さきに言っておきます。メンドくさい話です。でも真剣なテーマです。
大岡越前とかでお馴染みの「町奉行」はエリートが集まったお役所集団のようなイメージを
うけるが、実際はかなりのハードワークで多くの過労死者が出たらしい。
オレはウルトラマンシリーズが大好きで、ここ最近のイケメン(この言葉好きじゃないが)主役
路線以外の過去の作品は一通り見ているが、そういえばあの「ウルトラ警備隊」…
未知の巨大怪獣から地球を守るという責任重大の組織なのに、人数5人前後って…(;一_一)
殉職者の話はあまり聞かないが隊員が入れ替わってる話もあんまきかないから募集かけても
誰も志願しないんだろうな。怪獣怖いしね。そう言う意味で人が集まらない、また入隊しても
キケンで死ぬかもしれないと考えたら「町奉行」も「ウルトラ警備隊」も画面の中ではカッコいい
存在になってるけど、今で言えば「ブラック企業」になるのかもしれん。いや、なる。
ブラック企業と言えば、昨年のブラック企業大賞は「ワタミ」だっけか。渡邉美樹がトップの。
有名飲食店とか量販店てのは、消費者に向けてはそんな悪い評価はないけど、その組織の
中の従業員の扱いはヒドイらしい。
先週末の飲み会記事で店を最初「和民」にしようかと考えたと書いたが、しないでよかった。
ワタミグループ関して、従業員を自殺に追い込んだ事件があったのは知っていたが、
それとは別にそれに対する渡邉美樹の対応、および、メディアにおける経営姿勢の発言を
聞いたら驚いたというか、呆れた。とんもない「おカネモンスター」である。
オレはさほどテレビ見ないので、今さらなうえに既に有名だったら申し訳ないのだが、
「カンブリア宮殿」にて、あのエグくてシビアな表現でもお馴染みの村上龍でさえ、ドン引きした
渡邉のコメントを下に引用する。
今さらだったら申し訳ないが、オレは最近このコメントを知って驚いたのと、オレと同じく、まだ
知らない人のために添付
↓
ワタミ社長「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから 無理になるんですよ」
村上龍「?」
ワタミ「途中で止めるから無理になるんです。途中で止めなければ無理じゃ無くなります」
村上「いやいやいや、順序としては『無理だから→途中で止めてしまう』んですよね?」
ワタミ「いえ、途中で止めてしまうから無理になるんです」
村上「?」
ワタミ「止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやら せる」
村上「一週間」
ワタミ「そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう」
村上「・・・んん??」
ワタミ「無理じゃなかったって事です。実際に一週間もやったのだから。『無理』という言葉は嘘だった」
村上「いや、一週間やったんじゃなくやらせたって事でしょ。鼻血が出ても倒れても」
ワタミ「しかし現実としてやったのですから無理じゃなかった。
その後はもう『無理』なんて言葉は言わせません」
村上 「それこそ僕には無理だなあ」
以上。
・・・
いかがだろうか。
堂々と我々は人間の人権を無視したブラック企業だと言ってるようなもんだ。
ある意味、正直なのかもしれないが。
リアルタイムで見てたわけでないから、あまり鵜呑みにするようなコメントは出来ないが
だいたいこのテの番組は、ゲストの経営者が的外れなこと言ってもMCがうまくフォローして
まとめるもんだが村上龍は絶句したと…
もう、最初の「ムリは嘘つきの言葉」というところで人間性を疑う。
同時に、成功者・経営者・苦労人が決して人格者ではないということを証明してくれた(笑)
こんなのが都知事にならないでよかった。
もしなったら、都民総和民従業員化の危機だったな。
ま、当然オレは渡邉に票入れてないけど。
渡邉は入社わずかな若者1人殺しておいて、明確な謝罪もせず、業務体制における改善も
反省もせず、「ワタミは決してブラック企業ではありません」とか「社員は宝です」とホザいてる。
たしかに「社員は宝」というのは本音だろう。
自分に入るカネを生むのだから。そしてその宝を積んでる船が多少重くなってきたり、
その宝がちょっと草臥れてきたら大海原に捨てるのだ。負担を軽くするために。
