”×”の方ではすでにお伝えしていることですが・・・

先週末、池袋サンシャインシティで開催された第34回東京ミネラルショーの戦果を報告いたします ^^

今回、恐竜関係では2点

George Heslep Fossils さんより 

・テノントサウルスの歯骨歯 

・ナノティランヌスの前上顎骨歯

を、お迎えしました。

これらの2点は後ほど詳細検証させて頂きますので、今しばらくお持ちください ^^;

 

 あと文楽さんより 

・北海道平取町産のアイノセラス.カムイ

今回の文楽さんはアイノセラス祭りで、吟味するのが大変でしたが、こちらの標本をお迎えすることになりました ^^

 

またアンモナイトはいつも泉・IZUMIさんのところで標本を物色するのですが、今年は主さんが体調不良で入院されたとのことでノジュール採取が叶わず、手持ちのプレパレートも進まなかったため、新規標本は無しで残念でした

ニッポは品揃えがあるのですが、そうそうお迎え出来る代物ではないので、来年は新しい標本に出会いたいものです

^^

今回は簡単ですが以上になります

作業が進み次第、歯冠の詳細アップは行いますのでご容赦ください・・・ 鹿児島へ出張ってた分、仕事のシフトがきびしいもんで ^^;

 

ではまた ^^

南国聖地巡礼記、今回は鹿児島県立博物館の模様をお伝えします ^^

鹿児島県立博物館は自然史系の博物館で、鹿児島県の生物多様性や各地域の生態系、地質などを展示している本館と、隣接する公園のはす向かいにある別館(宝山ホール4階)に、化石展示室とプラネタリウムなと天文関係の展示室があります ^^

 

本館は動物や昆虫の剥製や生体標本、植物標本が主体なのですが、3階の一角に郷土の化石標本の展示コーナーがあります ^^

化石ハンターとして有名な宇都宮聡氏が発見した首長竜の化石”サツマウツノミヤリュウ”の標本(一部)が展示されているのです ^^

エラスモサウルス科の首長竜で白亜紀後期初頭、セノマニアン期(1億年前)の鹿児島県獅子島の海岸に分布する御所浦層から見つかった東アジアでは最古のエラスモサウルス科になります ^^

頭骨部分では前頭骨や下顎、舌骨も見つかっており、2021年には東京都市大学の中島保寿準教授、鹿児島県立博物館の多久島徹氏らと、下顎付近に密集していた骨片が首長竜が吐き出そうとしていたペリットであることを発表されています ^^

また頸椎の椎弓と椎体分離した状態で見つかっていることから、亜成体~幼体であったことも分かっています

下顎の大きさが科博のフタバサウルスより一回り小さいくらいなので、成長した際はフタバサウルスより大きくなると思いました ^^

 

その他の展示では、宇都宮氏が発見したイグアノドン類の歯冠と

下甑島で見つかった角竜類の歯根のレプリカと、プロトケラトプスの全身骨格が展示されています ^^

 

続いて宝山ホール4階別館です

メイン展示はアロサウルスとカンプトサウルスの全身骨格です ^^

どちらの標本も70%が実物標本で組まれたもので、科博にあるアロサウルスの全身骨格を含め、日系米国人の小川勇吉氏により寄贈された標本です ^^

ご出身は三重県とのことですが、化石を寄贈される際に展示できる大きさの博物館が無いとのことで、三重県庁に断られてしまい、米国での友人で画家で作家の八島太郎氏の故郷である鹿児島県に寄贈することになったそうです

もしかしたら、ミエゾウの隣にアロサウルスが咆哮していたかも知れない世界が・・・ ^^;

※展示標本の背景は八島氏によるもの

 

また展示ホールにはヴェロキラプトルの全身骨格とディアブロケラトプスの頭骨レプリカ、

あと種子島から見つかったムカシマンモスとされている

ニシノオモテゾウの標本も展示されていました ^^

 

