外性に驚いてる。

オレの周りだけかもしれないが、けっこう多くの人間が気軽に

「じゃあ、それも」

と言って頼むのだ。


料理名だけで、なんとなくどんなものか想像くらいは出来るのだが、店員に言われたあと

写真を見たわけでもボリュームを見たわけでもなく、いとも簡単に「じゃあ、それも」と答える。


なんと、心が広いことだろうか! オレはそこで即答できる人間に「菩薩」を見ることが出来る。


即答する理由で考えられるケースは3つ。


1・店員から料理名を聞いて、素直に「食べたい」と思った。

2・どんな料理かわからんが、店員がすすめるなら試しに頼んでみようと思った。

3・特に興味はないが、「客に対して今日はこれをすすめろ!」とミーティングで強く言われて

  その任務を必死に遂行している店員へのご祝儀みたいなモン。


1の理由なら、まあそれも当然だろうなあと思うのだが、オレには、2,3の選択肢は選べんわ。

いや、1の理由で、もしその時名前を聞いて、ちょっと引かれても、一旦そこは断って、少したったら

改めて注文すると思う。


これはねえ、


まあ、簡単に言えば、オレがひねくれてるわけよね。先に認めておくけど。


実際旨そうだなって思っても、強くアピールされると、あえてその店員からは頼みたくなくなる。

なんか、悔しいのだ。


例えば、そのメニューに関して、その時にその店員が教えてくれたことで初めて、そんな興味深い

メニューがあったのかという場合は、まだそこで頼むかもしれない。


でも、前もってその料理の存在を知っていて、入店したら頼もうと思っていた時に、店員が先手で

「今日は○○ガおススメですがいかがですか!」と言ってきたら頼みたくない。


なんかね、オレは言われなくても、もともとそれを頼もうと思っていたんだけど、先に言われた

あとのタイミングでそれを注文すると、その店員が

「やった!オレの話術でオーダーさせてやったぜ!」

と、思いそうで、なんか悔しいのだ。

いや、わかるよ。オレの器が小さいのは。でもイヤなもんはイヤだ(笑)


1年以上にも「怒り酒場」 という記事で、ちらっと書いて、その後、それを読んだ3,4人の知人が

意外にも大共感の声をくれて嬉しかった考えのひとつだが、オレは

「いつも前向きで明るくて爽やかで笑顔が似合って声が大きくハキハキした人間」

が正直好きではない。

うっとおしくて押しつけがましくてインチキくさいから。


だから、出来ればそういうクジケ知らずの連中には、勝利感というかそういうのを味わせたく

ないのだ ←(これを書いた時点で好感度40%↓ww)


現実を教えるために、厳しさを見せてやりたくなる。


なんていうかねえ!とりあえず「元気」で「必要以上の笑顔」で「積極的」に来られるのが

イヤなのよ。もっと自然体で、ありのままで来てほしい。


だから、オレは訪問販売だろうが、営業担当だろうが、初対面の時からニコニコしてる

やつからは、ものを買いたくない!


洋服屋とかでもそうだよねえ。

物色してたら、今でも必要以上に話しかけてきて、「これが今流行ってます」とか

「お客様だったら、お見合いだと思いますよ」とか言ってくる店員多い。

めっちゃ笑顔で……。


まあ、仕事なんで「笑顔で積極的にお客様に話しかけてすすめろ」っていう指示を出されて

それを必死にまっとうしてるんだろうなという姿勢は同情するが、オレは逆に買わなくなる。


もっといえば、最初から買おうと思っていた商品を改めて再確認で見ている時に店員が

やってきて、「それオススメですよ、どうですか!」とか言われたら、その時は一旦買うのを

辞めると思う。

オレは誰に勧められたからというわけでもなく、もとから自分でその商品を買おうと思って

来たのに、店員にそういわれたあとのタイミングで「そうですね、じゃあ、これください」と

言うと、その店員にまたしても「やった!オレの交渉術で買わせてやった!」というふうに

喜ばせるような結果になりそうで、なんかシャクだ。


だから、店員から声をかけられた時点で、たぶん買わずに一度店を出る。

そして店員が寄ってきそうもない時に再訪し、ひとりでそれをレジに持って行き買いたいと

思う。が、実際にはめんどくさくてそこまで出来ない。

でも、やっぱ「笑顔で元気で積極的な人間」に優越感を与えるのはシャクなんだよな~(笑)


でも、そんなオレだけど、絶対に「人(店員)にかかわらず購入や注文をすすめたい」という

わけじゃない。


オレが嫌いなのは「明るくて元気でいつも笑顔で声が大きくハキハキしたヤツ」である。


昔、営業マン時代に

「自分が窓口だったら、こういう営業マンからだけは絶対モノを買いたくないという営業マンを

考えろ」

と何回か言われた。


その結果がやはり上に書いたような、押しつけがましく、インチキくさい爽やかハキハキ営業マンである。

(これ、理解者がいたのは意外で、ホントにオレは泣きたいくらい嬉しかった!)


だから逆に、自然体だったり、本当はモノを売りたいんだうけど、客に気を遣って強く勧めることが

出来ずにモジモジしてるような店員や営業マンには、ポイントというか貢献してあげたいという

気持ちがすごいわくのだ。


たとえば、さっきの居酒屋のバターン。

前もって、その日のおススメをキャンペーンメニュー表とかで知ってた事を前提とする。


元気のいい店員が

「今日は○○がおススメです!どうですかあ!ぜひ!」

とか言ってきたら

「いや、それはいいです」

とキッパリ断る。


心の中では

「誰がオマエみたいなポジティブ信仰人間に受注成績アップの貢献してやるか!アホ!」

である。


逆にちょっと気が弱そうで、客に対しても気を遣いそうな店員が

「あのう……もしよろしければなんですが……本日はですね、この○○が……」

とかいうような申し訳なさそうな控えめな感じで言ってくれば、それはオレの人情のツボである。


「ああ、このコは優しくて、たとえ商売での上からの命令とはいえ、客の自由を尊重して

あまり強く言えないんだな……今後も苦労するだろうな。それほど食べたいわけじゃないけど

ちょっと力になってあげようかな」

って思い、「じゃあそれをひとつ」って言いそうな気がする。


元気な店員に対して、オレにとって都合言い方すれば、

これだけたくさんきている客の中で、オレひとりが断ったって、他にいる単純な客だまくらかして

たんまりと注文とれるだろうと。

でも、そういう控えめなコは、オレみたいにそういう人間の苦悩をわかった人間じゃないと……

っていう考え。


つまり、結果として、

オレって優しいんじゃないかってことだわ(笑)