川上未映子の「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

昨夜は猫ひろしの手も借りたいほど急に忙しくなったんでブログ休息。

今日も疲れて帰宅だが作家気取りでブログ執筆。


読書の秋なんで、かたっぱしから読んだ本のレビュー書きたいが数が多いので

厳選。


今回は川上未映子の

『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』


そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (講談社文庫)/川上 未映子
¥550
Amazon.co.jp

元はブログの随筆集。

説明をから引用すると-

瑞々しい感性と卓越した表現で綴られたがむしゃらな日常に湧き起る喜怒哀楽と

問いの数々。

なるほど。たしかに読んでて感性はスゴイと感じた。川上ワールドを持っている。


この人もみかけはベッピンさんですもんね。

いわゆるちょっと強気な「お姉様系」

週刊プレイボーイか週刊宝石のライターに書かせたなら「おねーたま系♡」ww


存在感のセクスィ―さは確信犯だと思う。でもイヤミがない。

それはおそらく女優やタレントではなくて土台となるステージが文学と音楽だから。


単に美人なだけでテレビとか雑誌に出まくっている安っぽいメッキでコーティング

されたモデルやアイドルとか違う。

知的さと自分の世界を持ち、人を楽しますことが出来る作家なのだ。

こういう人オレ好き。個人的にアクティブな女性は苦手じゃ。


随筆内容も自分の生い立ちからモノの対する価値観まで多くを書いているが

たしかに瑞々しい感性。アホや良識者には出来ない表現である。


「キャロルとナンシー」という章では小さいころ姉とシルバニアファミリーを買いにいった

エピソードが書いてあるが、とてもホッコリと優しいキモチになり感動できるエピソードだった

これは必読!とくに女性で姉妹がいる人!



また、本人は仕入れた雑学なども書いてあるんで、内容暴露にならない程度に

引用抜粋して紹介。


「!」 と 「?」のマークってあるじゃないですか。

あれ、猫マークって言って猫の後ろからの模様を表したよーですわ。


「!」はビックリした時の様子。驚いてシッポがピーンと立ってるの。

「?」はハテ?って感じでシッポがホニョってなってる。

下の点は何を表すかもうわかりますよね。オシリの穴よん。


そおだったんですねえ。へえへえへえへえへえへえ・・・。6へえ。


それと、「井の中の蛙・・・」っていう諺。アレ、大海を知っていう後に実は続きがあって

「されど、空の青さを知る」って続くらしく、実は良い意味の諺なんですと。


勉強になりますね。

ちなみに椎名誠氏の本に、よく作家とかがホテルとかに籠って執筆することを

「カンヅメ」というがアレは実は「缶詰め」でなく「館詰め」だと書いてあったのも

驚いた。半ば監禁で閉じ込められるから「「缶詰」というイメージがあるが

ホテルなどの建物に籠るという意味の「館詰め」らしい。

本読むと知識豊富になりますねえww。


また川上おねーさまの内容に戻って、雑学のほかに当然、思想や価値観に

ついてのコラムもあり。その例えもまた面白い。


人生って、悪いコトしてなくても交通事故や天災にあう確率って絶対存在するじゃ

ないですか。

それに関しても

「人生というか世界に強制参加のホンキのロシアンルーレットがある」と書いている。


うむむ、まさにそのとーり。オイラもそう思う。

オイラたちはまっとうに生きてても絶えず不条理という弾の込められた不公平という

拳銃をこめかみに当てられてるのだよ。


毎日を過ごすこと=リボルバーをまわすこと。←ウマイこと言ってないすか!?


強盗に合う、交通事故に合う、通り魔に合う、テロに合う、強姦に合う、詐欺に合う、

震災に合う、洪水に合う、ストーカーに合う、リストラに合う、オレオレ詐欺に合う、

左遷に合う、別れた人に逢う、ロスインディオス&シルビアに合う・・・etc


極端なハナシ、今から3秒後の世界には何があってもオカシクないのだ。


長くなったから、興味ある人はあとは読んでくらさい。


川上サンの感性、いいなあ。