Coo Planning の 住宅設計             いつか、一緒に家を建てよう -154ページ目

『この場所で、どんな過ごし方をするのか?』 ー 質の高い、窓辺の空間をつくる。


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窓の設ける位置や、大きさによって、
空間の性質は、大きく異なったもの、となることもあります。
間取りを考えていく上で、とても重要なところです。
平面の間取り図だけでは、当然、わかりにくいので、
平面図+模型で、検討し、提案させていただきます。

窓の位置や、大きさを、決めるときにおいても、
この窓を設けることによって、
『この場所で、どんな過ごし方をするのか?』を、
より、具体的に想像してみます。
そのことを手掛かりとして、窓の位置、高さ、幅、そして
開閉方法を検討していくのです。

そうすることによって、自分たちのサイズにあった、
より、心地良い、窓辺の空間が生まれるものなのです。

下の写真は、フェルメールです。
窓辺の空間が、多く描かれていますね。
絵画には、現実を越えた、『空間の質の高さ』が感じられるので、
絵画からみる、人物と窓、光との関係などは、個人的には、参考になります。
何気ない、日常の風景ですが、そこには、何か、かけがえのない時間のようなもの、を感じます。

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また、窓から、光を取り入れることは、眺めを得ること、でもあります。
大きな窓は、たくさんの光と、大きな景色を、取り入れることで、
開放性をもたらします。
小さな窓は、静的な落ち着いた場を、つくる性格を持ちます。
落ち着きのある、包み込まれるような空間にしたい時、
小さな窓は有効です。

一つひとつの窓に、注意深く、思いを巡らせることで、
住空間の質は、さらに、高まるものなのです。



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ナカオアキヨシ/一級建築士事務所 Coo Planning 


お客様との対話を通して、『楽しさ』や『気持ちよさ』などの『魅力』を共に発見していくこと・・・
それが『Coo Planningの家づくり』です!



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何が必要なのかを、まず描くこと ー シンプルな暮らしだから、気付くこと。


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いざ、間取りを考えるとなると、
いろんなものを参考にして、あれも必要、これもあったほうがいい、
と、どんどん膨らんでいくものです。

シンプルな暮らしを、心掛けています。
生き方も、シンプルでありたいと思います。
手元に置いておきたい、本当に、必要なものは、
実は、それほど、多く無いのかもしれない、とも思うのです。

狭い敷地のうえに、あれもこれもと入れると、
当然一つ一つの部屋は、小さくなってしまいます。
例えば、オーディオルームもほしい、書斎もほしい、
納戸もほしい、子供部屋も、それぞれほしいでは、
一つ一つの部屋は狭くなる上に、コストもかかります。

共有できる空間は、一つにまとめることです。
ひとつにまとめる前提で、初めから、間取りを考えればいいのです。
成り行きでなってしまうものと、初めからの意思のうえ、なるものとでは、
不思議ですが、出来上がりは、まったく別物です。

Simplicity is powerful.  シンプルなことは力強い。

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こんなふうに、河に舟を浮かべて、暮らしている方をよく見かけました。
写真は、南フランス・アルルです。
もう少し歩くと、『ゴッホのアルルの跳ね橋』が見えてきます。
南フランスなら、気候も温暖で過ごしやすくて、
舟の上でも、のんびり暮らせるよね、なんて聞こえてきそうですが。

場所がどこであろうと、大事なものを選びとる、ということは同じなんだと思います。
限られたスペースに、何が必要なのか。
間取りを、考えることは、まず何が必要なのかを、描くことなのです。

            
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カフェなどを通して、空間を体験してみる ー 住宅の構造方法。


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木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造。
住宅の構造方法には、基本的にわけて、この3種類があります。
どの工法が、自分たちの家に、適しているのか、
なかなか、判断できるものでは、ありませんね。

最近では、カフェなどのお店で、いろいろな空間を体験できるので、
木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造と、おおいに、参考になるのではと思います。
週末に行った、大阪・北堀江の『8b DOLCE』の鉄骨造の空間は、
住空間としても、快適だろうなと思いました。
家を、建てるにあたり、ハウスメーカーの住宅展示場や、オープンハウスもいいですが、
こんな、流行のカフェにこそ、自分らしい住空間のヒントが、あるかもしれません。
敷地条件や、予算などで、構造方法の制限はあるものの、やはり、
自分たちの描くものがあることに、こしたことはありません。


