9月5日に福井・竜脚類展の特別講演として開催された、「アジアの竜脚形類を研究する意義」を聴講してきたので、備忘録として残したいと思います ^^

 

※なお講演での画像は撮影NGでしたので、ここで掲示する写真は過去に撮影したものと、論文からの引用になります

講演はイギリス・ユニバーシティカレッジ・ロンドンのフィリップ.マニョン教授・・・ 申し訳御座いません ^^;

私、今回の講演まで存じ上げませんでした・・・

特に竜脚類に関して、世界中の論文を出筆されている著名な方でございました

 

講演の冒頭は、映画ジュラシックパークのブラキオサウルスが強烈なインパクトとして、竜脚類のイメージを植え付けましたが、実際の竜脚類の始まりは2億3000万年前の三畳紀後期に現れました

当時のパンゲア大陸、ブラジルに最初の竜脚形類、”ブリオレステス/Buriolestes”が現れましたが、まだ肉食性の歯を持つ全長1mの小さな存在でした

※記載論文 A Unique Late Triassic Dinosauromorph Assemblage Reveals Dinosaur Ancestral Anatomy and Diet

 より、J~Pがブリオレステスの標本

 

インドを除くアジアでは、この時代では恐竜化石自体が出ていませんが、ジュラ紀前期の2億100万年前~1億7400万年前の中国から化石の記録が出て来ます

竜脚形類の”ルーフェンゴサウルス”で、全長が3m 

二足歩行で卵や胚も見つかっています

幼体は前脚が長く、四足歩行でした

※写真:ルーフェンゴサウルス 2010年福井・アジア恐竜時代の幕開け展より

同じ時代、タイからは基盤的な竜脚類”イサノサウルス”が出ており、全長3mながら四足歩行していました

両者の大腿骨を比べるとルーフェンゴサウルスはS字に湾曲していたが、イサノサウルスは太くがっしり丸太の様でした

※写真:イサノサウルス 2013年福井・1億年の時を超えて展、2015年福井・南アジアの恐竜時代展より

 

ジュラ紀中期1億7400万年前~1億6400万年前からジュラ紀後期にかけて、中国の昆明でマメンチサウルス類が栄えてきた

※写真:マメンチサウルスの亜成体 福井・竜脚類展、マメンチサウルスの成体 岩手県立博物館より

頸椎が19個もあり、なぜ長かったのか⇒高いところの植物、横にも可動出来たので、動かず広範囲に食べられた

歯は鋸歯が無くなりスプーン型で、嚙みちぎって丸のみしていた

北米のディプロドクスやブラキサウルスはアジアでは出ない欧州やアフリカからは出ている

ジュラ紀中期は欧州とアジアは繋がっていたが、ジュラ紀後期になって、その間に浅い海が広がっていたことが解っています

 

近年新たな化石発見で、アジアから重要な化石が見つかって来ました

まずはジュラ紀中期の中国・寧夏回族自治区(内蒙古自治区の南)から見つかった基盤的なディクラエオサウルス類の”リンウロン/Lingwulong” 背中に帆があるが、首は短い

※記載論文 A new Middle Jurassic diplodocoid suggests an earlier dispersal and diversification of sauropod dinosaurs

ディプロドクス上科としては最古になり、かなり早い時代に分岐し、アジア起源説も考えられる

 

またマクロナリア類も中国・重慶のジュラ紀中期から出ている ”ユーズーロン/Yuzhoulong”

※記載論文 New macronarian from the Middle Jurassic of Chongqing, China: phylogenetic and biogeographic implications for neosauropod dinosaur evolution

ティタノサウルス形類(マクロナリア類)はこの時代にアジアには居ないと考えられていた⇒アジア起源説

 

白亜紀前期1億4500万年前~1億0050万年前になるとアジア字の各地から、ティタノサウルス形類が出てくる

日本の”フクイティタン”や、中国の”ルヤンゴサウルス”、タイから”ナガサウルス”など

※写真:フクイティタン、ルヤンゴサウルス 2017年ギガ恐竜展より

※記載論文 The first sauropod dinosaur from the Lower Cretaceous Khok Kruat Formation of Thailand enriches the diversity of somphospondylan titanosauriforms in southeast Asia

 

重い竜脚類が白亜紀の中頃、アルビアン期で居なくなる⇒前脚の長いティタノサウルス類が台頭した

”パタゴティタン”や”アルゼンチノサウルス”など

※写真:パタゴティタン 2024年横浜・恐竜博、アルゼンチノサウルスの胴椎と仙椎 2002年幕張・恐竜博より

ティタノサウルス類はインドから最初に見つかった⇒南半球の恐竜と考えられていたが、今は世界中から見つかっている

モンゴルからは”オピストコエリカウディア”や”ネメグトサウルス”などです

※写真:オピストコエリカウディア 2013年科博・モンゴル恐竜展より

 

