まず今回の講演会ですが、使用されたパワーポイントや映像は撮影不可でしたので、手持ちの写真を参考として掲載いたしますことを、あらかじめご承知おき願います ^^

 

講演会の第一部は北海道大学・小林快次教授による「アジアの恐竜研究最前線」で、カムイサウルスの発掘作業や最新復元について話されました ^^

※写真はNHK札幌放送局で2026年3月末まで公開中の最新版カムイサウルスの復元骨格

国内、国外を問わず化石の発掘にはお金が掛かり、カムイサウルスもご多分に漏れず、むかわ町の規模で1億8千万円の費用が掛かってしまったそうですが、その宣伝効果や、グッズの生産を含めた企画販売、宿泊や飲食に伴う観光収入を鑑みると、経済効果10倍以上で発掘を進めてほっとしているとのことでした ^^

 

またアジア各地での発掘調査について、ゴビ砂漠やウズベキスタンでの調査は今年も継続して行くとのこと・・・

※地図の青文字が発掘調査箇所

特にゴビ砂漠では昨年の調査で、それぞれのバインシレ層から竜脚類の頭骨が出たり、アンキロサウルス類のボーンベッドが見つかったりで、今年も新たな発表が出来そうとのことでした ^^

※写真は2013年科博モンゴル展での竜脚類オピストコエリカウディアの骨格と、ピナコサウルスの産状標本

アーリベクダグから出た竜脚類の頭骨はネメグト層より古いのですが、竜脚類の頭骨自体出ることが稀なので、研究の成果が楽しみです ^^

 

第二部は福島県立博物館の吉田純輝副主任学芸員から、「福島県浜通りの恐竜化石」について講演頂きました ^^

まずは広野町の双葉層から産出したハドロサウルス類の頸椎と遊離した歯について・・・

※写真は2016年科博恐竜展”ヒロノリュウ”の標本

このヒロノリュウが見つかった関係で、広野町役場のロビーにはチンタオサウルスの骨格レプリカが展示されいるのですが、東日本大地震で破損してしまい、クラウドファンディングで修理を呼びかけて、現在は復活展示されています ^^

その後別の場所から第二標本(頸椎)が見つかり、いわき市のアンモナイトセンター建設現場からはハドロサウルス上科の化石も見つかっているとのことで、今後も出て来そうです

※写真はいわき市石炭化石館所蔵の第二標本

 

いわき市からは竜脚類ティタノサウルス類の歯も2点出ています ^^

※写真は石炭化石館所蔵の第一標本と第二標本(常設展示)

 

また吉田さんが県立博物館の収蔵庫から、小型鳥脚類の大腿骨を発見するなど、かなりの数が浜通り地区から見つかっています ^^

※写真は石炭化石博物館での企画展示時のもの

 

南相馬市からは骨化石は出ていないものの、ジュラ紀後期の足跡化石が複数見つかっていますし、南相馬市博物館には

非常に状態の良い植物化石が展示されています ^^

※写真は南相馬市博物館で展示されているホロタイプ標本ほか

茎、葉、花芽、球果が揃って出ているのは、当時の環境を復元する資料としては、かなり貴重です ^^

 

最後に今回講演頂いた吉田さんは、岡山理科大学の高崎助教と共に、パキケファロサウルス類のザヴァケファレの記載論文を共著された方で、2023年にアンキロサウルス類のピナコサウルスに咽頭骨の化石を初めて発見した方です ^^

今年の夏には福島県立博物館で恐竜展が開かれ、モンゴルに先駆けてザヴァケファレの全身骨格、ピナコサウルスの咽頭骨が展示されるとのことなので、今から楽しみです ^^

 

以上で今回の特別講演会レポは終了です

ではまた ^^

先週の土曜日、1月17日に福島県南相馬市鹿島区で開かれた特別講演会へ行って来ました ^^

南相馬市での恐竜化石探索調査・教育普及事業の一環として開催された講演会で、第一部を北大の小林教授、第二部を福島県立博物館の吉田副主任学芸員よる講演会でした ^^

まずは会場のエントランスホールに並べられた展示標本の紹介から・・・

南相馬市内で見つかったジュラ紀後期の足跡化石や、福島県広野町ひろの未来館所蔵の恐竜化石が展示されていました

 

展示されていた足跡化石は、相馬中村層群の下部に堆積する栃窪層(1億6千万年前ジュラ紀後期)で南相馬市原町区産の獣脚類のものとされています ^^

足跡化石はその生成過程で3タイプに分かれまして・・・

・実際に付いた足跡がナチュラルプリント

・足跡の上に堆積した雄型のナチュラルキャスト

・ナチュラルプリントの下の地層に残ったアンダープリント

の3タイプがあるのですが、この標本はナチュラルキャストのものだそうです ^^

 

南相馬市で最初に見つかった足跡化石は、南相馬市鹿島区の栃窪層からコエルロサウルス類のアンダープリントが見つかっていて、南相馬市博物館に常設展示されています ^^

※写真:南相馬市博物館より

日本で見つかっている恐竜の足跡化石で一番古いのは長野県小谷村の来馬層(1億9千万年前ジュラ紀前期)のもので、栃窪層産は2番目に古いものになります ^^

※小谷村郷土館のレポブログ

 

 

つづいては広野町から出張してきた標本・・・

竜脚類カマラサウルスの頭骨レプリカと左右の後足(膝から下の部分)の実骨標本に、

獣脚類アロサウルスの大腿骨は、お触り可能標本でした^^

 

またハドロサウルス類のエドモントサウルスの頭骨も

産状標本ですが状態は良いものでした ^^

広野町で見つかっている恐竜化石に関連した参考標本と思われます ^^

 

