ガリレオより金田一 | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

正月の三が日も、午前中はすべて家にいた。

とりあえず起きてもすることがない。


例により正月はテレビも面白くないのだが、とりあえずつけてみると、画面に見憶えのある

タイトルが浮かぶ。

「鍵のかかった部屋」

どうやら再放送らしいけど。

(正月放送だけに、局としては傑作選とか名作ドラマ劇場とか言って欲しいんだろうな)


オレはもともと、このドラマの存在は知らなかった。

どうしてタイトルに見憶えがあったかというと、少し前にほんとに偶然で、ドラマの事を知らずに

貴志祐介の原作本のほうを借りて読んでいたのだ。


それでピンときて、「アレ? もしかしたら作品の映像化かな」と思い、番組紹介を見てみたら

ビンゴだったので、普段ドラマは見ないけど、原作読んだあとだったので文章と映像を比較して

みたくて数話だけ見てみた。


うーん……

個人的にはつまらなくもなく、面白くもなく……。

簡単に言えば、題名のとおり、1話完結の「密室トリックもの」の詰め合わせだ。


ハッキリ言うと、この作品に関しては、全ての話がというわけではないが原作のほうも

あまりピンとこなかった。

貴志祐介という作家に関してはおそらくホラーやサスペンスが十八番で、映像ジャンルでも

大竹しのぶが怪演した「黒い家」や三池崇監督の「悪の教典」も好きのなのだが、

「鍵~」にかんしては共になんともなあといったのところが正直な感想。


ただ、素人読者として、エラそーにいわせてもらうと、決して原作もドラマも内容が悪いという

ことではない。

単純にオレが「こういう類のミステリー」があまり得意じゃないという事だと思う。


密室の作り方にせよ、殺人方法にせよ、トリックが「機械的」「科学的」なモノって、オレちょっと

苦手なのよね。


以前、あまりにも話題になってるから時間あったとき、「ガレリオ」のドラマ版も数回見てみた

けど、あんまりハマらなかった。 「鍵~」と同じような感じで。


ここ数年くらい、警察官や探偵とかでなくて、専門的な知識を持った博士や教授、

もしくは職人的な能力をもったエンジニアとかが謎をとくミステリーものが多いような

気がする。


そういう人達が主役のミステリーだから、当然、犯人が仕掛けたトリックもかなり‘専門的’な

ものとなる。

そして、そのトリックに使われた道具も、なんか専門的な工具とか薬品とか……。


教授とか科学者が犯人の場合、ふだんは実験室においてある人影を投影できる小型装置を

使用したとか、数年に一度だけ発生する気象現象の時間を計算して、それをアリバイに利用した

とかいうトリックはなんとなく強引な「チカラ技」に見えてしまう。

オレだけ??


鍵の話にしても、高性能のモノは構造的な知識が絡んでくるし、ドアがあかないトリックにしても

いろんな道具をつかってまでの気圧を利用したものとかだと、文系のオレには

(?_?)

といった表情になってしまう。


専門知識やバケ学知識が皆無だけに、本当にそんな現象がおこるのか?と、

それこそ無知な読者や視聴者を騙すトリックなんじゃないかと(笑)


解決の結末まで、さんざん引っ張られてきて、最後の最後でおいてかれていかれた感じが

するときは多々あった(汗)


でも、実際ね、

あらゆる古典的なトリックというのは、ほとんどがもういろんな作品で出されてしまっていて

比較的斬新なトリックモノや密室モノを書こうとすると、行き着く場所がそこになってしまう

というのはしょうがないのは理解できる。

ミステリー作家さんも大変だわ。


しかもね、これだけ科学やコンピュータ、あるいはセキュリティシステムがすごい勢いで進化

していってる現代の中で、そういう力で簡単に解決できない「謎」をどんどんつくりだしていかなければいけないわけだから、かなりの苦悩と重労働だと思える。

(最後に一応フォロー)


と、いうことで今回の記事は、ホントのホントに「批判」ではありません。

純粋な「文系人間の嘆き」です(笑)


いやあー、だって昔から科学とか数学とか機械とか苦手だからさ~。

そのテのトリックはちょっとムズカシイのよね。


オレはやっぱ、

最新式のテッペキなセキュリティーを誇るオフィスの中で社長が殺された密室殺人とかよりも

平和な地方の山奥にある一軒家の中で、強欲で有名な大地主が殺されて、さえない名探偵が

解決にのりだすようなミステリーのほうが好きだな。