さんまの名探偵 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

小学校の頃、夜9時くらいにもう布団にもぐっていると、隣の部屋で親が観てる
「火曜サスペンス劇場」のオープニング曲とCM前キャッチが聞こえてきて、
そのメロディがヤケに怖かったのを覚えている。友人も家で同じ環境だったらしく
意気投合して、その件で盛り上がりお互い「あんなの観んなよなあ!」と言ってた
気がする。ああ、コレコレ↓


もう、パトカーのサイレンの音やら、鈍器で頭を殴る効果音やら、ナイフが腹に刺さるズブッ
っていう効果音から、片平なぎさの悲鳴まで物騒な音のオンパレードで小学生にとっては
「トラウマの玉手箱やー」なんて感じ。

ちょうどその時期くらいからファミリーコンピュータでも「ミステリー」「殺人事件推理」モン
のゲームが「ポートピア連続殺人事件」を筆頭にたくさん出始めたと思う。

なかでも印象に残ったゲームのひとつがコレ。
『さんまの名探偵』



このあたりのファミコン業界風潮としては、先に書いた推理モノゲームと並行して、
いわゆる「芸能人主人公モノ」もどんどん出ていた。
田代まさし、所ジョージ、ラサール石井、TMネットワーク、中山美穂・・・
しかし、ほとんどが「とりあえずゲームの看板としてタレントを主役にもってきとけ」的な
メーカーの戦略のもとに企画作成されたモノにより、そのタレントの芸風や活動内容とは
全くカンケ―ないストーリー進行のゲームが多かった。

テレビ局のドラマとかは、まず売れっ子タレントのスケジュールだけ抑えるために、
しばらく先のドラマでもまずオファーだけ掛けて人気タレントのスケジュールを確保し、
追ってドラマ内容やタイトル、他のキャストを決めるらしいが、それに近いと思う。

そういや、何年も前に内田有紀が世に出て注目されだした時に、フジテレビが異常なくらい
使ってたな。ひとつの出演ドラマが終わったらクールスパンなく、もうその後釜ドラマの
出演者にも組み込んだりして それが3,4作くらい連続した気がする。
後半のほうは本編観るまでもなく番宣でタイトルと概要みるだけで、なんかムリヤリ感があった
のは後になって思えばそういうことだったのかとナットク。

閑話休題。

そんな流れで、この「さんまの名探偵」が出た当初も、子供ながらに「どうせ有名人モノ」と
思って見向きもしなかった。
ちょっと前には、今でこそ少しまたプレイしてみたい気もするが、タレントモノ×クソゲーの
称号を得た「たけしの挑戦状」という前例もあったので。

でもどんなに前評判が良くないゲームでもクラスに男子が20人以上いると不思議と1人くらいは
そういう「イロもんゲーム」を買ってるという方程式が成立するのだ。

よくつるんでいた友人の一人にU (ニックネームはもっこり星人)というヤツがいて、
そいつの話を聞いてみたら「面白い」というではないか。

それなら是非試してみたい!と思い、Uがそれなりにプレイし終わったあと借りてみた。

「面白い」

ずば抜けてというほどではないが、これがまた「タレントもんゲーム」の中では
かなりの質にして名作だった。

ここでちょっとだけ話を遡って、最初になぜ「火サス」の話題を出したかというと
最近のサスペンスドラマや推理ゲームは、襲われた瞬間の恐怖や死体が出た瞬間の恐怖感を
火サスのようにセンセーショナルな効果音や曲で煽る。

だが、当時のファミコンには今のような技術や派手さは無いんで、アクションゲームはともかく
選択肢で進んでゆく推理モンは、ほとんどBGMや効果音がなく、どちらかといえば「静か」。
コマンド選択した時の電子音がいちばんよく聴く音だったと思う(多少はBGMも効果音もあるが)

しかし、その「静かさ」と「音の少なさ」がゆったりして逆に不気味さが増して怖かった。
映像のほうも、キャラ、背景、死体画像ともに画が粗く単純なイラストみたいなもんだけど
それもまた何故か怖かった。夜中にやるのは抵抗あったし。

そんな「さんまの名探偵」
さて、本編を語ってゆこう。

これは「吉本興行」とタイアップだったのだろうか。
登場人物は、主人公のさんまを始め、巨人阪神、いくよくるよ、サブローシローなど
実在する吉本の大御所ばかり。

そして解決する事件となる殺人事件の被害者は「桂文珍」w
上の動画で殺されるシーンがある。こんな単純な映像でも夜ひとりでやるのは怖かったw

その文珍を殺した犯人を名探偵さんまと自分のコンビで突きとめるという流れ。

こういう選択肢進行ゲームにはお約束の「ゲーム内ミニゲーム」もしっかりある。
競艇場にゆくと「横山やっさん」がいて競艇に勝つと情報を教えてくれる。
船に乗り込んで、ひたすらボタンを連打してスピードを出してやっさんに勝つというゲーム。
これがなかなか勝てないんだな。たぶんゲームプログラマーが難易度高くしたと思うんだが。

それと、登場人物に関しては、もひとつ気になることが。
あえてイニシャルにしておくが、元吉本のS・Sサンというかたもこのゲームにキャラとして
登場していたのだ。

で、その人のゲームの中でのキャラは、オレの記憶の限りだと、途中で真犯人に絡んでだったか
は微妙だが、ちょっと悪い奴に加担してしまい、さんまに会った時に逃げて、一回捕まえられ
また逃げて、さんまが「逃げられた」と残念がってたら、遠くで悲鳴が聞こえ、言ってみたら
(自殺にみせかけて)殺されてたというキャラだった。

これがなんかね・・・
モデルになったタレントさんは実際にはもちろん殺されてなんかいないが、芸能界にはもう
いないわけ・・・。つまりゲーム内での「殺害」というものが3次元で「引退」に置き換え
られたかみたいな数奇な現実を感じる・・・こわい。

前に書いた「ジョジョの奇妙な冒険」における荒木先生の9.11テロ予言の記事もそうだけど
過去の作品とかを振り返ってみると奇妙な一致というものはあるもんなんだなあ。

最近ゲームは全くやってないけど、「さんま~」はまたちょっとやりたいかもしれない。

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ちなみになんで今回急に久々のゲームネタで、しかもこのゲームだったかというと
週末飲みに街に出た時、早めにいって本屋で時間潰してたら、懐かしいモノを紹介する
本に出てたから、思い出して記事にしたくなった。
ゲームの他にも、80年代のテレビ、プロ野球、キン消しなどのホビーなどたくさん出てる
から、好きな人は読んでみてくだせえ。

懐かしMAX (ベストムックシリーズ・87)/著者不明

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