フィリップ.マニョン教授の講演はここまででしたが、昨年の12月にエックスの方で、古生物学VTuberの古知累すすむ氏が、ロシア産(トランスバイカル・バイカル湖とモンゴル国境の中間付近に堆積した、ムルトイ層/Murtoi Formation(白亜紀前期始め)から”テングリサウルス/Tengrisaurus”が出てるけど、サルタサウルスなどの派生型ティタノサウルス類の特徴である、尾椎が前凹型になっているタイプの一番古いやつだったって言う論文紹介のポストがあって、教授が仰っているようにアジアでの研究が、これからかなり重要になりそうです ^^

そう言えば竜脚類展に展示されているトバリュウの初公開の尾椎標本なんだけど、前凹型ぽくね?と思って、今回の備忘録を閉じたいと思います

ではまた^^

ヨコハマ恐竜展、2つ目のエリアは”食事のトラブル図鑑”をテーマに、怪我や病気についての展示がなされていました

まずはアロサウルスの全身骨格とステゴサウルスの尻尾にある棘/サゴマイザーが展示・・・

ステゴサウルスを襲ったアロサウルスが、反撃にあって尾椎が損傷するほどの大怪我を負った化石が実際にあるのですが、キャプションのみでちょっと残念 ^^;

 

続いて有名な闘争化石からヴェロキラプトルとプロトケラトプスの頭骨が展示されていました

プロトケラトプスの大型個体の頭骨と、ヴェロキラプトルの小型個体の頭骨で、この大きさでこの相手は襲わんだろな

組み合わせ・・・ただ小型でもつぶれていない標本だったので、見ごたえは十分でした ^^

 

3つ目のエリアは”親子の食卓図鑑”テーマに成体と幼体の食事の差を展示しています

ティランノサウルスの親子ロボ前は、絶好の写真スポット

平日でも人が絶えることがありません・・・

夏休み期間中は順番待ちで大変だったろうなぁ ^^;

 

ディプロドクスの全身骨格とアパトサウルスの成体と幼体の頭骨が展示されていました ^^

 

鳥脚類からは、エドモントサウルスの下顎の標本が成体と幼体で比較展示されるとともに、ランベオサウルス類の幼体化石のマウント標本がありました

 

最後の展示エリアは”今に続くお食事図鑑”をテーマに、化石鳥類~現生鳥類の展示が去れていました ^^

新生代のペラゴルニスに中生代のエナンテォニルス

現生のペンギンに近いパレオスフェニスクスや、様々な恐鳥類、レアやドードーの標本が展じされ、現生種ではフクロウやシギの骨格標本もありました ^^

 

展示エリアとしては以上で、後はプレイランドとストア、各地の恐竜展や企画展を紹介するコーナーがあり、こどもたちはこちらの方が夢中になってた様な気がします ^^

夏休み用のエンタメ展示としては良く纏まっていたと思う展示でしたね

だてに数年に一度開催してることはあると思いました ^^

 

以上でヨコハマ恐竜展2026の振り返りを終わります

ではまた ^^

早いもので9月入って、もう2週間近くになりましたが、今回は横浜のパシフィコ横浜で9月6日まで開催されていた

”ヨコハマ恐竜展2026ー恐竜の食卓大図鑑ー”を備忘録として、残したいと思います ^^

地元横浜での開催なので、本来なら真っ先に取り上げるべきなんですが、個人的にトピックとなる展示が無かったこともあり、前売券は手に入れていたものの、見学は9月2日になってしまいした・・・でも空いてて、写真撮るには苦労しませんでしたが ^^;

 

プロローグのコーナーは、フクイサウルスとフクイラプトルの全身骨格レプリカで、

どのようなポイントで各標本が展示されているのか丁寧な説明がされていて、自由研究向けのテーマで展示を行っていることがしっかり読み取れました ^^

 

最初のエリアは”恐竜の食べ方大図鑑”で、所謂系統立てての展示ではなく、食べかたでくくった展示となっています

まずは”引き裂く”食べかたから

アクロカントサウルスにヴェロキラプトル、カルノタウルス、現生種ではコモドオオトカゲの全身骨格と触って実感できる鋸歯の並んだ歯の拡大レプリカが展示されていました

^^

 

続いて”突き刺す”食べかた

アウストロラプトルの全身骨格(アウトロラプトルはアルゼンチン産の獣脚類ですが、鋸歯の無い円錐形の歯で、主に魚食性だったと考えられています)とスピノサウルスの頭骨ロボ、現生種イリエワニの全身骨格が展示されていました

お触り標本はスピノサウルスの歯の拡大レプリカ ^^

 

続いて”嚙み砕く”食べかた

ゴルゴサウルスの全身骨格とタルボサウルスの頭骨が展示されていました ^^

 

対面には”ついばむ”食べかた

所謂、くちばしタイプの展示ですが、デイノケイルスはもっともとして、翼竜のプテラノドンはいらなくないですか?