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敷地の状態によっては、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などのうち、
どの構造で、計画するのかが、決まってくる場合もあります。
もっとも、つくりやすいのは木造で、敷地境界ギリギリに、
数センチに、外壁を近づけて、工事をすることができます。
これは、外壁を室内側から施工する方法がとれるからです。

一方、鉄筋コンクリートの場合は、外周に足場を回して、
少なくとも、人間が通れる幅は必要で、40㎝は離さなければなりません。
ですから、敷地目一杯に建てようと思うと木造になりますが、
せいぜい3階建てまでで、それ以上だと、
鉄筋コンクリート造や鉄骨造に、しなければなりません。

このように、敷地の状態によって、建物は、法律や予算、工事方法などと、
いろいろな制約に本当にギリギリ、ギリギリと締め付けられて、
設計しているようなものなのです。
しかし、そのような条件のなかで設計するからこそ、
鍛え上げられた、美しい家がつくられることに、なるのかもしれません。


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狭小であるからこそ、得られる楽しさ ー トップライトからの光。


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都会に近づくほど、どう利用していいか、わからないような、狭い土地、
それも、変形している敷地が、たくさんあります。
そんな、いわゆる狭小敷地においても、容積率が高ければ、3~4階、
中には5階・6階と、上に延ばすことが、できることもあります。
上の方へ延ばせば、当然景色は、よくなるものです。

また、西日を嫌う人が多いようですが、夕日や夕雲は、特に秋のそれは、
都会であっても、信じられないくらい、美しいものです。
地上にいては、なかなか、わかりにくいのですが、高くなった時に見える、
風景のことを考えて、プランを立てなければなりません。

上には延ばせない、2階建ての場合でも、見上げれば、空があります。
流れる雲や、月も星も見えます。
積極的に、そんな外部の景色を、楽しむ仕掛けをつくることも、いいものです。
寝ころがって、天窓を通して見る夜空も、気持ちのいいものです。
今は、既製のトップライトにおいても、遮光のスクリーンもあれば、断熱仕様もあります。
ただし、既製の場合は、寸法に制限があるので、大きなトップライトの場合は、
そういった快適性の検討も、大切なところです。

このように、狭小敷地だからといって、広い敷地に比べて住まいが、
つまらなくなる、ようなことはありません。
むしろ、狭小であるからこそ、得られる楽しさが、いっぱいあると思うのです。

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ゆっくりと時間をかけて、味わってもらいたい ー 家族構成とか、将来の夢とか、予算など。


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つくることを、楽しんでこそ、『ほんとうにいいもの』に、会えるものだと思います。
一緒に、家づくりを始める人たちが、こんなにゆったりと、流れる時間のなかで、
始まっていけばいいなと、食堂かたつむりを、読みかえすたびに、思います。

                  
いつか、一緒に家を建てよう


『頭の中では、食堂かたつむりの、イメージが、ほぼ固まっている。
それは、一日一組だけの、ちょっと変わった食堂だ。

前日までに、お客様と面接もしくは、ファックスやメールでやり取りし、
何が食べたいか、とか、家族構成とか、将来の夢とか、予算などを、細かく調査する。
私は、その結果に基づいて、当日のメニューを考える。』

『・・・できれば、食事のスタートは、夕方六時くらい、からにしよう。
そして、食堂かたつむりの、名前にふさわしく、ゆっくりと時間をかけて、味わってもらいたい。

だから、時計は置かずに、必要な時だけ、キッチンタイマーを使う。
煙の匂いが、料理の味に影響するので、食堂の中は、すべて禁煙。
音楽は、厨房から聞こえる料理の音や、外にいる鳥や生き物の気配を、
感じ取ってもらいたいので、かけない。
目を閉じると、今にも、食堂かたつむりが、ゆっくりと、動き出しそうだった。』


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『現在』に対する『建築家の責任』 ー 現在に対して、何ができるのか


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『歴史や風土、景観を大切にしたい。』
いまどきの建築家たちは、たいていこんな風に話す。