今回はここまで、次回は講演会の内容をお伝えします

ではまた ^^

今回は手持ちのナノティラヌス名義の前上顎骨歯について、比較をしてみたいと思います ^^

写真左手から、お迎えした準に・・・

・ナノティラヌス.ランセンシス 2012年新宿ショーにて

・ナノティラヌス.sp 2015年池袋ショーにて

・ナノティラヌス.ランセンシス 2025年池袋ショーにて

となっています

 

最初の標本

高さCH:15mm(歯根部を含めると20mm)、幅CBL:6mm、厚さCBW:8mm

3本の中で一番しっかりとした鋸歯を持っている歯冠で

遠心側には3個/1mmの鋸歯が見られ、近心側にも鋸歯に成りかけのような状態になっています ^^

 

2つ目の標本は、所謂アウブリソドン型サンプルとして迎えたもので

標本長:29.6mm 歯冠部 高さCH:19.0mm、

幅CBL:6.2mm、厚さCBW:9.8mm

肉眼で見る限り鋸歯のない前歯です

形状から一番前の歯pm1と考えられます

ただ歯突部に鋸歯に成りかけのような状態箇所が見られるのが特徴です

 

3つ目が今回お迎えした標本

高さCH:17.6mm、 幅CBL:4.9mm、

厚さCBW:6.4mm

遠心側には3.5個/1mmの鋸歯が見られますが、近心側は歯根側にぷつぷつとした突起が数個見られるだけでした

 

すべてヘルクリーク層産(産地は別なことに注意)ですが、3本を見比べると、一番小さい歯冠は明瞭な鋸歯があり、一番大きい歯冠がアウブリソドン型という結果でした ^^;

今回お迎えした標本はその中間型と言って良いのですが、鋸歯の形状は最初の標本とも違っていて、ナノティラヌス属が確定したとは言え、複数のタイプが存在することが解ったのは興味深いです ^^

 

カンパニアン期のダスプレトサウルスの幼体に、アウブリソドン型の歯が出たという論文もあり、ティランノサウルス科の幼体時期に鋸歯の無い前歯を持っていた可能性は極めて高そうです。

そうなると、手持ちのアウブリソドン型の標本はティランノサウルスの幼体のものである可能性も捨てきれなくなりました ^^;

いずれにせよ、ティランノサウルス科全体で幼体から亜成体期間の前歯について、更なる研究を待つ必要がありそうです

^^

 

以上、手持ちのナノティラヌスの歯冠を比べてみる でした

ではまた ^^

皆さま、新年明けまして、おめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます ^^

昨年は学会が例外的に仙台、札幌、薩摩川内と3回有ったこともあり福井を含めると、まさに東奔西走した一年でした

まったく遠征費も馬鹿になりません ^^;

 

私事ですが今年の11月でいよいよ還暦を迎えます

セカンドライフはまだ未定ですが、ぼちぼちとやって行きたいと思っております ^^

 

午年なので、馬の写真をと探しましたが、手数があまりないですね ^^;

2014年の科博企画展「ウマ展」からシマウマ3種の写真です

左からサバンナシマウマ、ヤマシマウマ、グレビーシマウマになります ^^

シマウマもエクウス属ですが、ウマよりもロバに近いそうで意外でした ^^;

ちなみに学名で表すとサバンナシマウマはEquus.quagga

で、絶滅種のクアッガはサバンナシマウマの亜種になるそうです(Equus.quagga quagga

ヤマシマウマはEquus.zebra ※こいつがゼブラなのね

グレビーシマウマはEquus.greyvi

 

こちらの写真は日本大学の「骨の博物館」に展示されている標本で、木曽馬の剥製と骨格標本

手前が半血種の骨格標本、奥がサラブレッドの骨格標本になります

混血の方が体ががっちりしてますね ^^

 

今年も各地で、どんな恐竜展が開催されるのか楽しみです

ではまた ^^

池袋ショーでお迎えした標本2点目はナノティラヌスの前上顎骨歯(上顎の前歯)になります ^^

今年タイムリーな歯冠なので、手持ち標本との比較検証も考えて、お迎えしました

Nanotyrannus.lancensis ナノティラヌス.ランセンシス

※ラテン語発音だとナノティランヌスとするのが正しいかな・・・

モンタナ州マクコーン郡 ヘルクリーク層産出

白亜紀後期マーストリヒチアン

7000万年前から6500万年前

標本長 高さCH:17.6mm 幅CBL:4.9mm

厚さCBW:6.4mm

 

では、細部を見て行きましょう

唇側と近心(口先)側

舌側と遠心(顎)側

歯突側と歯根側※黄色のラインはカリナ同士を結んだ線

歯突部の曲がり具合で右前上顎骨歯、歯根側断面の崩れがすくないので、2番目のpm2と思われます ^^

カリナの状態ですが・・・

遠心側には3.5個/1mm(17個/5mm)の明確な鋸歯が見られるものの

近心側には明確な鋸歯は見られませんでした・・・

ただ、

写真では分かりにくいのですが、ライトを当てて観察すると、均等に並んだ微かな出っ張りを歯根側にいくつか確認出来ました ^^

 

歯根側断面がD字になる前上顎骨歯で、近心側/遠心側ともに

カリナに鋸歯を持たない歯冠をアウブリソドン型と呼んでいるのですが、中間形体の歯冠が存在していることを考えると、あくまで素人の浅知恵ですが、ティランノサウルス類の生まれたての子たちはアウブリソドン型で、歯が抜け換わるごとに鋸歯を獲得していっているのでは・・・

と妄想しています ^^;

 

ナノティランヌスの前上顎骨歯として2本目になりますが、比較検証については後日アップしたいと思います

ではまた ^^