このホールの隣には小川氏から寄贈された北米、南米産の化石標本が展示されています

小川氏は太平洋戦争中、収容されていた強制収容所が化石の産地であったこともあり化石の魅力に魅かれ、戦後にホテルを経営する傍ら化石取集をされたとのこと・・・

哺乳類やアンモナイト、三葉虫やウミユリなど、かなりの数の標本で、更に恐竜の全身骨格を3体博物館に寄贈されたとは、多少の逸話は伺っていたものの、改めてその偉業に感謝の念を覚えました ^^

 

以上で鹿児島県立博物館のレポと南国聖地巡礼記は終了です

ありがとうございました ^^

つづいては2階の第二展示室です ^^

甑島の白亜紀の海をテーマに、アンモナイトや様々な魚貝類の標本が展示されていました

異常巻きアンモナイトと言えば、北海道や東北地方、淡路島のイメージでしたが、甑島からも見つかっていたんですね

北九州や長崎、御船町では展示されていた記憶が無かったので、異常巻きアンモナイトの南限は淡路島かと、勝手に思っていました ^^;

 

つづいては海棲ワニの展示

展示されている全身骨格はテルミノナリスという海棲ワニで、白亜紀後期の北大西洋側で見つかっているのですが、太平洋側では2例しか見つかっていない貴重な標本が展示されています ^^

 

そしてモササウルス類の展示

セルマサウルスはプリオプテラカルプス科のモササウルス類で、白亜紀後期の中頃にアラバマ州やカンザス州などの西部内陸海路(ララミディア大陸とアパラチア大陸を隔てていた海)に生息していました ^^

甑島で見つかった方形骨はセルマサウルスとしては新しい時代で見つかったことになり、今後の研究が楽しみです ^^

 

他にはウミガメやリクガメの展示や

哺乳類の展示も・・・

学会でも発表がありましたが、研究中で撮影不可の標本も

多かったです ^^

 

また陸棲のワニや1階で展示しきれなかった恐竜類の標本も展示されています ^^

 

1階に降りて第三展示室へ

ハドロサウルス類のサウロロフスのマウント展示や

恐竜の卵や幼体の展示もありました ^^

 

ここまで見学したところで、館内放送が・・・

時化で里港発着の高速船が欠航になったとのことで、博物館の職員さんに代替便がないか問い合わせると、長浜港発のフェリー14:20の便が運航していました ^^;

予定より1時間以上滞在時間が短くなり、後ろ髪を引かれる思いで長浜港行きのバスに飛び乗った次第です

1月はもっと時化ってフェリーも止まることがままあるそうなので、この辺の情報はもっと発信して欲しいところです

 

以上で甑ミュージアムの博物館レポは終了です

次回は鹿児島県立博物館の模様をお伝えします

ではまた ^^

12月5日から日本古生物学会175回例会が、鹿児島県薩摩川内市で開催されるのに合わせて、鹿児島県の博物館を巡って来ました

最初のレポは薩摩川内市の下甑島にある甑ミュージアムからです ^^

今年の4月にリニューアルオープンしたての博物館で、是非この機会に訪れたい博物館のひとつでした ^^

メイン展示室には竜脚類のマラウィサウルスの全身骨格や獣脚類のアフロベナトールの全身骨格、鳥脚類のパラサウロロフスのマウント、ヴェロキラプトルとプロトケラトプスの全身骨格も展示されています ^^

 

上甑島の各地に露頭している姫浦層は白亜紀末のカンパニアン期からマーストリヒチアン期前期に堆積した地層で、北米大陸以外で数少ない露頭のため、非常に重要な地層なのです

姫浦層から産出している標本では、獣脚類の歯が2点と肋骨の一部が展示されていました ^^

 

つづいて角竜類と竜脚類の標本

角竜類の標本はネオケラトプシアの歯の歯根の一部で、当時シノケラトプスのような大型の角竜の仲間が日本にも居た証拠です

実物を拝めて角竜押しとしては眼福でした ^^

竜脚類の歯は2本出ていて、どちらもペグ型と言われるタイプ、特に第二標本は状態も良く、ティタノサウルス類が闊歩していたようですね ^^

 