朝日新聞の『文化』のスペースに、こんな書き出しで始まる、
対談が記載されています。

『歴史』は、都市に対して、何もしないことへの言い訳に使われる。
あるいは、管理可能な範囲に、とどめておく理由に、使われる可能性がある。

建築家の役割は、建物を造るというより、
建物を通して、都市を変化させる手段を、発見すること。
現在に対して、何ができるかに、関心がある。

パリ・国立図書館を設計した、ドミニク・ペロー氏は、そう語る。
ガラスのタワーの間に、雑木林のような、巨大な中庭を備えた、
国立図書館にも、そうした意識が、流れているように見える。

いつか、一緒に家を建てよう

最後に、
彼は、歴史や環境を十分に重視しているはずだ。
ただ、世間受けのよいことを言っているうちに、
『現在』に対する『建築家の責任』を見失うことに、
危険性を感じているのだろう。

こんな、言葉で締めくくられていた。


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『1995年以後』 ー 次世代建築家の語る現代の都市と建築 レビュー


いつか、一緒に家を建てよう


この度、『1995年以後』 藤村龍至/TEAM ROUNDABOUT=編著のレビューを、
当ブログ『いつか、一緒に家を建てよう』にて、書く機会を与えていただき、
ありがとうございます。

当ブログは、建築関係者向けではなく、主に、一般の『いつか、家を建てよう』
と願う方々に向けて、発信することを、第一の目的としているため、
このレビューにおいても、一般の方を意識した、表現をとるものと致します。


『1995年以後』が、アトリエに届けられたとき、たまたま読んでいた本が、
『R25』のつくりかた 藤井大輔=著者 という本だった。
これは、60万部の人気フリーマガジン『R25』前編集者が語る、
R25プロジェクトのストーリーを記録したもので、『R25』というフリーマガジンを、
きっかけとして、さまざまな話題がつくりだされたことを語る、
ビジネス書のようなものである。

そして、この『1995年以後』においても、同じくフリーペーパーという、
紙媒体を通して、成り立っているものである。
当初、藤村龍至のアプローチから始まった、『都市にインタビューする』を合い言葉に、
ウェブサイト round-about.org を立ち上げ、ブログをベースにした活動を行いながらも、
この TEAM ROUNDABOUT を結成し、フリーペーパー、イベントへと活動の幅をひろげ、
数年を経て、今回の『1995年以後』を出版するまでに、至ったものである。
この本が出版されるに至った過程においても、内容もさることながら、十分に興味深い
ところであり、たったひとりの行動から、多くの共感者を得て、なおも拡大していこう
としている流れは、建築関係者以外においても、何か感じるところが、あるのではないか。


そんな活動から生まれた『1995年以後』は、次世代建築家と呼ばれる、
1971年以降生まれの若手建築家、研究者ら、32組、それぞれへの単独インタビューから
成り立っている。
誰一人として、同じところには、属していないという、面々が顔をそろえている。
1971年生まれの藤本壮介から始まり、1983,1982年生まれの大西麻貴+百田有希までを、
藤村龍至を主な聞き手として、主に個人の作家像について語られていることが、
本書の特徴であり、またそれが、最大の魅力となっている。
その作家が、無意識の内に作り上げられた建築に対する姿勢、さらに、次世代であるがゆえに
感じられる、これから飛躍していこうとする鼓動までもが、伝わってくるようである。

この本のタイトルである『1995年』という位置づけに対しては、個人的には、
あまりピンとくるものではなかった。
何か、大きな出来事があって、大きく変化していくというより、
さまざまなことが、ゆるやかに変化し続けながら、
その時代がつくられているように思えてならない。
本書では、聞き手と建築家による、意見の対立、共感できない部分も多々見受けられる。
安易に、受け止めるのではなく、お互いの現時点での考えを素直に、ぶつけ合うことに、
未来があるように思えた。

それぞれの作家から投げかけられた言葉について、実際に、この本を手にとりながら、
自分自身で感じていただければ、幸いであり、
必ず何か、心に残るものがあるのではと思える、そんな1冊である。


中尾 彰良/一級建築士事務所 Coo Planning 主宰




初めてのマイホーム ー 予算・場所・ライフスタイル


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今朝、電車のなかで、『初めてのマイホーム』という本を、
読まれている方を、見かけました。

