今日はずっと書類作成・・・。
なんで あまり動いてない。
というわけで、また先日読み終えた本のレビュー。
石持浅海 『心臓と左手』
- 心臓と左手―座間味くんの推理 (光文社文庫)/石持 浅海
- ¥520
- Amazon.co.jp
石持サンの作品を最初に買ってみて読んだのは数年前か。
書店で棚挿しPOPに書いてある店員の解説を読んで興味を持ち、
『月の扉』 を購入した。
『月の扉』はたしか人間関係と信念によって起きたハイジャック事件と
その機内での謎解きの話だったと思った。
この「心臓と左手」はその「月の扉」ハイジャック事件のその後の話を
含む数話の短編集である。
ある警視が、ハイジャック事件の機内にいて推理に活躍した座間味君と
後日酒の場で話す内容が、そのままストーリーとなっている。
ハイジャック事件のあと、警視が関わってきて
すでに犯人も逮捕されて片付いている多くの事件だが、残った謎を
どう思うか聞くことをスタートに、座間味君が真相や動機を推理して当てる
という変わったロジックである。
まあ、気になったら読んでもらった方が早いか・・・。
ただ、石持サンのこのあたりの作品て、最後まで読んで行くと
結構、犯罪の動機が漠然だったりすんですよねー。
因果とか歴史とかがそれほど関係なく、ただ犯人の信念ていうか。
それが「狙い」であり「作風」なのだと思うけど。
これこれこういう理由でコノ事件を起こしました。っていう動機を
大木こだま・ひびき師匠が聞いたら、
「そんなヤツおれへんやろう~」 と言いそうな動機がね。
でもなんか、この人の作風はキレイで切なくてスッキリしてるようで惹かれる。
ハッカ系のお香のようなテイストだ。
「水の迷宮」や「セリヌンティウスの舟」もそんなイメージだと思ったな。
デビュー作の「アイルランドの薔薇」はちと難しかったわ。
外国が舞台の話で登場人物も外国人が多く、
トムだのフレッドだのグライシンガーだのペンバートンだの、
誰が誰だかわかんなくなる。ちなみに上記で出てるのはトム&フレッドのみ。
ミステリーはキライじゃないが世界観が広いのは苦手!と言うアナタには
[06年このミステリーがすごい!第2位] の作品。
『扉は閉ざされたまま』 がおススメ。
- 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)/石持 浅海
- ¥630
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舞台はあるペンションの中で、もっと極端に縮めて言えば
「扉のこちら側と向こう側」
館に集まった大学の同級生数名。その1人が他の仲間にばれないよう
事故を装い後輩の1人を殺害。そして密室をつくる・・・。
死体発見を遅らせようとする犯人と、開かない扉の中の状況を探ろうとする
他のメンバーの心理・頭脳線。
殺害動機は最後にあかされるが、読者からすれば犯人は分かった状態の
進行なので、そのへんの駆け引きはドキドキする。
クロキメ-サ主演でずっと前にWOWOWかなんかでドラマ化もしてたな・・・。