福島県のいわき市石炭・化石館ほるるの開館40周年企画展、”世界にみとめられたいわきの化石たち”展を見学してました。^^

いわき市と言えば、首長竜のフタバスズキリュウ(学名Futabasaurus suzukii )の発見地で有名ですが、石炭とともに数多くの化石が産出する地域でもありますね。^^

ほるるには今年5月に訪れたばかりですが、普段展示されていない貴重な標本が展示されていると聞き、行ってきました。^^

 

では早速展示を見て行きましよう。

まずは古生代の化石ですが、いわき市には高倉山層というペルム紀の露頭が分布していて、フズリナやサンゴ、アンモナイトなどが産出するのですが、三葉虫も新種が2属(エンドプス・ヤナギサワイとニッポナスピス・タカイズミイ)見つかっています。

三葉虫は門外漢ですが、ペルム紀の三葉虫自体が貴重らしいので、もっとじっくり見とけば良かったです。^^;

 

続いて中生代のコーナー

白亜紀後期の双葉層群(下部から足沢層、笠松層、玉山層の順に堆積)から様々な化石が産出しています。

 

まずは小型鳥脚類の大腿骨から

2021年の7月に収蔵庫内の再調査で詳しく鑑定氏したら、小型の鳥脚類の大腿骨の一部であることが判明した標本。

発見されたのが1981年から82年にかけて行われた発掘調査とのことで、40年越しの大発見の逸話を持つ標本です。^^

続いてはハドロサウルス類の頸椎(首の骨)

広野町のヒロノリュウ以外にハドロサウルス類の頸椎が出ていたのですね。これは初見の標本でした。^^;

ヒロノリュウの頸椎は形状から第一頸椎かと思われますが、

同じ種類のものか、別種なのか追加標本の発見が待たれます。

※2016年科博恐竜博より、ヒロノリュウの頸椎標本

 

あと竜脚類のヒサノハマリュウ(いわき市大久町小久)の

歯冠(第一標本)も展示されていました。^^

ヒサノハマリュウの歯冠は2点見つかっていて、第二標本は常設展示室に展示されているのですが、第一標本は書籍の写真でしか見たことがなかったので眼福でした。^^

※常設展示室の第二標本

第一標本で20mmぐらい、第二標本が半分の大きさで、10mm程度と小さい標本ですが、ティタノサウルス類の鉛筆型の歯で、東アジアで見つかる竜脚類との関連が興味深いです。

 

ヒサノハマリュウの隣に展示されていたのはワ二類の皮骨板ですが、こんなに大きいのが出ているのかと驚くほどの標本でした。^^;

1枚が3×4cm角の皮骨板なので、現生のイリエワニと比べて6m近い古代ワニが日本にも居たことが解ります。

水を飲むのも命がけの時代だったんですね。

 

軟骨魚類では、ノコギリエイの仲間や、ギンザメの仲間も

見つかっています。

※ノコギリエイのイスキライサ属の新種だそうです。

ギンザメ類のとげもかなり大きい標本です。

とげの長さから80cmクラスの個体が居たようで、豊かな海が広がっていたことが思い浮かびました。^^

 

モササウルス類の顎も出ていました。

足沢層からの産出なので、フタバサウルスとは共存していなかったと思いますが、イワキリュウ(ポリコティルス類)とは共存していたようなので、出会ったら大バトルが繰り広げられたことでしょう。^^;

※ポリコティルス類の烏口骨(肩の骨)と歯冠

 

その足沢層からは、異常巻きアンモナイトのニッポニテスも出ているんですね。

ニッポニテスとしては南限なのかも知れません。

 

一方、玉山層からはフタバサウルス以外のエラスモサウルス類の化石も沢山出ています。

東日本大震災後の2011年に開催された科博での恐竜展で第二会場のところで、被災した標本の一部が展示されていましたが、見知った標本を再び見ることが出来て、良かったと思いました。^^

 

今回はここまで、後編では新生代のいわき産化石をお伝えします。

ではまた。^^