つづいては鳥脚類の大腿骨

展示されてい他の歯産出部位のレプリカと、復元した大腿骨で、サウロロフス級の大型ハドロサウルス類が居た証拠です

これなら近いうちにティランノサウルス類も出そうですね

※事実、長崎県側では少し時代が古いですが、ティランノサウルス類の歯と下顎の一部が出ています

 

マラウィサウルスの足元には、大小様々な骨辺化石が展示されていました ^^

今後の研究結果が待たれる標本が沢山あって、今から楽しみです ^^

 

今日はここまで、今週は池袋のミネラルショーや個人的なイベントもあり、更新間隔が開くと思いますが、是非読んで頂ければ幸いです

ではまた ^^

大絶滅展、三つ目の大量絶滅エリアは2億5000万年前のペルム紀と三畳紀の境界での大量絶滅です

様々な生物が大型化し、微小生物を含め多くの種が多様化したペルム紀でしたが、西シベリアで起きた火山活動で、寒冷化の後に長期の温暖化が起こり、海では海底の無酸素化が起こって、三葉虫は完全に絶滅、陸上では脊椎動物や昆虫が大打撃を受けた地球史上最大の大量絶滅でした ^^;

私たちの祖先筋にあたる獣弓類も大打撃を受けたのでした

 

三畳紀に入って500万年ほど経ったあたりから、開いたニッチに様々な生物が再進出し、多様性と大型化が進んだのです

爬虫類の海洋進出(魚竜類ほか)やオウムガイも棘を発達させるなど、捕食者へ対応が様々な生物で起こったのもこの時代です ^^

 

続いては2億年前の三畳紀とジュラ紀の境界で起こった大量絶滅のエリアです・・・

三畳紀後期のシュードスキア類(偽鰐類)レドンダサウルスとジュラ紀前期のテタヌラ類クリオロフォサウルス

大量絶滅前と後の頂点捕食者を対比した展示です ^^

シュードスキア類の展示ではポストスクスの頭骨とエフィッジアの全身骨格が展示されています。

恐竜ではコエロフィシスやエオラプトル、ヘレラサウルスなども展示されていました ^^

絶滅を生き延びたシュードスキア類ではプロトスクスやステネオサウルスが展示されていました

 

大量絶滅最後のエリアは6600万年まえの白亜紀と古第三期の境界です

白亜紀の末、魚類も大型化・・・

シファクティヌスやプランクトン食のリンコンイクチスの部部頭骨が展示されています ^^

海の頂点捕食者ティロサウルス、陸上の覇者ティランノサウルスとトリケラトプスの頭骨

このティランノとトリケラの標本は新館が出来るまでの間、日本館1階で展示されていたもので、懐かしさがこみあげて来ました ^^

これらの標本は大量絶滅を生き延びた者たちの代表です

ワニやカメ、哺乳類たちが展示されています ^^

 

最後のエリアは新生代に起こった生物の多様性をテーマにしたエリア・・・

植物の進化に合わせたウマの進化や

ホタテ貝の進化を代表にその後の環境変動と多様性について展示されています

そして大トリの展示は東京都狛江市の多摩川河川敷から産出したステラーダイカイギュウの全身骨格 ^^

ステラーダイカイギュウの標本としては最古のもので、基盤的な特徴も残している標本です ^^

絶滅の原因が人間による狩猟とも、ラッコの乱獲でウニが増えて餌である海藻が激減したのが原因とも言われていますが、私たち人間の活動が影響したことに変わりはなさそうです ^^;

 

以上2回に渡って大絶滅展の会場レポをお送りしました

12月には限定ゾイドやすみっコぐらしの新たなグッズも販売されますね

展示内容の濃い特別展なので、後数回は見学に行きそうです

ではまた ^^