家を建てようと、決心するに至るまでの、
最も、重要で、クリアしなければならない問題は、
どのご家族も、同じことで、『お金をどうするか』ということです。

設計事務所にこられる方の、ほとんどは、
すでに、このお金に対しての問題は、おぼろげながら、
クリアしていると判断し、訪ねてこられます。

こちらからの、出来ることといえば、
銀行等に提出する図面や、見積書を作成し、
お客様に交渉に、望んでいただくしかないのです。
なんと、受け身なのでしょうか。笑ってしまいます。

『お金をどうするのか』という段階も含めて、
どんなライフスタイルを、望んでいるのか、
そのためには、どんな場所に、住めばよいのか、
などを合わせて、ご相談を受けることができれば、
より、お互いに、深く、納得のいく、
家づくりが、できるのかもしれません。

いつか、一緒に家を建てよう



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その場の雰囲気をつくる、明かり ー 住空間の照明計画。

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遠い昔、明かりは神秘的で恐れられ、その陰影が織りなす世界は奥深く、
人々の想像力を、かき立てるものでした。
明かりには存在感があり、重心があり、その場の雰囲気をつくる、
中心的役割がありました。

とかく、日本の住まいは、明る過ぎるといわれます。
夜も昼間と同じように、生活を行おうとする。

明かりには、空間に、奥行や質感を与え、人の心理的な部分にまで、
影響を与えるという、とらえどころのない性質も、同時に持ちあわせています。

『ホッとした気持ちになる、ほの暗い明かり』、
『テーブルの上の料理を、おいしく見せる明かり』、
『作業効率を、よくするための明かり』、
『足下・手元などを照らす明かり』など。

単なる器具選びだけでは、終わらない照明計画も、
住空間において、欠かせないものなのです。

いつか、一緒に家を建てよう


写真は、モナコの駅のようすです。
南フランスからイタリアへと、線路がつづくなか、ここだけは特別のようでした。


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家族のライフスタイルが、重なる住空間 ー いちばん、好きな場所。

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よほどの、ゆとりがある訳でも、ない限り、
住宅は、ローコストであって、いいと思います。
本音をいえば、ローコストであるべきだと、思っています。
その理由は、いたってシンプルで、
住宅以外のことに、ゆとりを持つことが、できるからです。
住宅だけの人生では、あまりにも、たいくつで、
たった、一度の人生なのですから、素直に、楽しみたいものです。
そうすることで、家族のライフスタイルが、つくられて、いくんだと思います。

大きな家を、建てることが、ステイタスであったころは、過去のこととなり、
どれだけ、家族にあっているのか、
家族のライフスタイルと家が、ぴったりはまっているのか、
など、価値観は、それぞれが、見つけだし、つくりだしていく、
そんな時代なのかも、しれません。

家族のライフスタイルと家が、ぴったりと、重なり合っている家は、
個人的には、一番素敵に、うつります。
どれだけの、予算をかけたのか、ではないのです。

この『キッチン』を読み返すたびに、そんなことを思うのです。

いつか、一緒に家を建てよう


私が、この世で、いちばん好きな場所は、台所だと思う。
どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば、食事を作る場所であれば、私はつらくない。

できれば、機能的で、よく使い込んであると、いいと思う。
乾いた清潔なふきんが、何枚もあって、白いタイルが、ぴかぴか輝く。
ものすごく汚い台所だって、たまらなく好きだ。
床に野菜くずが、散らかっていて、スリッパの裏が、真っ黒になるくらい汚いそこは、
異様に広いといい。

ひと冬軽く越せるような食料が並ぶ、巨大な冷蔵庫がそびえ立ち、その銀の扉に、
私はもたれかかる。
油が飛び散ったガス台や、さびのついた包丁からふと目を上げると、窓の外には淋しく星が光る。
私と台所が残る。

自分しかいないと思っているよりは、ほんの少しましな、思想だと思う。
本当に疲れた時、私はよく、うっとりと思う。
いつか、死ぬ時がきたら、台所で息絶えたい。
ひとり、寒いところでも、誰かがいて、あたたかいところでも、
私はおびえずに、ちゃんと見つめたい。

台所なら、いいなと思う。

                       
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