「社員が家族」だったら捨てない。「宝」だから捨てたい時に捨てるのだ。これがオレの見解。
どうも有名飲食店とか量販店のサービス業ってのは、消費者に向けてのサービスに関しては
あまり悪い評判ないが、儲けと事業拡大の亡霊にとり憑かれられてる感があり、従業員に対する
扱いはサイアクな風潮がある。
でっかくて有名な企業ほど、商品とかは悪くないのに従業員の評判が悪く、離職者や自殺者が
多い。そう軌道に乗るということがそういうサダメなのだろうか。
どんなに利益を生んで、事業が多くなっても固定の従業員確保して守れない人間は商才はあっても経営者としては失格だという人は多い。
離職者数と言えば最近叩かれてる「ユニ黒」もそう。まさにブラック。
そう、君だよ、ヤナイ君 (笑)
ファーストリテイリングとは「早い小売業」を意味する。
「社員が辞めるのが」早いという意味ではしっかり的を得たセンスあるネーミングだ。
あのコストパフォーマンスは見事。
オレももちろん、消費者のココロは見事にがっちり掴んだ。
衣類もそんなに粗悪でなく評判も悪くは無い。
だけど従業員のココロは掴めなかったようだね。
世界的長者にもなったから、これで従業員さえしっかり守ることが出来れば、
商売人としても人間としても完璧だったかもしれないけど、
経営者としては「裸の王様」だ。
裸では寒かろう。フリースでも着て温まってろ(笑)
ただ、聞いた限りでは離職者は大量生産してても、死者は出したことないだろうぶんだけ
渡邉よりはマシ。しっかり本人に辞める余裕を与えてるだけエライ。
だからユニクロはまだちょっとだけカネを落としてもいい。商品は悪くないのは認めるし。
でも、ワタミ!
基本、オレは思想と嗜好はある程度別として考えてるし、こだわり過ぎると何処へも行けなく
なるし、何も買えなくなるから、そこはテキトーだったが、さすがにこの「カンブリア」でのコメントと
自殺に追い込まれた女性本人と遺族の気持ち考えたら、もう「ワタミ」にカネは落とせん。
もともと「ブラック企業」というモノを許せないキモチがあるだけに、さらにこの事件と発言で怒りが
沸いてきた。
居酒屋好きのオレとしては各地に店舗を持つチェーン店との決別は正直ツライ。
だけど、和民のような「ブラック企業」と渡邉美樹のような「資本主義の化身」は許せないのだ。
死者まで出しているし。
いくら安くて美味いと言ってもそんな企業にカネは落とせん。
そんな企業にカネを落とすと勢力拡大資金に協力することとなり、さらに多くのバイトや従業員
が過労処刑される場を作らせることになる。
暴力団の経営する店と取引して活動資金を提供することや、シーシェパードに寄付するのと
同じことだ。
誘う側とかの事情もあるだろうから、100%とは言えないが
少なくても今後、自分の提案で「和民」へは行かない。
チェーン店を拡大する企業の特性は、儲けが出ても決して社員の給料を上げたりせず、
社員にはなにかと理由つけて一定の金額しか払わず、壊れるまで使って、肝心の儲け分は
系列店増加や子会社増設に回すことである。
そう、上層部のオッサンの定年後の天下り先を確保するために。
社員や若者はどんなに回転しても恩恵はスズメの涙ほど降りてくるかどうかという切実な問題。
そう、ブラック企業やワンマン経営の企業の中では
社長 - 神
役員 - 人間
一般社員 - ゴミ
という経営陣の意識が存在するのだ。言い方悪いが事実である。
「ブラック企業に負けない」という本の文を引用すると
ブラック企業の社員に対する本音は、社員が成長することではなく、擦り切れるまで使いたい。
ということだという。
未だに理想論や精神論を振りかざす者もいるが、今の世の中で「頑張って認めてもらう」は
通用しないとのこと。これはナットク。
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とにかくブラック企業の増殖が止まらない。
なんとかせねば若者だけでなくどんどん過労死者や自殺者が増えてゆく。
自民党は好きじゃない。だけど詳しく知らないがブラック企業の社名を公表する案は
聞いた限りでは支持する。他の政党もこれはまとめて取り掛かっていただきたい。
出来る限りでもいいんで早いうちに悪の芽は狩りとらないと成長してからでは厄介だ。