映画 "The Mission" 音楽こころの旅路 27 & 花たち | coralgreen6のブログ

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光を纏った
  花 音楽 言葉を求めて

 

1986年 英・仏・米の協同製作による 歴史ドラマ

“The Mission” (ミッション=布教)

 

 

16世紀~18世紀 南米各地に建設された

カトリック・イエズス会伝道所の活動史にヒントを得た物語

 

 

登場するのは架空の人物ですが

時代考証は綿密に描かれています

 

先住民グァラニー族の抵抗に遭いつつ

 

スペイン人の植民者や

ポルトガルの奴隷商人との軋轢を抱えながら

 

過酷な自然の中で 布教活動を闘った宣教師の物語です

 

 

先住民グァラニー族の人々は

剽悍(ひょうかん=動作がすばやく性質が荒々しく強い)

かつ誇り高く 独自の生活文化を保っているため

侵入者である宣教師の多くが命を落としていました。

 

映画の冒頭では、宣教師が十字架に縛り付けられ

イグアスの滝に流されるシーンがあります

 

 

映画のテーマ音楽の一つ

「ガブリエルのオーボエ」は

 

宣教師ガブリエルが イグアスの滝の奥地で

先住民に自身の存在を示すために吹く

オーボエのメロディーです

 

 

やがて 音楽を共通の言葉として意志が通じ

宣教師ガブリエルは 信頼を得るようになります

 

 

 

チェロとオーボエのソロが心に響く名曲をどうぞ音符

ヨーヨー・マの感性溢れるチェロで

 

 

映画 “The Mission” が語るテーマは 重く迫ってきます

 

 

クローバー宣教師ガブリエル(神父)の博愛精神

 

罪人の救済が宗教の究極の目的とされています

 

奴隷商人で 殺人罪を犯したメンドーサに

ガブリエル神父は贖罪の道を歩むことを勧めます

 

メンドーサはガブリエル神父の弟子となり

過酷な贖罪を実行し やがて先住民から赦しを得ます

 

罪を償うことの厳しさと 罪を赦すことの寛大さ

その結果 心(魂)が洗われる実感を得るのでした

 

 

クローバー武力による植民地支配の歴史

 

西欧列強が未開のアフリカや南米を

有無を言わせず 「開拓」 「文明の付与」 のもとに

侵略・略奪を行っていった歴史は 何を語るのでしょう

 

先住民を 人間として扱わなかった

過ちの歴史ではないかと思うのです

 

 

クローバー宣教・布教の意味するもの

 

一神教は 闘いながら人々に「神」を植え付けます

日本のように

自然の中に神が宿るという文化とは根本が異なります

歴史上 土着の人々の信心を軽視する側面がありました

 

「神」という絶対価値観は お互いに相容れないものです

 

 

しかし 良心や本心に従い 人間の本質を追究する姿勢は

どの国民にも どの民族にも 共通する生き方です

 

新しい「神の価値観」を 人々が喜んで受け入れるのであれば

布教は成功したと言えるのでしょう

 

しかし 見える武力や 見えない武力によって

人々の心に侵入し 利益を得るのであれば

 

布教という名を借りた侵略 とも言えると思います

歴史上 そのような悲劇もあったという事実も

思い起こされるのです

 

 

クローバー領土争い

 

映画では ポルトガルとスペインの領土争いの中心に

先住民グァラニー族の村

布教に成功し教会が建てられた土地 がありました

 

立ち退きを迫られますが 村を守るため

住民 ガブリエル神父 弟子メンドーサは闘うのです

 

スペインとポルトガルの軍隊が村に迫ります

 

 

ガブリエル神父と住民は 教会を背に非暴力で

メンドーサは武力で 正義のために闘います

 

 

二人は銃弾に倒れ

村は焼かれ 多くの人々が亡くなります

 

 

クローバー希望

 

映画のラストカットには

村の少女が ガブリエル神父から与えられた

バイオリンを 戦火の跡から拾い上げ

家族と共に 川の彼方に消えていきます

 

ガブリエル神父のことは忘れない という象徴であり

武力への憎しみだけでは 終わらないという 希望

 

愛による新たな協同体が 

どこかにきっと 生まれるという 希望

 

「隣人を愛せよ」と言う ガブリエル神父の布教は

無駄ではなかったという 希望

 

それらを見いだすのです

 

 

わたしは残念ながらこの映画をまだ観ていません汗

実際に観て書かれた方々の記録を 参考にさせていただきました

 

ですが 描かれているテーマから重苦しい痛みを感じるのです

 

 

それは わたし自身が中学生の頃

カナダ人宣教師から 教えを得た者だからかもしれません

 

当時は もし男に生まれていたなら

宣教師や司祭になりたかったのにと

熱い憧れを持っていましたので

 

敏感に反応するのかもしれません

 

 

私はガブリエル神父のように行動できるか?

 

迫害され十字架に付けられ滝に流されても

最後に感謝して命を捧げられるか?

 

巨大な3つの勢力

スペイン ポルトガル イエズス会

この狭間に立たされたら どうするか?

 

 

答えを得るためにも これから是非

勇気を出して “The Mission” を観たいと強く思いました

 

ご興味のある方は トレイラーをどうぞ

 

 

最後に 映画の画面を散りばめたテーマ曲を音符

 

イタリアの 映画音楽の巨匠

エンニオ・モリコーネ氏の優しくも美しい音楽が 染み入ります

 

 

 

<参考・引用させて頂きました。有り難うございます。>

https://filmarks.com/movies/29713/spoiler

https://ja.wikipedia.org/wiki/ミッション_(映画)

 

 

ある日の空 くもり

 

静かに一日が暮れる空

 

闘いや悲しみや 怒りや無念さ

すべてのものが 彼方に吸収され

 

雄大な雲と光を

静かにそこに映す空

 

あのときの あの行動は

正しかったのか

 

それを気づかせてくれる

存在でもあります

 

キラキラ  キラキラ  キラキラ  キラキラ  キラキラ

 

あなたの わたしの 心を映してくれる空が

いつかきっと

晴れやかに 華やかに 穏やかに

微笑んで くれますように

 

リボン  リボン  リボン  リボン  リボン

 

今日も最後までブログにお付き合いいただき

有り難うございましたハート