ケラトサウルス下目のリムサウルスやテリジノサウルス類でも良かったのかなと思いました

 

続いて”ほぐす”食べかた?

ヨロイ竜のタラルルスとパキケファロサウルス類のプレノケファレの全身骨格が展示されていました

すみません。植物食とほぐすが結び付きませんでした^^;

 

続いて”摘み取る”食べかた

カマラサウルスの成体と幼体の全身骨格に、ブラキサウルスとジョバリアの頭骨が展示

 

同じく竜脚類で”すき取る”食べかた

プイアンゴサウルスの標本とラペトサウルスとサミュエルトサウルスの頭骨が展示されていました ^^

 

このエリア最後の展示は”刻む”食べかた

鳥脚類のバクトロサウルスの全身骨格にアルティリヌスの頭骨、ハドロサウルス類のブラキロフォサウルス「レオナルド」の産状レプリカ(ミイラ標本)、トリケラトプスの成体ろぼとパキリノサウルスの頭骨が展示されていました ^^

 

今回はここまで、後編に続きます

ではまた ^^

葛西にあるTCA東京ECO動物海洋専門学校の第三校舎で開かれている、第二回KASAI神保町ヴンダーカンマーへ行って来ました ^^

神保町のかるた店から場所を移籍して2回目の開催で、今回は海の生き物がテーマだそう ^^

会場に入るとすぐに主催者の小田隆の作品が目を引きます

今年は1階から3階までの全ての階(地下は博物館)でブースがあるということで、出店者数も増えて財布のひもを締めるのが大変でした ^^;

 

続いて2階は飛ばして3階へ

2階は京都精華大学の学生さん達のブースと休憩室を兼ねた

イベントブースとなっています ^^

実はこのイベントブース、3Dプリンターで作られた全身骨格標本が展示されていました ^^

部屋の担当者さんも、この標本には詳しくなく、キャプションを見ると・・・有田、白亜紀、獣脚類の歯のワードが???

 

えっ、有田って? 有田焼は佐賀だし?

でも、この歯の写真は見覚えが・・・家帰ったら、調べてみるか

で、調べたら和歌山県有田郡湯浅町の標本でした ^^;

歯の化石は展示してないですが、この標本も忘れずにチェックしていって欲しいですね ^^

 

最後に地下1階の標本展示室へ

メインホールのT.rex”スタン”の頭骨の横には、小田隆氏のシーラカンスが展示されていました。

展示標本も行く度に増えてます ^^;

こちらが新着標本・・・!!

滑空爬虫類のシャロビプテリクス、手に入れたんですね^^

モササウルスの歯も数が増えてるし、シーラカンスの3Dプリンタキャストもありました

 

久慈での継続調査も続いているようで、なによりです ^^

※ちなみに戦利品は、xエックスの方にあげています

 

以上で会場レポは終了です ^^

明日8月9日まで開催されていますので、お近くの方は是非行ってみてください

ではまた ^^

後半の展示は羽毛をまとったハンターたちから

ユタラプトルやヴェロキラプトルなどの全身骨格から、

シノサウロプテリクスやスキピオニクスのレプリカなどが展示されていました ^^

テノントサウルスを襲うデイノ二クスも懐かしい展示です

アーケオプテリクスのベルリン標本レプリカは、雄型と雌型が揃っての展示で、目を引きました ^^

 

続いては太古の海の支配者たちの展示はホール中央に、モササウルスの”ウォーカー” おそらく新種らしい

エラスモサウルスの幼体とイクチオサウルスの標本に

隠れた目玉展示が・・・

銚子産の海棲爬虫類の脊椎の一部、魚竜の可能性が高く、白亜紀の魚竜としては、オーストラリア産のものが知られているが、東アジアとしては初で大変貴重です ^^

 

続いて最後の巨大肉食恐竜のコーナー

T.rex”スタン”をはじめとする、様々なティランノサウルス類の頭骨が並びます ^^

ラプトレックスはタルボの幼体表記も併記されてましたし、ナノティラヌスは種名ランセンシス”ブラディメアリ”とレーテウス”ジェーン”で、最新の研究に沿ったキャプションがなされていたのが、恐竜くんらしい展示でした ^^

 

これらティランノサウルス類の噛み跡が残る標本も展示されています・・・写真はトロサウルスのフリル部分

 

ホールには現生のハンターたちの頭骨も展示されています

恐竜との違いをじっくり観察してほしい展示ですね ^^

 

第二会場の方では、その他現生のハンターたちで、無脊椎動物の展示がなされていました ^^

巻貝や甲殻類・・・

クモやサソリ、昆虫など

人も被害に遇うことがある、厄介ないきものもいますので、良くご覧になって欲しいです ^^;

 

以上で、ちば恐竜博・驚異の捕食者(ハンター)たち展の会場レポは終了です

会期は9月27日までですので、お盆で関東へ帰省される方は是非見学して欲しい恐竜展のひとつです

ではまた ^^