三浦しをん「乙女なげやり」他 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

今書店に出ている「本の雑誌ダ・ヴィンチ」の特集が三浦しをん。

オレも最近読んでたし、せっかくのタイミングなんで記事に。

ささやかな広告効果にでもなっていただければ幸い。


乙女なげやり (新潮文庫)/三浦 しをん
¥546
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オレの個人的な所感。

小説は男性作家のほうが面白いけど、エッセイは女性作家のほうがキモチ面白いかな。


申し訳ないが三浦しをんに関して小説は読んだことはない。今「舟を編む」とか話題だけど。

でもエッセイは最新以外はほぼ読んだと思う。たぶん。


男女問わず読んでて楽しめる本で、通勤電車内とか読むにはベストだと思うが、

上のようなイラストの表紙が多いんで、男性の方は表紙カバーとかを裏っかえして読まないと

女子高生から排泄物を見るような目でみられるかもしれんから要注意。


ふだんはBL漫画好きで、弟からは「ブタさん」と呼ばれている三浦サン。

本人はもちろん、家族や友人などの取り巻きの人の言う事とかのエピソードが

面白い。着眼点や表現力が鋭い人が集まっている。


彼女の友人の話によると、

「ジャニーズのタレントに背が低いオトコが多い」には理由があるらしい。

背が低いのが多いということはオレも昔からなんとなく感じていた。


その友人によると、彼らは

「体の全エネルギーを顏に集中させているから」 とのこと。

医学的や科学的には証明しようがないが、なんとなくそんなような気もしてくる。

毎日鏡を見ると顔つきはホントに変わるとかいう説もあるくらいだから。


ハイヒールで歩道橋歩いてて、バランス崩して、両膝をつき、そのまま正座状態で

歩道橋の階段をダダダダダ!と滑り下りてきた女の人を見た時の例えが

「ガンタンクみたいだった」 という表現は笑った。


ガンダム知らない人向けに一応説明しておくと、ガンダムに出てくるモビルスーツで

下半身が戦車でキュラキュラキュラと岩場でもどこでも乗り越えて進んでゆく戦闘ロボが

あるのです。重装甲で攻撃力バツグンなのに何故かガンプラでは人気ない。

HGUC 1/144 RX-75 ガンタンク (機動戦士ガンダム)/バンダイ
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ちなみに三浦サンは女性だけど「ガンダム好き」

ガンダムを知らない年下の女の子に会った時は「これがニュータイプかっ!?」っと

思ったらしい。三浦サン巧い。 あとジョジョも好きみたいね。


あと、オレは少女マンガは全く読まないから、そのヘンの章は正直楽しめなかったんだけど

少女マンガ読む女性には更に楽しめるかもしれない。けっこう語っているから。


少女アニメに関しては幼少の頃ほんの少しみたことあるがマンガは全く未知の領域なのよね。


サブカルを語る上で、ちょっと知っておいたほうがいいのかもしれんけど、前にテレビでケンコバが

「少女漫画に出てくる主人公に惚れてる健気で純粋な脇役のオトコのコは、まず結ばれない」

から残酷だって言ってからな。こんだけ純粋なオトコで必死にやってるにのそれでも主人公は

活発で2枚目のほうと結ばれると。

全くオンナノコってのはデリケートに好きしてもへったくれもないもんだぜえ(爆)


閑話休題


その他にのたくさんのエピソードが満載だが、その気取らない姿勢とプチカミングアウト的な

文体は好感的。


クリスマスイヴは実家帰ってイモの天ぷら食べてたとか、

修学旅行の夜の部屋では「好きな男子」の話とかせず、夜更けまで「北斗の拳」の主題歌に

ついて友人と語っていたとか。


これは昔イケてなかった人、あるいはイケてたグループに属しててイケてないグループの

生態をわかってない人にはぜひ読んでもらいたい。

イケていないエピソードをここまでエンタメ仕上げにするのは、やはり彼女の才能。

文化系天才だと思う。たぶん話しとかしてても楽しませてくれそうである。


ヘタにイケてた女性とかは黙ってその場にいるだけで、男子がチヤホヤして喜ばせたり

笑わそうとするから、自分から笑わそうとか盛りあげたりしようとかしないと思う。

一緒に飲んだりするなら三浦サンのような人のほうが楽しめると思う。


もし、女性有名人の誰か1人と飲みに行ける権利があって、それが誰かも選べるとしたら

すごい悩むところだ…。

「三浦しをん」か「オアシズの大久保サン」か…。

どっちも飲みの場ではスゴイ面白そうだ。




一冊目紹介が長くなったが、もう一冊はとりあえずコレ。


まずいスープ (新潮文庫)/戌井 昭人
¥483
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この作者の戌井サンという人は、前に「情熱大陸」で特集されてたんで読んでみた。


「父が消えた。アメ横で買った魚でつくったまずいスープを残し、サウナに行くと言ったきり忽然と」

(裏表紙解説より引用)

表現とかは独特っす。のらりくらりとして。

「ABAB(アブアブ)という人を馬鹿にしたような名前のデパート」…たしかに。


戌井サンは芥川賞を狙っているとのことでいつも候補には入っている。


素人意見だけど、芥川賞向けにしては、出てくる文明というか時代風俗が最近ぽく

すぎるかも。

今は選考委員降りたけど、石原慎太郎はこういうホワーンとした芸風の作品は好まなかった

んじゃないかと思う。あのヒトは「アサッテの人」の諏訪サンや村上春樹も認めてないからね。


個人的にはそれほど面白いとは思わなかったけど、こういうボンヤリノラリクラリ的芸風は

キライじゃない。


表紙のイラストのタッチがどっかで見たことある気がしたと思ったら、美術家の束芋サン

イラストだった。

そういや束芋サンの個展とかも行ってみたいもんだ。